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【ITニュース解説】小道具:名前色の HSL 風分布式選択

2025年09月10日に「Qiita」が公開したITニュース「小道具:名前色の HSL 風分布式選択」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

システム開発などで使う色選びのUIを簡単にするアイデア。HSL色空間を参考に、事前に名前が決められた限られた色から選ぶ場合、複雑な立体空間ではなく、平面上で直感的に色を選べるようにする。横軸を色相、縦軸を輝度と彩度で構成し、効率的な色選択を実現する。

ITニュース解説

デジタルシステムを開発する際、ユーザーが色を選択する場面は頻繁に発生する。例えば、ウェブサイトのデザインを調整したり、グラフの色を変更したり、ドキュメントの背景色を選んだりする際などだ。しかし、膨大な数の色の中から最適な一つを選ぶ作業は、ユーザーにとって必ずしも直感的で分かりやすいとは限らない。多くの色選択インターフェース(UI)は、多次元的な色の概念を扱うため、操作が複雑になりがちな課題を抱えている。

色をコンピュータで扱う際、RGB(Red, Green, Blue)のような表現方法が一般的だが、人間が色を認識する感覚に近いHSL(Hue, Saturation, Lightness)という表現方法も広く用いられる。HSLは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness)の三つの要素で色を定義し、より直感的な色の調整を可能にする。 色相(Hue)は、赤、黄、緑、青などの色の種類そのものを指し、0度から360度の角度で表現される。彩度(Saturation)は、色の鮮やかさを示す。彩度が高いほど色は鮮やかになり、低いほど灰色に近づく。輝度(Lightness)は、色の明るさを示す。輝度が高いほど色は白に近づき、低いほど黒に近づく。50%の輝度が純粋な明るさを持つ色とされる。

HSLはRGBよりも直感的だが、それでも三つの軸(H, S, L)を同時に調整するUIは、ユーザーにとって複雑な操作を要求する可能性がある。本記事で提案されているのは、この複雑さを解消し、より使いやすい色選択UIを実現するためのアプローチである。それは、「選択できる色数を、あらかじめ名前が割り当てられているような特定の色の範囲に絞る」という考え方だ。無限に近い色の中から選ぶのではなく、限られた意味のある色のセットから選択させることで、UIを簡素化しようという発想である。例えば、『赤』『青』『深紅』『スカイブルー』といった具体的な名前を持つ色に限定するイメージだ。

この限定された色選択を、ユーザーにわかりやすく提示するために、HSL色空間を平面、つまり二次元の表のような形で表現する工夫が紹介されている。これにより、ユーザーは三つの要素を個別に調整するのではなく、まるで絵の具パレットから色を選ぶように、二次元のグリッドの中から目的の色を選択できるようになる。 具体的には、この平面上の二つの軸は以下のように定義される。 横軸は色相(Hue)をベースにしている。これは、色相環のように赤から紫へとグラデーションで色が変化する部分だ。しかし、ただ色相を並べるだけでなく、この横軸の左端には「グレースケール」の範囲が特別に設けられている点が特徴的だ。グレースケールとは、彩度がゼロ、つまり白から黒、そして灰色へと変化する無彩色の領域を指す。この配置により、鮮やかな色だけでなく、落ち着いた無彩色の選択も容易に、かつ一貫したUIの中で行えるようになる。 縦軸は、輝度(Lightness)と彩度(Saturation)を組み合わせた新しい指標「L'(エルプライム)」が用いられる。通常は別々に調整される輝度と彩度を統合し、一つの軸で表現することで、縦方向のグラデーションに色の明るさだけでなく鮮やかさの変化も反映させる。例えば、縦軸を上に行くほど明るく鮮やかな色になり、下に行くほど暗くくすんだ色になる、といった形で表現される。

この方法によって、例えば横軸が360段階(色相とグレースケール)、縦軸が100段階(L')といった形で、合計36,000種類の限定された色の候補が二次元の行列、つまりグリッドとしてユーザーに提示される。ユーザーはこの視覚的に整理された表の中から、クリックやタップといった簡単な操作で直感的に目的の色を選ぶことができる。

このような二次元の色選択UIは、ユーザーの認知的な負担を軽減し、選択肢が有限であるため迷いを減らす。また、システム全体で一貫性のある色使いを促す効果も期待できる。今回の記事で紹介されているような色選択UIの工夫は、単に機能を提供するだけでなく、ユーザーがシステムをより快適に利用できるようにするための重要な取り組みだ。システム開発において、機能の実現だけでなく、その機能をいかにユーザーが使いこなせるかというユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計も極めて重要である。システムエンジニアを目指す初心者にとって、技術的な知識だけでなく、ユーザー視点に立って物事を考え、より良いUI/UXを追求する能力を養うことは、質の高いシステムを開発するために不可欠な要素となる。

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