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【ITニュース解説】「Microsoft Office 2016/2019」が2025年10月でサポート終了 あと約1カ月で何をすべきか

2025年09月08日に「@IT」が公開したITニュース「「Microsoft Office 2016/2019」が2025年10月でサポート終了 あと約1カ月で何をすべきか」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Microsoft Office 2016/2019は2025年10月にサポートを終了する。セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、使用を続けるとセキュリティリスクが高まる。Microsoftは新しいバージョンへの早期移行を呼びかけている。

ITニュース解説

Microsoft Office 2016とOffice 2019のサポートが、2025年10月をもって終了する。このニュースは、多くの個人利用者だけでなく、企業で情報システムを担当する人々にとっても重要な意味を持つ。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、この「サポート終了」という事象は、将来の仕事において必ず直面するテーマの一つだ。なぜソフトウェアのサポート終了が重要なのか、そして何をすべきなのかを具体的に解説する。

まず「サポート終了」とは何かを理解しよう。ソフトウェアは一度リリースされればそれで終わりではなく、開発元から継続的に「サポート」が提供される。このサポートには、主に三つの要素がある。一つは「セキュリティ更新プログラムの提供」だ。これは、ソフトウェアに新たに見つかった脆弱性(セキュリティ上の弱点)を修正し、外部からの攻撃やウイルス感染を防ぐための最も重要な更新だ。二つ目は「バグ修正」で、ソフトウェアの不具合や予期せぬ動作を改善するためのもの。三つ目は「技術サポート」で、ソフトウェアの使い方やトラブル発生時に、開発元からの直接的な支援を受けられることを指す。

Office 2016と2019が2025年10月にサポート終了するということは、これらのサポートがすべて停止されることを意味する。最も深刻な問題は、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなる点だ。これは、例えば家の鍵が壊れたまま放置されるような状況に似ている。サポート終了後に新たな脆弱性が発見されても、マイクロソフトはその修正プログラムを提供しない。その結果、悪意のある第三者はその脆弱性を突いて、ウイルスを仕込んだり、機密情報を盗んだり、システムを乗っ取ったりする可能性がある。これは個人利用者にとってはデータ消失やプライバシー侵害、企業にとっては情報漏洩やシステムダウンといった重大な被害につながりかねない。システムエンジニアにとって、企業のセキュリティ維持は最も重要な任務の一つであり、サポートが終了したソフトウェアを使い続けることは、極めて大きなリスクとなる。

また、サポート終了後は、新しいOSやハードウェアとの互換性保証も行われなくなる。例えば、Windowsの新しいバージョンがリリースされた際に、Office 2016や2019が正常に動作しなくなったり、予期せぬエラーが発生したりする可能性が高まる。さらに、新しいファイル形式が登場した場合に対応できなかったり、他の最新ソフトウェアとの連携がうまくいかなくなったりすることもある。これにより、業務の効率が低下したり、最悪の場合、一部の業務が遂行できなくなる恐れも出てくる。技術サポートも受けられなくなるため、トラブルが発生しても自力で解決するか、外部の専門家に依頼するしかなく、時間もコストもかかることになるだろう。

このようなリスクを回避し、安全で効率的な業務環境を維持するために、サポートが終了するソフトウェアは速やかに新しいバージョンや別の製品へ移行する必要がある。Office 2016や2019からの移行先としては、主に二つの選択肢が考えられる。

一つは「Microsoft 365」への移行だ。これはサブスクリプション(定額制)モデルのサービスで、常に最新バージョンのOfficeアプリケーション(Word, Excel, PowerPointなど)を利用できる。クラウドストレージのOneDriveやオンライン会議ツールのTeamsといった他のマイクロソフト製品ともシームレスに連携し、複数のデバイスで同じ環境を利用できるメリットがある。常に最新のセキュリティが適用され、新しい機能も随時追加されるため、セキュリティ面でも機能面でも安心して利用できる。企業においては、ユーザー管理やライセンス管理も容易になり、IT資産管理の負担を軽減できるという利点がある。

もう一つは、「Office 2021」のような新しい永続ライセンス版への移行だ。これはOffice 2016や2019と同じように、一度購入すれば永続的に利用できる買い切り型の製品だが、特定のバージョンに固定されるため、いずれはそのバージョンのサポートが終了する時期が来る。常に最新の機能やサービスが必要ない場合や、インターネット接続が限定される環境での利用に適しているかもしれないが、サポート期間を考慮すると、将来的な再移行の計画も視野に入れる必要がある。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このようなソフトウェアの移行プロジェクトは、将来のキャリアにおいて多くの経験を積める貴重な機会となる。企業における移行作業は、単純にソフトウェアを入れ替えるだけではない。まず、現在利用しているOfficeのバージョンやライセンス状況を正確に把握する「IT資産管理」が不可欠だ。次に、新しいOffice環境で既存の業務システムや作成済みファイル(特に複雑なマクロやアドインを含むExcelファイルなど)が問題なく動作するかを検証する「互換性テスト」が重要となる。移行による業務中断を最小限に抑えるための「移行計画の立案」や、実際にソフトウェアを展開する「展開作業」、そしてユーザーが新しい環境にスムーズに適応できるよう「利用者への周知とトレーニング」も欠かせない。これらすべては、システムエンジニアが中心となって推進すべきタスクであり、プロジェクト管理能力、技術的な知識、そしてコミュニケーション能力が問われる。

マイクロソフトは、サポート終了が間近に迫っていることに対し、個人利用者も企業管理者も早期の移行を求めている。システムエンジニアの視点からは、セキュリティリスクを未然に防ぎ、ビジネスの継続性を確保するために、このようなサポート終了のアナウンスがあった時点で迅速に評価と計画に着手することが求められる。ソフトウェアのライフサイクルを理解し、常に最新の情報を追うことは、情報システムを安全かつ効率的に運用する上で不可欠なスキルとなるだろう。今回のOffice 2016/2019のサポート終了は、そうしたスキルを磨くための良い学習機会となるはずだ。

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