【ITニュース解説】「Firefox 143」正式版リリース、Windows版で「ウェブアプリ」機能のサポートが追加
2025年09月17日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「「Firefox 143」正式版リリース、Windows版で「ウェブアプリ」機能のサポートが追加」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Firefox 143がリリースされた。Windows版では、ウェブサイトをデスクトップアプリのように実行できる「ウェブアプリ」機能が追加された。その他にも、タブのピン留め機能やフィンガープリンティング保護の拡張など、複数の新機能が搭載されている。
ITニュース解説
ウェブブラウザの「Firefox」が最新版の「Firefox 143」を正式にリリースした。この新しいバージョンでは、特にWindows版でウェブサイトをデスクトップアプリケーションのように扱える「ウェブアプリ」機能が追加されたほか、日々のブラウジングをより快適かつ安全にするための様々な改善が盛り込まれている。
まず、最も注目すべき新機能の一つがWindows版で追加された「ウェブアプリ」機能だ。これは、特定のウェブサイトを、まるで独立した通常のデスクトップアプリケーションのように起動できるようにするものだ。普段ウェブサイトを見る際に利用するブラウザのインターフェース、例えばタブやアドレスバー、メニューなどが表示されなくなり、ウェブサイトの内容だけが表示される独立したウィンドウで開く。これにより、ユーザーはウェブサイトを他のブラウザタブから隔離し、まるで専用のソフトウェアを使っているかのように集中して利用できる。例えば、GmailやSlackのようなウェブサービスをこの機能で起動すれば、Windowsのタスクバーに専用のアイコンとしてピン留めできるようになり、他のたくさんのブラウザタブの中に埋もれることなく、素早くアクセスし、そのサービスに集中して作業を進めることが可能になる。これは、ウェブサイトが持つ多様な機能を、よりデスクトップ環境に統合し、ユーザーの利便性を大幅に向上させる狙いがある。ウェブサイトが提供する体験を、従来のブラウザの枠を超えて、より独立したアプリケーションとして活用したい場合に非常に有効な機能と言えるだろう。
次に、ブラウザの日常的な使い勝手を向上させる「タブのピン留め」機能も強化された。これは、よく利用するウェブサイトのタブをブラウザの左端に小さく固定し、常に開いた状態に保つ機能だ。ピン留めされたタブは、通常のタブよりもコンパクトに表示され、誤って閉じてしまうことを防ぎ、またブラウザを再起動しても自動的に開かれるため、作業の継続性を高める。これにより、常に参照したい情報源や、頻繁に利用するウェブサービスに素早くアクセスでき、ブラウザ上の作業スペースを効率的に管理できるようになる。
プライバシー保護の面では、「フィンガープリンティング保護」機能がさらに拡張された。フィンガープリンティングとは、ウェブサイトがユーザーのパソコンやブラウザの様々な情報(例えば、画面の解像度、インストールされているフォントの種類、OSのバージョン、ブラウザの言語設定など)を組み合わせて、そのユーザーが誰であるかを特定しようとする追跡技術を指す。これらの情報は、単体では個人を特定しにくいが、複数組み合わせることで、高い精度で特定の個人を識別できてしまう。これを悪用されると、ユーザーのオンライン上の行動が密かに追跡され、プライバシーが侵害される可能性がある。Firefox 143では、このフィンガープリンティングに利用される可能性のある情報の収集を、より広範囲にわたってブロックするようになり、ユーザーが意図しない追跡からさらに強力に保護されるようになった。これにより、ユーザーはより安心してウェブを閲覧できるようになる。
ウェブ開発者にとっても有用な機能強化として、「色指定HTML要素」に関する機能改善も行われた。HTMLはウェブページの構造を記述するための言語であり、その中で色を指定する要素や属性が多数存在する。今回のアップデートでは、色の指定方法がより柔軟になり、ウェブサイトのデザイン表現の幅が広がった。これにより、開発者はより洗練された、視覚的に魅力的なウェブページを作成できるようになる。例えば、これまで難しかった複雑なグラデーションや、特定の色彩空間に基づいた厳密な色指定などが、より容易に実現できるようになることが期待される。これは、ウェブページの見た目をより豊かにし、ユーザーエクスペリエンスの向上に貢献する。
その他にも、今回のFirefox 143のリリースには、ウェブブラウザとしての基本的なパフォーマンスの向上や、セキュリティの脆弱性への対策など、目に見えにくい部分でも多数の改善が含まれている。ブラウザはインターネットを利用する上での窓口であり、その機能向上は、私たちのデジタルライフの質を直接的に左右する。今回のアップデートは、日々のウェブ体験をより快適に、より安全に、そしてより便利にするためのFirefox開発チームの継続的な努力が形になったものと言えるだろう。特にウェブアプリ機能の追加は、ウェブサイトとデスクトップアプリケーションの境界を曖昧にし、私たちのパソコンの利用方法に新たな可能性をもたらす一歩となる。