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【ITニュース解説】Kiro Hackathon !

2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Kiro Hackathon !」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Kiroは、アイデアを伝えるだけで設計書・要件書・タスクリストを作成し、プロジェクト全体を自動で構築するツールだ。ユーザーはタスク実行を指示し、権限付与後は自動で開発が進む。最終的にアプリが完成し、非常に良い開発体験をもたらす。

出典: Kiro Hackathon ! | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Kiroとは、システム開発のプロセスを劇的に変える可能性を秘めた、AIを活用した強力な自動開発エージェントである。このツールは、開発者が抱えるアイデアを現実のアプリケーションへと迅速に形にする支援を提供する。

通常のシステム開発では、まず開発者が作りたいもののアイデアを練り、そのアイデアを基にどのようなシステムにするかという「設計」を考え、次に具体的にどのような機能が必要かという「要件」を定義し、最後にそれらを実現するための具体的な「タスク」に分解して一つずつ作業を進めていく。この初期の段階は非常に重要であり、多くの時間と労力を必要とする。Kiroは、この一連のプロセスをAIの力で自動化し、開発者の負担を大幅に軽減することを目的としている。

ニュース記事によると、ユーザーがKiroに自分のアイデアを数分間話すだけで、Kiroはすぐに作業を開始したという。これは、まるで人間のチームメンバーと対話するように、自然な言葉で開発の方向性を伝えるだけでプロジェクトがスタートする、非常に直感的なインターフェースを持っていることを示唆している。

Kiroが作業を開始すると、まず三つの重要なファイルを自動的に作成する。それは「design.md」「requirements.md」「tasks.md」である。これらのファイルは、Kiroがプロジェクト全体を構築するために必要なすべての情報を含んでおり、プロジェクトの骨格となる。

まず、「design.md」は、アプリケーション全体の設計や構造に関する情報が記述されたファイルである。これは、どのような見た目のアプリケーションにするか、ユーザーがどのように操作するか、内部的にはどのようなコンポーネントで構成されるかといった、システムの全体像や設計思想をまとめたものだ。このファイルがあることで、開発の方向性が明確になり、後工程での手戻りを防ぐことができる。

次に、「requirements.md」は、アプリケーションが満たすべき具体的な要件、つまり「何をどう実現すべきか」を定義したファイルである。例えば、「ユーザーが登録・ログインできること」「商品を検索・閲覧できること」「決済機能が実装されていること」など、アプリケーションに求められる機能や性能、セキュリティ要件などが詳細に記述される。これらの要件が明確になることで、Kiroは具体的な機能をどのような仕様で実装すべきかを正確に理解し、目標達成のための具体的な計画を立てることができる。

そして、「tasks.md」は、上記の設計と要件を実現するために必要な、具体的な作業項目をリストアップしたファイルである。このファイルには、「データベースの構築」「ユーザー認証機能の実装」「フロントエンド画面の開発」といった、プロジェクトを細分化した一つ一つのタスクが記述されている。それぞれのタスクは、設計ファイルや要件ファイルに紐付けられており、どのタスクがどの設計・要件に関連しているかが一目でわかるように工夫されている。

ユーザーは、この「tasks.md」ファイルにリストアップされた各タスクを見て、実行したいタスクの「Start Task」ボタンをクリックするだけでよい。これにより、Kiroは対応するタスクを自動的に実行し始める。この仕組みは、開発者が煩雑なコマンド入力やファイル操作を行うことなく、プロジェクトの進捗を管理し、必要な作業をKiroに指示できることを意味する。各タスクが設計や要件にリンクされているため、Kiroは常に全体のコンテキストを理解した上で作業を進めることができる。

Kiroの持つ最も画期的な機能の一つが「Autopilot(自動操縦)」機能である。この機能は、Kiroが開発作業を自動で進めるためのもので、一度必要な権限を与えれば、その後は自律的に動作し続ける。例えば、ファイルの作成、編集、削除、プログラムの実行、外部ツールとの連携など、開発に必要な様々な操作を行う権限を最初にまとめて許可することで、Kiroは開発者の介入なしに一連の作業をスムーズに実行できるようになる。初期の権限付与は必要だが、一度設定が完了すれば、まるで熟練のエンジニアが一人で黙々と作業を進めるかのように、Kiroがプロジェクトを構築していく様子を観察できる。

Kiroが全てのタスクを完了させると、アプリケーションはほぼ完成した状態になる。開発者は、Kiroが生成したアプリケーションを実行し、実際に動作を確認することができる。もし、ここで何か微調整が必要な部分や、改善したい点があれば、開発者が手動で修正を加えることも可能である。しかし、全体的にはKiroの自動生成された成果物の品質は非常に高く、最終的な手直しは最小限で済むことが多い。

記事の筆者は、Kiroを使った開発体験を「10点満点中10点」と高く評価している。これは、Kiroがアイデアから実動するアプリケーションへの変換を非常に効率的かつ高品質に実現し、開発プロセス全体をスムーズにしたことを示している。Kiroのようなツールの登場は、システムエンジニアの仕事のやり方や、開発プロジェクトの進め方に大きな変革をもたらす可能性がある。特に、初期の設計や要件定義、そして具体的なタスクの実行といった、時間のかかる作業が自動化されることで、開発者はより創造的な仕事や、システム全体の品質向上、新しい技術の探求といった、付加価値の高い活動に集中できるようになるだろう。

Kiroは、単なるコード生成ツールにとどまらず、プロジェクトマネジメント、設計、開発、デプロイといった一連の開発サイクル全体を支援する、包括的なAIエージェントの未来を示している。このようなツールが普及することで、システムエンジニアを目指す初心者でも、より早く、より効率的に、複雑なアプリケーション開発に取り組むことが可能になるかもしれない。開発の障壁が下がり、誰もが自身のアイデアを形にできる未来が、Kiroによって一層近づいている。

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