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【ITニュース解説】Real-Time Systems: Making Data Flow Live

2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「Real-Time Systems: Making Data Flow Live」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

リアルタイムシステムでは、データを効率的に配信するため、データ形式と配信方法の選択が重要だ。JSONやProtobufなどの形式は速度や互換性で異なり、Polling, SSE, WebSocketsといった配信方法は双方向性や効率で異なる。これらを用途に合わせ最適化し、信頼性の高いリアルタイムデータ配信を実現する。

出典: Real-Time Systems: Making Data Flow Live | Dev.to公開日:

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、リアルタイムシステムという考え方は非常に重要になる。これは、データがまるで生きているかのように常に最新の状態を保ち、瞬時に流れていくシステムのことだ。例えば、株価の変動をリアルタイムで表示したり、スポーツの試合経過を即座に更新したりするアプリケーションがこれにあたる。このようなシステムでは、データの複雑さ、情報の届く速さ(遅延)、そして安定して情報が届くかどうかの信頼性という三つの要素のバランスをうまくとることが求められる。

リアルタイムシステムを実現するためには、大きく分けて二つの重要な技術がある。一つは「データの直列化(Serialization)」、もう一つは「リアルタイム配信(Real-Time Delivery)」だ。

まず、データの直列化について解説する。これは、プログラムの中で扱っているデータを、ネットワークで送ったりファイルに保存したりするために、特定の形式に変換する作業のことだ。どの形式を選ぶかによって、データの送受信の速さやデータ自体のサイズ、そして様々なシステムとの互換性が大きく変わるため、適切な形式を選ぶことが肝心になる。代表的なデータ形式として、JSON、Avro、Protobufの三つが挙げられる。

JSONは、人間が読んでも理解しやすい形式であり、デバッグ作業が比較的容易であるというメリットがある。しかし、その分データサイズが大きくなりがちで、プログラムがデータを解析するのに時間がかかるというデメリットもある。例えば、外部のサービスとAPIを通じてデータをやり取りする際には、その分かりやすさからJSONがよく使われる。

次にAvroは、JSONよりもデータサイズをコンパクトにできる特徴がある。また、データの構造(スキーマ)が変化した場合でも、古いデータと新しいデータを互換性をもって扱える「スキーマ進化」をサポートしている点が強みだ。特に、大量のデータを扱うメッセージングシステムであるKafkaのような環境で効果的に利用されることが多い。

最後にProtobuf(Protocol Buffers)は、非常に高い効率性を持つデータ形式だ。データサイズが最も小さく、解析速度も非常に速い。厳密なデータスキーマ定義が必要だが、システム内部での高速なデータ交換、例えばマイクロサービス間のRPC(Remote Procedure Call)通信で頻繁に利用される。Googleが開発し、gRPCと呼ばれる高効率な通信フレームワークで広く採用されている。JSONはどこでも使える便利な形式だが、なぜProtobufのような他の形式も必要なのかというと、データサイズと解析速度の効率性というトレードオフがあるからだ。高速で大量のデータを扱う場面では、JSONでは性能が追いつかないことがあるため、用途に応じて適切な形式を選ぶ必要がある。

次に、リアルタイム配信について説明する。これは、作成されたデータを、システムが利用者にどのように届けるかという方法のことだ。こちらも、利用シーンやシステム規模に合わせて最適な方法を選ぶことが重要になる。主な配信メカニズムとして、ポーリング、Server-Sent Events (SSE)、WebSocketsの三つがある。

ポーリングは最もシンプルな方法で、クライアント(例えばウェブブラウザ)が一定の間隔で定期的にサーバーに「何か新しい情報はないか?」と問い合わせる仕組みだ。実装は簡単だが、新しい情報がない場合でも常に問い合わせが発生するため、サーバーへの負荷が高くなり、効率が悪いという欠点がある。限られた状況でしか利用しないことが推奨される。

Server-Sent Events (SSE)は、HTTPプロトコルを基盤として、サーバーからクライアントへ一方的にデータをプッシュする(送りつける)仕組みだ。クライアントはサーバーに対して一度接続を確立すれば、サーバー側から新しい情報が発生するたびに自動的にデータを受け取ることができる。双方向のやり取りはできないが、サーバーからの一方的な情報配信、例えばニュース速報やシンプルなダッシュボードでの更新情報など、頻繁ではないがリアルタイム性が求められる用途に適している。

WebSocketsは、サーバーとクライアント間で「全二重通信」と呼ばれる双方向のリアルタイム通信を可能にする技術だ。一度接続が確立されると、サーバーとクライアントが互いに独立していつでもデータを送受信できるようになる。これにより、非常にインタラクティブなアプリケーション、例えばオンラインゲーム、チャットアプリケーション、あるいは株取引プラットフォームでのリアルタイム価格更新など、双方向性が不可欠な場面でその真価を発揮する。SSEがシンプルな情報ストリーミングに適しているのに対し、WebSocketsはより複雑でインタラクティブなリアルタイムアプリケーションに適していると言える。

これらの知識は、システムエンジニアとしてアプリケーションを設計する際に非常に役立つ。どの直列化形式を選ぶか、どのリアルタイム配信方法を選ぶかは、アプリケーションの性能、ユーザー体験、そして運用コストに直結するため、これらの特性をよく理解し、要件に合わせて賢く選択する能力が求められる。例えば、数千人の同時接続ユーザーが利用するライブスポーツスコアアプリを設計する場合、リアルタイムな更新を効率的に行い、メッセージの順序も保証するためには、適切な直列化形式とWebSocketsのような配信技術の組み合わせを検討することになるだろう。これらの技術の基礎を学ぶことは、より高度なシステム設計への第一歩となる。

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