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【ITニュース解説】Mac で Nix shell を用いてネィティブコンパイル機能を有効化した Emacs をビルドする

2025年09月27日に「Zenn」が公開したITニュース「Mac で Nix shell を用いてネィティブコンパイル機能を有効化した Emacs をビルドする」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Macで開発エディタEmacsを、Nix shellというツールを使い、自分でビルドする方法を解説。Emacsのネイティブコンパイル機能を有効化し、高速化を実現する手順を紹介する。

ITニュース解説

このニュース記事は、プログラマーやシステムエンジニアが日々の開発作業でよく利用する高機能なテキストエディタ「Emacs」を、特定の機能(ネイティブコンパイル機能)を有効にした状態で、自分自身でビルドする方法について解説している。特に、MacというOS環境と、「Nix」という先進的なパッケージ管理ツールを活用している点が特徴である。

まず、Emacsについて説明する。Emacsは、単なるテキストエディタの枠を超え、プログラミング、メールの送受信、ファイル管理など、様々な機能をこなせる統合開発環境のような役割も果たす。長年にわたり多くの開発者に愛用されており、その柔軟性と拡張性の高さが評価されている。EmacsはLispというプログラミング言語で記述されており、ユーザーがLispコードを書くことで、機能を自由に追加したり変更したりできる点が大きな強みである。

次に、記事の主題である「ネイティブコンパイル機能」について解説する。2021年4月末にEmacsに導入されたこの機能は、Emacsの性能を大きく向上させるためのものだ。通常、EmacsのLispコードは実行時に逐次解釈されることが多いが、ネイティブコンパイル機能を使うと、Lispコードをコンピュータが直接理解できる「機械語」と呼ばれる形式に事前に変換できる。この機械語は、CPUが最も効率良く実行できる形式であるため、Emacsの起動速度や、複雑な処理を行う際の実行速度が大幅に向上し、より快適な操作が可能になる。開発者にとっては、作業効率の向上に直結する重要な機能である。

しかし、このネイティブコンパイル機能は、Emacsを「自分でビルド」しないと有効にならない場合が多い。ここでいう「ビルド」とは、プログラマーが書いたソースコードを、実際にコンピュータ上で動くアプリケーションの形に変換する作業全般を指す。この作業には、ソースコードを機械語に翻訳する「コンパイル」や、必要な部品を一つにまとめる「リンク」などの工程が含まれる。多くのソフトウェアは、開発者が事前にビルドした「ビルド済み」のものが配布されており、利用者はそれをダウンロードして使うことが多い。しかし、特定の機能を有効にしたい場合や、まだ正式リリースされていない最新の機能を使いたい場合、あるいは、自分のシステム環境に合わせて最適化したい場合などには、ソースコードを入手し、自分でビルドする必要がある。今回の記事の筆者も、ネイティブコンパイル機能を持つEmacsを使いたいため、自分でビルドするという選択をした。

ここで重要な役割を果たすのが「Nix」というツールである。Nixは、ソフトウェアのパッケージ(プログラム本体と、それが動作するために必要な他のプログラムや設定ファイルなど一式)を管理するためのシステムだ。従来のパッケージ管理システムとは異なり、Nixはすべてのソフトウェアとその依存関係を、独自のファイルシステム上に明確に定義し、互いに隔離された環境で管理する。これにより、複数のソフトウェアが互いに影響し合って不具合を起こす「依存関係の衝突」といった問題を根本的に解決できる。また、Nixは「再現性」が非常に高いという特徴を持つ。これは、特定のNixの設定ファイルがあれば、誰でも、いつ、どこで実行しても、完全に同じソフトウェア環境を再現できることを意味する。この特性は、チームでの開発において、全員が全く同じ開発環境を構築したり、過去の安定した環境に簡単に戻したりする際に非常に役立つ。

そして、Nixの機能の一つである「Nix shell」が、今回のビルド作業で活用されている。Nix shellは、一時的に特定の開発環境を構築するために使われる機能だ。例えば、あるプロジェクトで特定のバージョンのプログラミング言語やライブラリが必要な場合、Nix shellを使うとそのプロジェクトのためだけに、必要なツール群が揃った環境を一時的に作成できる。この一時的な環境は、メインのシステム環境とは完全に隔離されているため、プロジェクトが終了すれば簡単に破棄でき、システム全体を汚すことなく、様々なツールやバージョンの組み合わせを安全に試すことができる点が大きなメリットである。

記事の筆者はこれまで、「Nix Home Manager」というツールを使ってEmacsをインストールし利用していた。Home ManagerもNixエコシステムの一部であり、ユーザーのホームディレクトリ内の設定ファイルやアプリケーションの管理をNixを使って行うツールだ。これにより、個人の設定もコードとして管理できるため、新しいPCへの環境移行や、複数のPC間での設定共有が非常に楽になる。しかし、Home Managerで提供されるビルド済みのEmacsには、筆者が求めていた「ネイティブコンパイル機能」が有効化されていなかったため、筆者はNix Home Manager経由ではなく、Nix shellを用いて、自らEmacsのソースコードをビルドするという方法を選択したのである。

この一連の作業は、システムエンジニアが特定の要件を満たすソフトウェア環境を構築する際に直面する課題に対し、Nixという強力なツールがどのように解決策を提供するのかを示す好例である。Nixを活用することで、開発者はソフトウェアの依存関係や環境構築の複雑さから解放され、より効率的かつ安全に開発作業を進めることが可能になる。特に、新しい技術や機能(今回の場合はEmacsのネイティブコンパイル機能)を試したいが、既存の安定したシステム環境を壊したくないという状況において、Nix shellのような機能は非常に有効な手段となる。このような柔軟な環境構築の知識と技術は、現代のシステムエンジニアにとって不可欠なスキルの一つと言える。

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