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【ITニュース解説】Implementing Effective API Rate Limiting and Throttling in Node.js

2025年09月14日に「Medium」が公開したITニュース「Implementing Effective API Rate Limiting and Throttling in Node.js」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Node.jsでAPIにアクセス制限(レート制限)を設ける方法を解説。APIへの急な大量アクセスや不正利用を防ぎ、サーバーが停止しないよう安定稼働させるための技術だ。利用者が公平にサービスを使えるようにする。

ITニュース解説

現代のウェブサービスにおいて、API(Application Programming Interface)はシステム間の連携を可能にする重要な役割を担っている。ウェブサイトがスマートフォンアプリと情報を共有したり、異なるサービス同士がデータをやり取りしたりする際に、APIは裏側で常に活躍している。しかし、このAPIがすべてのリクエストを無制限に受け入れてしまうと、システム全体に深刻な問題を引き起こす可能性がある。具体的には、サーバーが大量のリクエスト処理に追われて応答不能になったり、悪意のあるユーザーによってサービスが停止させられたり、特定のユーザーがリソースを独占して他のユーザーが利用できなくなったりするといった事態だ。このような問題を未然に防ぎ、APIが常に安定して機能し続けるために、「APIレートリミット」と「スロットリング」という技術が非常に重要になる。

APIレートリミットとは、一定期間内にAPIが受け付けるリクエストの回数に上限を設ける仕組みのことだ。例えば、「このAPIは1分間に100回までしか呼び出せない」といったルールを設定する。もし、あるユーザーがこの上限を超えてリクエストを送信した場合、それ以上のリクエストは一時的に拒否される。このとき、通常はHTTPステータスコード「429 Too Many Requests」というエラーが返され、リクエスト元のシステムに「少し待ってから再度試してください」と伝える。レートリミットの主な目的は、APIを提供するサーバーを過負荷から保護することにある。これにより、サーバーがダウンすることを防ぎ、安定したサービス提供を維持できる。また、パスワードの総当たり攻撃など、悪意のある大量のリクエストを阻止し、セキュリティを強化する役割も果たす。さらに、コスト管理の面でも重要だ。クラウドサービスではAPIの利用回数に応じて費用が発生することが多いため、無制限のアクセスを許してしまうと予期せぬ高額な請求につながる可能性がある。レートリミットは、こうしたコストを予測可能にし、管理しやすくする効果もある。

一方、スロットリングは、APIへのリクエストを特定の速度に制限したり、処理を遅延させたりする仕組みを指す。レートリミットが「回数制限を超えたら拒否する」という比較的単純なルールであるのに対し、スロットリングは「リクエストを受け付けるが、処理速度を調整してシステムへの負荷を均等にする」という、より柔軟なアプローチを取ることが多い。例えば、大量のリクエストが一気に押し寄せた場合でも、すべてのリクエストを拒否するのではなく、それらを一時的にキュー(待ち行列)に入れて、サーバーが処理できる範囲で順番に処理していく。これにより、過剰な負荷をかけずに、かつ可能な限りすべてのリクエストを処理しようとする。スロットリングの目的は、システムのリソースを公平に分配し、安定したサービス品質を維持することだ。特に、システムの応答性が低下しやすい一時的なリクエストの集中(バースト)があった場合に、急激なリソース枯渇を防ぎながらも、利用可能な範囲でサービスを継続することを目指す。

APIレートリミットとスロットリングは、それぞれ異なるアプローチでシステムを守るが、どちらもAPIの回復力、つまり予期せぬ事態にも耐えうる頑丈さを確保するために不可欠な技術である。これらを適切に実装することで、APIは「一時的な大量のリクエスト集中(バースト)」にも対応し、特定のユーザーや悪意のある攻撃者による「不正利用」を防ぎ、すべてのユーザーが公平にリソースを利用できる「公平性」を確保できるようになる。

Node.jsでこれらの機能を実装する際には、いくつかのアプローチがある。最もシンプルな方法は、アプリケーションのメモリ内にカウンターを保持し、リクエストごとにカウントを増やし、期間が過ぎたらリセットする方法だ。これは「インメモリ」方式と呼ばれ、単一のNode.jsサーバーインスタンスで動かす場合には有効だが、複数のサーバーインスタンスを分散して運用するような大規模なシステムでは問題が生じる。各サーバーが独立してカウントを持つため、全体としての制限が正しく機能しない可能性があるからだ。

そのため、より堅牢なシステムでは、「分散型」のアプローチが採用される。これは、Redisのような外部の高速なデータストアを利用して、リクエストカウントやタイムスタンプを一元的に管理する方法だ。すべてのNode.jsサーバーインスタンスが同じRedisサーバーを参照することで、たとえアプリケーションが複数のインスタンスで動いていても、グローバルなレートリミットやスロットリングを正確に適用できる。これにより、システム全体の負荷状況を正確に把握し、一貫性のある制御が可能となる。Node.jsには、これらのレートリミットやスロットリングを簡単に実装できる様々なライブラリやミドルウェアが存在する。これらを活用することで、開発者は複雑なロジックを自力で構築することなく、効率的にこれらのセキュリティ・安定性機能を導入できる。

システムエンジニアを目指す上で、APIがどのように安全かつ効率的に運用されるべきかを理解することは非常に重要だ。APIレートリミットとスロットリングは、ただ技術的な設定をするだけでなく、サービスの安定性、セキュリティ、そしてビジネス的な側面(コスト管理など)にまで影響を与える戦略的な要素である。これらの仕組みを深く理解し、適切に実装する能力は、これからのITシステム開発において必須のスキルとなるだろう。

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