【ITニュース解説】#2 EDA!
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「#2 EDA!」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
データの特徴を理解する「探索的データ分析(EDA)」フェーズが完了した。これにより、データを学習させる次のステップ、「データセットのトレーニング」へ移行したことを報告する。
ITニュース解説
このニュース記事は、データ分析プロジェクトにおける「探索的データ分析(EDA)」という重要なフェーズが完了し、次のステップである「データセットのトレーニング」へ移行したことを伝えている。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このEDAという概念と、それがなぜ重要なのかを理解することは、現代のITシステム開発において非常に有益だ。
まず、EDAとは「Exploratory Data Analysis」の略で、日本語では「探索的データ分析」と訳される。これは、データセットを「探索」し、その中に隠された特徴、傾向、パターン、あるいは問題点などを洗い出し、理解を深めるための一連の作業を指す。データ分析プロジェクトの初期段階で行われ、まるで初めての場所を地図なしで探索するように、データと向き合い、さまざまな角度から眺め、その実態を把握しようと試みるのだ。
なぜEDAがそれほど重要なのかというと、データ分析や機械学習モデルの構築は、データの品質と理解度に大きく依存するからだ。もしデータが不完全だったり、偏っていたり、想定外の値を含んでいたりすると、その後の分析結果やモデルの精度は著しく低下してしまう。EDAは、このような問題を早期に発見し、適切な対策を講じるための土台作りとなる。
具体的なEDAの作業内容としては、まずデータの全体像を把握することから始まる。データセットにどれくらいのデータがあるのか(行数)、どんな種類の情報が含まれているのか(列数やデータ型)、欠損値(データが抜けている部分)はどの程度あるのか、といった基本的な情報を確認する。次に、各データの統計量(平均値、中央値、最大値、最小値など)を計算し、データの分布(どのように値が散らばっているか)をヒストグラムや箱ひげ図といったグラフを用いて可視化する。これにより、データの中心がどこにあり、どのくらいの幅でばらついているか、あるいは極端に大きな値や小さな値(外れ値)がないかなどを視覚的に捉えることができる。さらに、複数のデータ項目間の関係性を見るために散布図を作成したり、相関関係を数値で計算したりすることもある。たとえば、システムの利用時間とエラー発生回数に関連性があるか、ユーザーの属性と特定機能の利用頻度に傾向があるか、といったことを探るのだ。
これらの探索を通じて、データに含まれるノイズ(不正確な情報)や、分析の妨げとなる異常なデータを発見し、どのように処理すべきかの方針を立てる。例えば、欠損値が多い場合はその項目を分析から除外するのか、あるいは適切な値で補完するのかを判断する。外れ値が発見された場合も、それが入力ミスによるものなのか、それとも非常に稀な現象を示す重要なデータなのかを見極め、対処方法を検討する。このように、データの前処理やクリーニングの方向性を決める上で、EDAは不可欠なプロセスとなる。
システムエンジニアを目指す初心者にとって、EDAの考え方はなぜ重要なのか。現代のITシステムは、単に機能を実装するだけでなく、その裏で膨大なデータを収集し、分析し、活用することでユーザー体験を向上させたり、ビジネス上の意思決定を支援したりすることが求められている。AIや機械学習の技術が急速に普及する中で、データはまさにシステムの血液とも言える存在だ。システムを設計、開発、運用する立場にあるシステムエンジニアは、自身が扱うデータがどのような特性を持っているのか、どんな課題を抱えているのかを理解する必要がある。EDAのスキルは、データの品質を評価し、データに基づいたより堅牢で効率的なシステムを構築するための基礎的な能力となるのだ。例えば、データベースの設計において、データの特性を事前に理解していれば、より適切なデータ型を選択したり、インデックスを最適化したりすることが可能になる。また、システムのログデータから異常を検知する際にも、平時のデータの特性をEDAで把握していれば、異常を正確に識別しやすくなる。
ニュース記事では、このEDAフェーズが完了し、「データセットのトレーニング」に移行したと述べられている。これは、EDAでデータの特性を十分に理解し、前処理を施してクリーンな状態にしたデータを使って、機械学習モデルに学習させるフェーズのことだ。例えば、将来の売上を予測するモデルや、スパムメールを識別するモデルを作る場合、これまでの実績データや既存のスパムメールのデータパターンをモデルに「学習」させる。この学習プロセスは、EDAでデータが適切に準備されていなければ、期待通りの性能を発揮できない。不適切なデータで学習されたモデルは、誤った予測を出したり、現実世界の問題を解決できなかったりする可能性があるからだ。EDAは、トレーニングフェーズでモデルが正確な学習を行えるよう、質の高いデータを提供する役割を担っていると言える。
このように、EDAはデータ分析や機械学習プロジェクトの成功を左右する最初の、そして最も重要なステップの一つだ。システムエンジニアとしてデータ駆動型のシステムを扱う以上、データの探索と理解のプロセスであるEDAの考え方と重要性を知ることは、今後のキャリアにおいて大きな強みとなるだろう。データと対話し、その潜在的な価値や問題点を見抜く能力は、技術的なスキルと同じくらい、あるいはそれ以上に価値があると言える。