【ITニュース解説】JavaScript の TextEncoder を毎回生成すると、効率はどうなるか?
2025年09月14日に「Qiita」が公開したITニュース「JavaScript の TextEncoder を毎回生成すると、効率はどうなるか?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
JavaScriptで文字列をUTF-8バイト列に変換するTextEncoderの利用では、オブジェクトを毎回作らず、最初に一度作り使い回す方が処理効率は良い。頻繁に変換する場面で、パフォーマンス向上に貢献する。
ITニュース解説
コンピュータが情報を扱う際、私たちは普段、目に見える文字として扱っているが、コンピュータの内部では、それらの文字は数字の集まり、つまりバイト列として処理される。特に、インターネットを通じてデータをやり取りしたり、ファイルを保存したりする際には、この文字列とバイト列の変換が不可欠になる。世界中の多様な言語や文字を正確に表現するために、多くのシステムで「UTF-8」という文字エンコーディングが標準的に利用されている。UTF-8は、各文字を可変長のバイト列で表現する方式で、これにより、日本語や英語、中国語など、どんな文字でも正しく扱えるようになる。
JavaScriptの環境では、文字列をこのUTF-8形式のバイト列に変換するための標準的な機能として「TextEncoder」というクラスが提供されている。これは、開発者が文字列データをネットワークで送信したり、特定のファイル形式で保存したりする際に非常に便利なツールだ。
TextEncoderを使う際には、少し特殊な方法を取る。一般的なJavaScriptの機能には、オブジェクトを生成せずに直接使える「静的メソッド」というものがあるが、TextEncoderの場合は、まず「TextEncoderのオブジェクト(インスタンス)」を一つ生成する必要がある。TextEncoderクラスは、変換処理を行うための設定や状態を内部に持つ可能性があるため、その状態を管理するために、変換を行うたびにそのオブジェクトを介して処理を実行する設計になっている。例えば、「new TextEncoder()」というコードを実行して、TextEncoderの「実体」を作り出し、その実体に対して文字列変換の指示を出す、といった使い方をする。
ここで重要になるのが、このTextEncoderのオブジェクトを「毎回新しく生成する」のと「一度だけ生成して、それを何度も使い回す」のとで、プログラムの効率にどのような違いが出るか、という点だ。
コンピュータのプログラムにおいて、新しいオブジェクトを生成するという処理は、目に見えないところでいくつかのステップを踏んでいる。具体的には、そのオブジェクトを格納するためのメモリ領域を確保したり、オブジェクトの初期設定を行ったり、といった内部的な処理が必要になる。これらの処理は、一回あたりにかかる時間は非常に短いかもしれないが、もし同じオブジェクトを何千回、何万回と繰り返し生成するようなプログラムの場合、その都度発生する初期化の「コスト」が積み重なり、無視できないほどの時間ロスやリソースの消費につながる可能性がある。
もしTextEncoderのオブジェクトを、文字列を変換するたびに毎回新しく生成した場合、文字列変換処理が実行されるたびに、前述のメモリ確保や初期化といったコストが繰り返し発生する。例えば、ウェブアプリケーションでユーザーが入力したデータをサーバーに送るたびに、TextEncoderを生成して変換を行うようなケースがこれに該当する。一回や二回程度の実行であれば、その生成コストは人間の目には全く感じられないほど微々たるものだが、これが高頻度で実行されるシステムや、大量のデータをバッチ処理するような場合には、全体のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある。
一方、TextEncoderのオブジェクトをプログラムの最初に一度だけ生成し、その後は同じオブジェクトを繰り返し利用して文字列変換を行う場合を考えてみよう。この方法では、オブジェクト生成に伴うメモリ確保や初期化のコストは、プログラムの実行中にたった一度しか発生しない。二回目以降の変換処理は、すでに準備が整った既存のオブジェクトに対して行われるため、余分なオーバーヘッドが発生しない。これにより、特に高頻度で文字列変換処理が必要となる場面では、プログラム全体の実行効率が向上し、より高速に処理が完了したり、使用するメモリ量が安定したりするといったメリットが期待できる。
最近のJavaScriptエンジンは非常に高度に最適化されており、開発者が記述したコードを、コンピュータがより効率的に実行できるように、内部で様々な工夫をしている。そのため、TextEncoderのオブジェクト生成に関しても、昔のJavaScriptエンジンに比べて、その生成コストがかなり小さくなっている場合もある。場合によっては、毎回生成しても、体感できるほどの性能差が出ないこともあるかもしれない。しかし、これは「コンピュータが賢くなったから、いつでも非効率なコードを書いても大丈夫」というわけではない。
システムエンジニアを目指す上で、このようなオブジェクトの生成コストやリソースの効率的な利用について理解し、意識することは非常に重要だ。どのような場合でも、パフォーマンスが要求される処理や、繰り返し実行される可能性のある処理においては、TextEncoderのオブジェクトを一度生成して使い回すのが、基本的なベストプラクティスであると言える。この考え方はTextEncoderに限らず、他のリソースを消費するオブジェクトにも共通して当てはまる、効率的なプログラミングの基本原則の一つだ。小規模なプログラムや一度きりの処理ではあまり気にしなくても良いかもしれないが、大規模なシステム開発や、性能が重視される場面では、常にこのような最適化の視点を持つことが求められる。