輝度 (キド) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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輝度 (キド) の読み方

日本語表記

輝度 (キド)

英語表記

luminance (ルミナンス)

輝度 (キド) の意味や用語解説

輝度とは、ある面から単位面積あたり、単位立体角に向かって放射される光の強さのことである。簡単に言うと、その面がどれくらい明るく見えるかを示す物理量だ。人間の目が感じる明るさに近い概念であり、映像表示装置や照明器具の性能を表す重要な指標となる。 輝度は、単位としてcd/m²(カンデラ毎平方メートル)を用いるのが一般的だ。これは、1平方メートルの面から、1ステラジアン(球面の単位面積を半径の2乗で割ったもの)の立体角に向かって1カンデラの光度で放射される光の輝度を表す。以前はnit(ニット)という単位も用いられていたが、現在ではcd/m²が国際単位系(SI)に準拠した単位として推奨されている。 輝度を理解するためには、関連するいくつかの概念を理解する必要がある。まず、光度とは、点光源から特定の方向へ放射される光の強さを示す物理量だ。単位はcd(カンデラ)で表される。光度は、光源そのものの明るさを示す指標となる。 次に、照度とは、ある面が単位面積あたりに受ける光の量を指す。単位はlx(ルクス)で表される。照度は、ある場所がどれくらい明るいかを示す指標となる。例えば、太陽光の下では非常に高い照度が得られ、暗い部屋では低い照度となる。 輝度、光度、照度はそれぞれ異なる概念だが、互いに関係し合っている。光度が光源そのものの明るさを示すのに対し、照度は光が当たる場所の明るさを示し、輝度は光が反射したり透過したりする面の明るさを示す。 輝度は、映像表示装置の性能評価において特に重要な役割を果たす。液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プロジェクターなど、様々な表示装置の明るさを比較する際に輝度は不可欠な指標となる。一般的に、輝度が高いほど、明るい環境下でも見やすい映像を表示できる。 ただし、輝度が高ければ高いほど良いというわけではない。過度に高い輝度は、目に負担をかけ、疲労の原因となることがある。また、映像表示装置の種類や使用環境によって適切な輝度は異なる。例えば、映画鑑賞など暗い環境で使用する場合は、比較的低い輝度が適している。 輝度は、映像表示装置のコントラスト比にも影響を与える。コントラスト比とは、映像の中で最も明るい部分と最も暗い部分の輝度の比率を示す指標だ。コントラスト比が高いほど、映像の表現力が豊かになり、よりリアルな映像を楽しむことができる。 輝度は、映像表示装置の消費電力にも影響を与える。一般的に、輝度が高いほど消費電力も高くなる傾向がある。これは、より明るい映像を表示するために、より多くの電力を必要とするためだ。そのため、省エネルギー性能を重視する場合は、輝度を適切に調整することが重要となる。 輝度は、映像表示装置だけでなく、照明器具の性能評価にも用いられる。照明器具の輝度が高いほど、より明るい光を照射できる。しかし、照明器具の場合も、輝度が高ければ高いほど良いというわけではない。過度に高い輝度は、眩しさの原因となり、快適な居住環境を損なうことがある。 近年、高輝度化技術が進み、従来の表示装置や照明器具に比べて、より明るく、より鮮明な映像や光を提供できるようになった。しかし、高輝度化技術の進展に伴い、目の健康への影響や省エネルギー性能の低下などの課題も浮上している。そのため、輝度を適切に管理し、バランスの取れた製品開発が求められている。 システムエンジニアは、輝度に関する知識を持つことで、適切な表示装置や照明器具を選定したり、映像システムや照明システムの設計・構築において最適な輝度設定を行ったりすることができる。また、輝度に関するトラブルシューティングや性能評価にも役立つ。

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