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【ITニュース解説】DDoS defender targeted in 1.5 Bpps denial-of-service attack

2025年09月11日に「BleepingComputer」が公開したITニュース「DDoS defender targeted in 1.5 Bpps denial-of-service attack」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ヨーロッパのDDoS防御サービス提供者が、過去最大級となる1.5 Bppsの分散型サービス妨害(DDoS)攻撃を受けた。自らDDoSから守るサービスが標的となり、システムの安定稼働が脅かされた事例だ。

ITニュース解説

最近、ヨーロッパのDDoS軽減サービスプロバイダーが、過去に類を見ない大規模な分散型サービス拒否(DDoS)攻撃の標的となったというニュースが報じられた。この攻撃はピーク時に1秒あたり15億パケットという驚異的な規模に達し、DDoS攻撃の脅威がますます増大していることを示している。システムエンジニアを目指す上で、このDDoS攻撃の仕組みやその対策について理解することは非常に重要だ。

まず、DDoS攻撃とは何かから説明しよう。DDoSは「Distributed Denial of Service」の略で、日本語では「分散型サービス拒否攻撃」と呼ばれる。これは、特定のWebサイトやオンラインサービスを機能停止に追い込んだり、利用できない状態にしたりすることを目的としたサイバー攻撃の一種だ。一般的なWebサイトやサービスは、同時に処理できるアクセス数に限界がある。そこに、通常では考えられないほどの大量のアクセスやデータ送信を意図的に集中させることで、サーバーやネットワーク機器をパンクさせ、正規の利用者がサービスを使えなくしてしまうのが、サービス拒否攻撃の基本的な考え方だ。

なぜ「分散型」という言葉がつくのかというと、攻撃者が単一のコンピューターから攻撃するのではなく、世界中に分散した多数のコンピューターを乗っ取り、それらを「ボットネット」と呼ばれるネットワークに組み込んで一斉に攻撃を仕掛けるからだ。これらの乗っ取られたコンピューターは「ゾンビPC」とも呼ばれ、所有者が気づかないうちに攻撃の踏み台にされてしまう。これにより、攻撃元を特定するのが非常に困難になり、また単一の攻撃よりもはるかに大規模な攻撃が可能となる。

今回の攻撃が到達した「1.5 Bpps」という数字は、その異常な規模を示している。「pps」は「packets per second」の略で、1秒あたりに処理されるパケット数、つまりデータのかたまりの数を表す単位だ。15億パケット/秒という途方もない数字は、Webサーバーやネットワーク機器が処理しきれないほどの膨大な量のデータが、一瞬にして集中したことを意味する。これは、通常の処理能力をはるかに超える負荷がかかることで、サーバーやネットワーク機器が処理しきれなくなり、最終的にシステムが停止してしまう状況だ。通常のWebサイトであれば、数百万から数千万ppsの攻撃でも機能停止に追い込まれることが珍しくないため、この1.5 Bppsという数字がどれほど異例の規模であったかがわかる。

攻撃の標的となったのは、DDoS軽減サービスを提供する専門のプロバイダーだ。これらのプロバイダーは、WebサイトやオンラインサービスがDDoS攻撃を受けた際に、その攻撃トラフィックを吸収・フィルタリングし、正規のアクセスだけをターゲットのサーバーに届ける役割を担っている。彼らが攻撃を受けるということは、DDoS攻撃を行う側が、防御の要そのものを狙い、より強固な防御を突破しようとしていることを示唆している。これは、DDoS攻撃の技術と規模が高度化し、攻撃者がますます悪質になっている現状を浮き彫りにしている。

DDoS攻撃は、企業にとって甚大な被害をもたらす。サービスが停止すれば、売上の機会損失はもちろんのこと、顧客からの信頼失墜、ブランドイメージの低下、復旧にかかるコストなど、経済的・信用的なダメージは計り知れない。特に、ECサイトやオンラインゲーム、金融サービスなど、常時稼働が求められるサービスにとって、DDoS攻撃は死活問題となる。また、DDoS攻撃は、より巧妙なサイバー攻撃の「煙幕」として使われることもある。DDoSでシステム管理者の注意をそらしている間に、別の方法でシステムに侵入し、情報窃取やマルウェア感染を仕掛けるといった複合的な攻撃も存在するのだ。

DDoS攻撃からシステムを守るためには、複数の対策を組み合わせる必要がある。まず、ネットワークインフラの増強や帯域幅の確保が基本となるが、今回の攻撃のような超大規模なDDoS攻撃に対しては、自社だけでの対応は困難だ。そこで、今回攻撃の標的となったDDoS軽減サービスプロバイダーのような専門業者を利用することが有効な対策となる。これらのプロバイダーは、世界中に分散した高性能なサーバーとネットワークを持ち、異常なトラフィックを検知・分析し、悪意のあるパケットを遮断する技術を有している。また、攻撃パターンを常に学習し、新たな攻撃手法にも迅速に対応できる体制を整えている。

今回の事件は、DDoS攻撃が単なる迷惑行為の域を超え、ビジネスや社会インフラに対する深刻な脅威であることを改めて認識させるものだ。システムエンジニアは、システムの設計段階からセキュリティを考慮し、このような脅威からサービスを守るための知識と技術を身につけておく必要がある。DDoS攻撃はこれからも進化し続けるだろう。それに対抗するためには、最新の攻撃手法を理解し、常に防御策をアップデートしていく継続的な努力が求められる。

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