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【ITニュース解説】Learning things with projects

2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「Learning things with projects」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

記事「Learning things with projects」は、楽しいパスワード生成ツールを作る実践プロジェクトを通じ、ウェブ開発に役立つReact Hooksという技術をわかりやすく解説している。プロジェクトで学ぶことの有効性を示し、難解な技術も身近に感じられる内容だ。

出典: Learning things with projects | Dev.to公開日:

ITニュース解説

プログラミングを学び始め、システムエンジニアを目指す上で、ただ教科書やオンライン講座の座学だけでは身につかない実践的なスキルがある。多くの学習者が経験するように、知識をインプットするだけでは実際に手を動かして何かを作り上げるのは難しい。このギャップを埋め、より深く、そして楽しく学習を進めるための非常に効果的な方法が「プロジェクトを通じて学ぶ」ことだ。今回のニュース記事「Learning things with projects」は、まさにこの実践的な学習アプローチの重要性を提示している。

プロジェクトを通じて学ぶことの最大の利点は、理論と実践を結びつけられる点にある。例えば、プログラミング言語の文法やデータ構造について学んだとしても、それが具体的なWebサイトやアプリケーションのどの部分でどのように使われるのかをイメージするのは難しいかもしれない。しかし、実際に小さなプロジェクト、例えば簡単なWebページやツールを作成してみることで、学んだ知識が具体的な成果物へと変換されるプロセスを体験できる。この体験は、知識の定着を促し、より深い理解へとつながる。また、プロジェクトを進める中で、予期せぬエラーに直面したり、実装方法で悩んだりすることは日常茶飯事だ。これらの問題に自力で向き合い、解決策を探す過程で、システムエンジニアに不可欠な問題解決能力やデバッグ(プログラムの誤りを見つけて修正すること)のスキルが自然と養われる。

記事が具体例として挙げているのが、「楽しいパスワードジェネレーター」の作成を通じて「React Hooks」を理解するという学習方法だ。これについて詳しく見ていこう。

まず「React」とは、Webサイトのユーザーインターフェース(UI、利用者が目にする部分や操作する部分)を効率的に構築するためのJavaScriptライブラリである。Facebook(現Meta)によって開発され、現代のWeb開発において非常に広く利用されている技術の一つだ。Reactを使うと、Webページ全体を一度に描画するのではなく、コンポーネントと呼ばれる小さな部品単位でUIを管理し、必要な部分だけを効率的に更新できるため、複雑なWebアプリケーションでも高速で快適な動作を実現できる。システムエンジニアにとって、ユーザー体験の良いWebアプリケーション開発は重要なスキルであり、Reactはそのための強力なツールとなる。

そして「Hooks」は、React 16.8で導入された新しい機能である。これまでのReactでは、コンポーネントの状態(データ)管理や、コンポーネントが描画された後に行う処理(データ取得など、副作用と呼ばれる)を行うには、クラスという概念を使った「クラスコンポーネント」を書く必要があった。しかし、クラスコンポーネントは記述が複雑になりがちで、特に初心者には理解しにくい側面があった。Hooksは、このような状態管理や副作用の処理を、よりシンプルで分かりやすい「関数コンポーネント」の中で直接行えるようにするための機能だ。これにより、コードの記述量を減らし、再利用性を高め、開発効率を向上させることが可能になった。

代表的なHooksには「useState」と「useEffect」がある。useStateは、コンポーネント内で変化するデータを管理するために使われる。例えば、カウンターアプリなら現在のカウント値、テキスト入力フォームなら入力中の文字列といった「状態」を保持し、その状態が変更されたときにコンポーネントを再描画する役割を担う。useEffectは、コンポーネントが描画された後や、特定の状態が変化したときに実行したい処理を記述する際に使う。データの取得、タイマーの設定、イベントリスナーの登録と解除などがこれにあたる。これらはReact開発の基盤となる非常に重要な機能であり、これらを理解することがReactを使いこなす上で不可欠だ。

このReact Hooksを学ぶための具体的なプロジェクトとして提案されているのが「楽しいパスワードジェネレーター」である。パスワードジェネレーターとは、ランダムな英数字、記号などを組み合わせて、安全性の高いパスワードを生成するツールのことだ。ユーザーは通常、パスワードに含める文字種(大文字、小文字、数字、記号)やパスワードの長さを指定できる。

このようなパスワードジェネレーターをReactで作ることを想像してみよう。まず、パスワードの長さや含める文字種(チェックボックスなど)といった、ユーザーが設定する項目を管理するためにuseStateを使用する。例えば、パスワードの長さを保持するpasswordLengthという状態や、大文字を含めるかどうかを管理するincludeUppercaseという状態などが考えられる。ユーザーがこれらの設定を変更するたびに、useStateによって状態が更新され、画面に反映される。

次に、これらの設定に基づいて実際にパスワードを生成するロジックが必要になる。そして、生成されたパスワードを画面に表示する。パスワードが生成されるタイミングは、ユーザーが「生成」ボタンをクリックした時や、設定が変更された時などが考えられる。このような「特定の条件で何らかの処理を行う」場面でuseEffectが役立つこともあるが、パスワード生成ロジック自体は通常、イベントハンドラー(ボタンクリック時などに実行される関数)の中で呼び出されることが多い。useEffectは、例えばコンポーネントが初めて描画されたときに初期パスワードを生成したり、生成されたパスワードをクリップボードにコピーする機能の実装など、コンポーネントのライフサイクル(生成から消滅まで)に関連する処理で使うことが適している。

このプロジェクトを通じて、初心者は単にReact Hooksのコード例を見るだけでなく、実際にそれらがどのように連携し、ユーザーの操作に応じてアプリケーションがどのように振る舞うのかを体験できる。例えば、パスワードの長さを示すスライダーを動かすと、即座に画面に表示される長さが変わるといったインタラクティブな要素は、useStateの働きを直感的に理解するのに役立つ。また、パスワード生成ロジック自体は純粋なJavaScriptで書かれるため、ReactとJavaScriptの役割分担も学ぶことができる。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、このようなプロジェクト学習は非常に効果的だ。学習を始めるにあたっては、まずJavaScriptの基本的な文法や概念をしっかりと理解しておくことが前提となる。その後、Reactの基本的な仕組み(コンポーネント、JSXなど)を学び、その上でHooksの概念に進むのがスムーズな道のりだ。最初は小さなパスワードジェネレーターのような簡単なツールから始め、徐々に機能を拡張したり、別のアイデアで新しいプロジェクトに挑戦したりすることで、着実にスキルを向上させることができる。

エラーに出くわすことは決して悪いことではない。むしろ、エラーメッセージを読み解き、インターネットで調べ、試行錯誤することで、プログラミングやデバッグのスキルは飛躍的に伸びる。この一連のプロセスこそが、座学だけでは得られない「生きた知識」となり、将来システムエンジニアとして働く上で大きな自信となるだろう。プロジェクトを通じた学習は、単に技術を習得するだけでなく、自ら課題を発見し、解決策を導き出す能力を育むための最良の手段の一つなのである。

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