【ITニュース解説】PR: SASEを導入した4社の本音 各社が求めた効果は得られたのか?
2025年10月03日に「@IT」が公開したITニュース「PR: SASEを導入した4社の本音 各社が求めた効果は得られたのか?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ネットワークとセキュリティを統合した「SASE」は、その必要性が認識されつつある。導入企業4社の本音を基に、SASE導入によって具体的にどのような効果が得られたのか、その真価を探る。
ITニュース解説
現代のIT環境は急速に変化し、企業がビジネスを行う上での課題も多様化している。従来のITインフラは、主に企業のオフィス内部という「境界」を守ることを前提に設計されていた。しかし、クラウドサービスの普及、リモートワークの常態化、そして様々なデバイスから社内システムへアクセスする動きが増えたことで、この境界型防御の考え方だけではセキュリティの確保が難しくなり、運用管理も複雑化の一途をたどっていた。このような背景の中で、ネットワークとセキュリティの機能を統合し、クラウドサービスとして提供する「SASE(Secure Access Service Edge)」という新しいアーキテクチャが注目を集めている。
SASEは、ユーザーがどこにいても、どのデバイスを使っていても、そしてアクセス先のデータがどこにあっても、一貫したセキュリティポリシーと高速なネットワークアクセスを提供する。これは、従来の「会社の中は安全、外は危険」という考え方から、「どこからでも、どんな時でも安全にアクセスできる」というゼロトラストの考え方に基づいている。具体的には、セキュアウェブゲートウェイ(SWG)によるWebアクセスの監視・制御、CASB(Cloud Access Security Broker)によるクラウドサービス利用の制御、FWaaS(Firewall as a Service)による次世代ファイアウォール機能、ZTNA(Zero Trust Network Access)による安全なリモートアクセス機能などを、ネットワーク機能と組み合わせてクラウド上で実現する。これにより、複数のセキュリティ製品を個別に導入・運用する必要がなくなり、管理の負担が大幅に軽減されるというメリットが期待される。
SASEを導入した企業は、このようなメリットを実際に感じているのか。複数の導入企業の「本音」に耳を傾けてみると、SASEが単なる技術トレンドに留まらない、実用的なソリューションであることが浮き彫りになる。多くの企業はSASE導入前に、リモートワーク環境におけるセキュリティの課題、クラウドサービス利用時の制御の難しさ、複雑化したネットワークとセキュリティの運用管理、そしてそれらに伴うコストの増大といった問題を抱えていた。例えば、従業員が自宅や外出先から社内システムにアクセスする際、従来のVPNではパフォーマンスが低下したり、VPNを狙ったサイバー攻撃のリスクがあったり、場所によってセキュリティレベルがバラバラになる可能性があった。また、各クラウドサービスに対して個別にセキュリティ対策を講じる必要があり、全体像を把握するのが困難だったという声も少なくない。
SASEの導入によって、これらの課題は大きく改善された。ある企業では、従業員がどこからアクセスしても、オフィス内と同じレベルのセキュリティが均一に適用されるようになった。これにより、リモートワーク環境のセキュリティが大幅に強化され、安心して業務を進められるようになったという。また、クラウドサービスへのアクセスもSASEを介することで、不正なアップロードやダウンロードの防止、機密情報の持ち出し制限などが一元的に管理できるようになり、情報漏洩のリスクを低減できたという声も聞かれる。
運用管理の面でも大きな変化があった。これまでネットワーク機器とセキュリティ機器を別々に管理し、それぞれ異なる設定を行う必要があったが、SASEによってこれらが統合されたことで、運用負荷が大幅に軽減された。セキュリティポリシーの変更も一元的に行えるようになり、管理者の負担が減り、本来の業務に集中できる時間が増えたというメリットも大きい。結果として、IT部門のコスト削減にも繋がり、特にTCO(総所有コスト)の最適化が実現したという報告もある。
さらに、SASEはビジネスの俊敏性向上にも貢献している。新しい拠点を開設したり、一時的にリモートワークを拡大したりする際も、既存のSASEインフラを活用することで、迅速かつ安全に新しい環境を構築できるようになった。これは、ビジネス環境の変化に素早く対応し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上での強力な基盤となる。ユーザー側から見ても、接続パフォーマンスの安定や、煩わしい設定なしにどこからでも安全に仕事ができるようになったことで、生産性の向上に繋がっている。
SASEの「真価」とは、単に個別のセキュリティ課題を解決するだけでなく、企業のITインフラ全体を最適化し、ビジネス戦略と連動した形で柔軟なセキュリティとネットワークを提供できる点にある。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような新しいアーキテクチャの理解は非常に重要だ。SASEの導入プロジェクトでは、既存のネットワーク構成やセキュリティポリシーを理解し、クラウドサービスとの連携、ユーザーの利用実態を考慮した設計が求められる。また、導入後の運用フェーズでは、監視やトラブルシューティング、ポリシーの継続的な改善など、幅広い知識とスキルが必要となるだろう。SASEは、ネットワーク、セキュリティ、クラウドというITの主要な要素が融合した分野であり、これからのシステムエンジニアにとって、これらの領域を横断的に理解し、実践できる能力がより一層求められることを示唆している。将来的に企業が直面するであろう新たな課題に対し、SASEのような統合的なアプローチで解決策を提供できるシステムエンジニアは、非常に価値のある存在となるだろう。