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【ITニュース解説】6 Programming Rules I Broke That Actually Made Me Better

2025年09月18日に「Medium」が公開したITニュース「6 Programming Rules I Broke That Actually Made Me Better」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

プログラミングには多くの「ルール」があるが、時にはそれらを破ることで、自身のスキル向上や成長につながる。常識にとらわれず、新しいアプローチを試す勇気が、より良い開発者へと進化する可能性を秘めている。固定観念にとらわれず、自分の開発スタイルを見つける大切さを伝えている。

ITニュース解説

プログラミングの世界には、コードをより良く書き、効率的かつ安全に開発するための「ルール」や「ベストプラクティス」と呼ばれるものが数多く存在する。これらは、多くの経験を積んだ先人たちが築き上げてきた知恵の結晶であり、システムエンジニアを目指す皆さんが学ぶべき重要な基盤となる。しかし、今回紹介する記事では、そうした「常識」とされるルールをあえて破ることで、かえって自身の技術力や問題解決能力が向上したという興味深い経験が語られている。これは、ルールをただ鵜呑みにするのではなく、その背後にある意図や、どのような状況で最も効果を発揮するのかを深く理解することの重要性を示唆している。

ルール1: グローバル変数は使うな プログラミング学習の初期段階で、「グローバル変数は避けるべきだ」というアドバイスをよく耳にするだろう。グローバル変数とは、プログラム内のどこからでもアクセス・変更できる変数のことだ。これは一見便利に思えるが、多くの場所から影響を受けるため、どこで値が変わったのかを追跡するのが難しく、予期せぬバグの原因となることが多い。そのため、変数の影響範囲を限定する「スコープ」という考え方が重要視される。しかし記事の筆者は、ごく限られた、特定の条件が揃った状況でグローバル変数を使うことを選択し、コードをシンプルに保ち、余計な複雑さを避けた経験があるという。これはグローバル変数の「悪影響」を十分に理解した上での判断であり、初心者がいきなり真似をすべきではない。この経験は、ルールには例外があり、それを適切に適用するためには、ルールがなぜ存在するのか、どのような問題を引き起こすのかを深く理解する必要があることを教えてくれる。

ルール2: 早すぎる最適化は避けるべき 「早すぎる最適化は諸悪の根源」という格言もプログラミングの世界では有名だ。これは、プログラムの初期段階で、まだ全体像が見えていないうちから、細部のパフォーマンス向上ばかりに囚われると、開発が遅れたり、コードが複雑になったりする可能性がある、という意味だ。まずは動くものを作り、ボトルネック(性能上の弱点)が明らかになってから改善するというのが一般的なアプローチだ。しかし筆者は、非常に高い性能要件を持つ特定のプロジェクトにおいて、初期の段階からパフォーマンスを意識した設計を行った。もし初期にそれを考慮していなければ、後になって大規模な改修が必要となり、より大きなコストがかかっていたかもしれない。この経験は、プロジェクトの特性や要件によっては、あらかじめある程度の最適化を視野に入れる必要があることを示している。何が「早すぎる」かは、プロジェクトの規模や性質、そして開発者の経験によって判断が分かれるところだ。

ルール3: コードには常にコメントを書け 「コードにはコメントを書くべきだ」というのも、初心者にとって最初のうちは重要なルールだ。コメントは、コードの意図や機能を説明し、後からコードを読む人が理解しやすくするために役立つ。しかし記事の筆者は、あえてコメントを減らすことで、より良いコードを書くようになったという。これは、コメントの代わりに「自己文書化されたコード」を目指した結果だ。自己文書化されたコードとは、変数名や関数名、クラス名などが非常に分かりやすく、そのコード自体が何をしようとしているのかを説明している状態のコードを指す。このようなコードは、コメントがなくても理解しやすく、またコメントが古くなってコードと内容が食い違うという問題を避けることができる。コメントは書けば書くほど良い、というわけではなく、コード自体の分かりやすさが最も重要であるということを示唆している。

ルール4: すべてのコードに単体テストを書け 単体テストとは、プログラムの小さな部分(関数やメソッドなど)が意図した通りに動作するかを確認するテストのことだ。これはバグの早期発見や、コード変更時の品質維持に非常に有効な手法とされているため、「可能な限り単体テストを書くべきだ」と教えられることが多い。しかし筆者は、すべてのコードに単体テストを書くことに固執しないという。特に、ユーザーインターフェース(GUI)部分や、外部のシステムと連携する部分など、単体テストを書くのが非常に難しい、あるいはコストが高くつく箇所も存在する。そのような部分に対して無理にテストを書こうとすると、テストコード自体が複雑になりすぎたり、開発の妨げになったりすることがある。この経験から学べるのは、テストは目的ではなく手段であるということだ。品質を確保するための手段として、単体テストが最も効果的でない場合は、別のテスト手法を組み合わせるなど、柔軟な戦略を立てることが重要となる。

ルール5: DRY (Don't Repeat Yourself) 原則を徹底せよ DRY(Don't Repeat Yourself:繰り返しを避けよ)原則は、「同じ情報を二度書くな」というプログラミングの重要な原則の一つだ。同じような処理やデータが複数箇所に存在すると、一方を変更した際に他方を変更し忘れて不整合が生じたり、バグの原因となったりするため、共通の部品としてまとめることが推奨される。これはコードの保守性を高める上で非常に有効な考え方だ。しかし筆者は、このDRY原則を過度に適用することを避けた結果、より良い結果を得たという。過度なDRYは、コードの共通化や抽象化を進めすぎるあまり、かえってコードの構造を複雑にし、理解しにくくしてしまうことがある。わずかな違いしかない複数の処理を無理に一つにまとめようとすると、その共通部品が多くの条件分岐を持つことになり、かえって読みにくくなる。時には、少しの重複があったとしても、それぞれの箇所が独立して分かりやすい方が、全体としての可読性や保守性が向上する場合もある、ということだ。

ルール6: 一つのプログラミング言語に固執せよ プログラミングを始めたばかりの頃は、一つの言語を深く学ぶことが推奨されることが多い。あれこれ手を出すよりも、まず一つの言語を習得し、その言語で動くプログラムを書けるようになるのが上達の近道だと考えられているからだ。しかし筆者は、複数のプログラミング言語を学ぶことで、自身のプログラミングスキルが向上したと述べている。異なるプログラミング言語は、それぞれ異なる設計思想や機能、得意とする分野を持っている。複数の言語を学ぶことは、それぞれの言語の良い点や限界を理解するだけでなく、プログラミングそのものの本質的な概念や、多様な問題解決の手法を学ぶ機会となる。これにより、特定の言語に囚われない、より柔軟な思考力と問題解決能力が養われる。

これらの経験談が示唆しているのは、プログラミングのルールやベストプラクティスは、決して絶対的なものではないということだ。これらは、多くの開発者が経験してきた失敗や成功に基づいた「ガイドライン」であり、常に最善の答えというわけではない。システムエンジニアを目指す皆さんは、まずこれらの基本的なルールをしっかりと学び、その意図するところを理解することが大切だ。その上で、経験を積むにつれて、プロジェクトの特性、チームの状況、そして自身の判断に基づき、どのルールをどの程度まで適用するのか、あるいはあえて破るのかを、慎重に判断できるようになることが求められる。ルールを破ることは、単なる反抗ではない。それは、ルールがなぜ存在するのか、その限界はどこにあるのかを深く洞察し、より良い解決策を自ら生み出すための、知的な挑戦なのだ。この挑戦を通じて、皆さんは真の意味でのプログラマとして成長し、複雑な問題を解決できるシステムエンジニアへと進化していくことだろう。

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