【ITニュース解説】Dockerfile and Docker Compose: What They Are and Why You Need Both
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「Dockerfile and Docker Compose: What They Are and Why You Need Both」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Dockerfileは、単一のアプリケーションを動かすための「イメージ」を作る手順書だ。一方、Docker Composeは、アプリ、データベースなど複数の「コンテナ」を連携させ、システム全体として動かす設定を定義する。複雑なシステム構築には両方が不可欠だ。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す初心者がDockerを学び始めると、「Dockerfile」と「Docker Compose」という二つの言葉によく出会う。これらはどちらも設定ファイルであり、テキスト形式で書かれているため似ているように見えるが、実際にはそれぞれ全く異なる目的を持っている。
まず、Dockerfileが何であるかを説明する。Dockerfileは、Dockerイメージを構築するための具体的な手順を記述したファイルである。Dockerイメージとは、アプリケーションとその実行に必要なすべてのもの(コード、ライブラリ、実行環境など)を一つにまとめた、自己完結型のパッケージのことである。例えば、あるアプリケーションのイメージを作成したい場合、Dockerfileには以下のような指示を記述する。まず、ベースとなるオペレーティングシステムやプログラミング言語のバージョン(例:Python 3.11)を指定する。次に、自身のアプリケーションファイルをイメージ内にコピーする指示を出す。そして、アプリケーションが動作するために必要なライブラリやツールをインストールする。最後に、コンテナが起動したときに実行するコマンド(例:python app.py)を指定する。これらの手順に従ってDockerがイメージをビルドすると、そのイメージはどこでも実行可能な状態になる。完成したイメージは、他の開発者と共有したり、保管したり、Dockerがインストールされているどの環境でも実行できる。
次に、Docker Composeについて説明する。Docker Composeは、単一のコンテナではなく、複数のコンテナが連携して動作するアプリケーション全体を定義し、管理するためのツールである。現代のアプリケーションは、多くの場合、複数の独立したサービスで構成されている。例えば、ウェブアプリケーションであれば、ユーザーインターフェースを処理するフロントエンド、ビジネスロジックを実行するバックエンド、データを保存するデータベース、そして処理速度を向上させるためのキャッシュサービスなど、様々なコンポーネントが必要になることがある。Docker Composeは、docker-compose.ymlというファイルを使って、これらの複数のコンテナをどのように動かすかを記述する。具体的には、それぞれのサービス(例えばバックエンド、フロントエンド、データベース)をどのイメージから起動するか、あるいはDockerfileを使ってイメージをビルドするか、コンテナ間でどのようにネットワークを構築するか、環境変数をどのように渡すかといった設定を一つのファイルにまとめることができる。このdocker-compose.ymlファイルが用意されていれば、docker compose upというたった一つのコマンドを実行するだけで、定義されたすべてのコンテナが連携して起動し、アプリケーション全体が完全に動作する状態になる。
DockerfileとDocker Composeの最も重要な違いは、その役割にある。Dockerfileは、あくまで単一のDockerイメージを「ビルドする」ための指示書である。一方、docker-compose.ymlファイルは、複数のコンテナを「連携させて実行する」ための指示書である。多くのプロジェクトでは、これら両方を組み合わせて使用する。まず、アプリケーションの個々のコンポーネント(例えばバックエンドサービス)をDockerイメージとしてパッケージ化するためにDockerfileを作成する。その後、そのイメージと、データベースや他のマイクロサービスといったサポートするサービスを連携させ、一つの完全なシステムとして動かすためにDocker Composeを利用する。
なぜ両方とも必要なのかというと、もし非常にシンプルなアプリケーションで、他のサービスに全く依存しない単独で動作するものならば、Dockerfileを使ってイメージをビルドし、docker runコマンドで実行するだけで十分な場合もある。しかし、ほとんどの実用的なアプリケーションは、データベースと通信したり、Redisのようなキャッシュシステムを利用したり、あるいは複数のサービスが同期して動作する必要がある。このような複雑な構成になると、Docker Composeが非常に役立つツールとなる。個々のコンテナを手動で起動したり、ネットワーク設定を行ったりするのは非常に手間がかかり、エラーの原因にもなりやすい。Docker Composeを使えば、すべてのサービスの設定をdocker-compose.ymlファイルに記述し、たった一つのコマンドで環境全体を起動でき、開発やテスト、デプロイのプロセスを大幅に簡素化できる。また、不要になったときも、一つのコマンドで環境全体を停止・削除できるため、開発効率が向上する。
まとめると、Dockerfileは単一のDockerイメージを作成するための具体的な手順を定義するものであり、Docker Composeは複数のDockerコンテナを連携させ、一つのシステムとして実行するための設定を定義するものである。これらは互いに補完し合う関係にあり、どちらか一方があれば良いというものではなく、現代の多くのアプリケーション開発において両方を適切に使いこなすことが重要となる。