POST(ポスト)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
POST(ポスト)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
ポスト (ポスト)
英語表記
POST (ポスト)
用語解説
POSTは、WebブラウザなどのクライアントとWebサーバが通信を行う際に用いられるHTTP(Hypertext Transfer Protocol)のメソッドの一つである。その主な役割は、クライアントからサーバへデータを送信し、サーバ側のリソースを新しく作成したり、既存のデータを更新したりする要求を伝えることにある。例えば、Webサイトでユーザーがログインフォームにユーザー名とパスワードを入力して送信したり、ブログ記事にコメントを投稿したり、ファイルをアップロードしたりする際に、これらの入力データやファイルデータをサーバへ送り届けるためにPOSTメソッドが利用される。
POSTメソッドの最大の特徴は、送信するデータをHTTPリクエストの「ボディ」部分に格納して送ることにある。これは、データをURLの一部であるクエリ文字列として送信するGETメソッドとは根本的に異なる点だ。GETメソッドでは送信データがURLに直接表示されるため、送信できるデータ量に実質的な制限があり、またパスワードなどの機密情報がブラウザの履歴やサーバのアクセスログに残る可能性がある。一方、POSTメソッドはリクエストボディを使用するため、大量のデータを送信することが可能であり、データのサイズに関する制約がほぼない。さらに、URLにデータが表示されないため、見た目上は機密情報が隠されるという利点がある。しかし、これはデータが暗号化されていることを意味しない。HTTP通信自体が暗号化されていない場合、ネットワーク上を流れるデータは傍受されるリスク(盗聴)があり、GETメソッドと同様にセキュリティ上の脆弱性を抱える。このため、パスワードや個人情報などの機密データをPOSTで送信する際には、SSL/TLSによって通信全体を暗号化するHTTPSの利用が不可欠となる。
具体的な利用シーンとしては、Webフォームからのデータ送信が最も一般的である。ユーザーが新規登録フォームで氏名、メールアドレス、パスワードなどの情報を入力し「登録」ボタンを押すと、これらのデータはPOSTリクエストのボディに格納されてサーバへ送信される。サーバはこのデータを受け取り、データベースに新しいユーザーレコードを作成するといった処理を行う。同様に、ブログのコメント投稿、オンラインストアでの商品の注文処理、設定変更、お問い合わせフォームからのメッセージ送信など、ユーザーがWebアプリケーションに対して何らかの変更操作を行いたい場面でPOSTが多用される。また、画像ファイルやドキュメントファイルなどのファイルアップロードも、そのデータ量の大きさからPOSTメソッドによって行われる典型的な操作である。
RESTful APIの設計においては、POSTは主に「リソースの作成(Create)」を担当する。例えば、新しい商品情報を登録するためのAPIエンドポイントに対して、商品の詳細データをPOSTメソッドで送信すると、サーバ側でその情報に基づいた新しい商品リソースが作成される。この際、サーバは新しいリソースが正常に作成されたことを示すHTTPステータスコード「201 Created」をクライアントに返すことが一般的である。
POSTメソッドの重要な特性の一つに「非멱等性(ひべきとうせい、non-idempotency)」がある。これは、同じPOSTリクエストを複数回実行した場合、その都度サーバの状態が変化したり、異なる結果を生み出したりする可能性があるという意味である。例えば、コメント投稿のPOSTリクエストを2回実行すれば、同じ内容のコメントが2回投稿されてしまう可能性がある。これは、何回実行してもサーバの状態が変化しないか、同じ結果を返すGETメソッドの「멱等性」とは対照的な性質である。この非멱等性のため、WebブラウザでPOSTリクエストを送信した直後に「更新(リロード)」ボタンを押したり、ブラウザの「戻る」ボタンで前のページに戻って再度進もうとしたりすると、「フォームを再送信しますか?」といった警告が表示されることがある。これは、ユーザーが意図せず同じデータを二重送信してしまうことによる、データの重複や整合性の破損を防ぐためのブラウザ側の配慮である。
このような意図しない重複送信の問題を回避するための一般的なWeb開発パターンとして、「POST-REDIRECT-GET」が広く利用されている。これは、POSTリクエストでデータを受け取ったサーバが、データ処理を完了した後に、クライアントを別のURL(通常は処理結果を表示するページや一覧ページ)へHTTPリダイレクト(ステータスコード302 Foundなど)させる手法である。これにより、ユーザーがブラウザをリロードしても、直前のGETリクエストが再実行されるだけであり、POSTリクエストが再送信されることはなく、データの二重登録を防ぐことができる。
さらに、POSTメソッドは通常、キャッシュされないという特性も持つ。GETメソッドで取得したデータはブラウザやプロキシサーバにキャッシュされることがあり、次回同じリクエストがあった際に高速に表示される場合があるが、POSTはサーバに状態を変更する要求を送るため、キャッシュの対象とはならない。これにより、常に最新の処理結果が得られることが保証される。
セキュリティ面では、前述のHTTPS利用の重要性に加えて、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)という種類の攻撃に対する注意が必要である。POSTリクエストは、悪意のある第三者サイトからの操作によって、ユーザーが意図しない形でWebアプリケーションにデータを送信させられる可能性がある。このため、POSTを使用する重要なフォームなどには、ワンタイムトークン(CSRFトークン)を導入するなどのセキュリティ対策が不可欠となる。
このように、POSTはWebアプリケーションにおいて、クライアントがサーバに対してデータを送信し、サーバ側の状態を更新したり、新しいリソースを作成したりするために不可欠なHTTPメソッドである。その特性であるリクエストボディを使ったデータ送信、非멱等性、キャッシュされない性質を理解し、適切にセキュリティ対策を講じながら利用することで、堅牢で信頼性の高いWebシステムを構築できる。