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【ITニュース解説】SplunkはAI時代のマシンデータ基盤に--「Cisco Data Fabric」などシスコとの統合加速

2025年09月11日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「SplunkはAI時代のマシンデータ基盤に--「Cisco Data Fabric」などシスコとの統合加速」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Splunkは年次イベントで、AI時代に不可欠な「マシンデータ基盤」としての重要性を強調した。親会社Ciscoとの統合を加速し、データを効率的に管理・分析する新コンセプト「Cisco Data Fabric」などを発表した。

ITニュース解説

Splunkは、米国マサチューセッツ州ボストンで開催された年次イベント「.conf25」において、その新たな役割とCiscoとの統合加速について重要な発表を行った。このイベントで、Ciscoプレジデント兼最高製品責任者のジートゥ・パテル氏は、Splunkを「AI時代におけるマシンデータの基盤」と位置づけ、新たなコンセプト「Cisco Data Fabric」を発表した。

まず、Splunkとは何か、そして「マシンデータ」とは何について解説する。Splunkは、企業内のあらゆる機械が生成する「マシンデータ」を収集、分析、可視化するためのソフトウェアプラットフォームだ。マシンデータとは、例えばサーバーのログ、ネットワーク機器の通信記録、アプリケーションの動作ログ、センサーデータなど、人間が直接入力するのではなく、システムやデバイスが自動的に生成する膨大な情報群を指す。これらのデータは、一見するとただの文字列や数字の羅列に見えるが、実はシステムの健康状態、潜在的なセキュリティ脅威、ユーザーの行動パターンなど、非常に多くの価値ある情報を含んでいる。Splunkは、この膨大な、形式もバラバラなマシンデータを高速で取り込み、リアルタイムで検索・分析し、分かりやすい形で可視化することを可能にする。これにより、システム管理者は障害の原因を迅速に特定したり、セキュリティ担当者はサイバー攻撃の兆候を早期に発見したり、経営層はビジネス上のインサイトを得たりできるのだ。

次に、「AI時代におけるマシンデータの基盤」という表現の意図を掘り下げる。現在、IT業界は「AI時代」へと突入し、あらゆる分野で人工知能(AI)の活用が加速している。AIがその能力を最大限に発揮するためには、質の高いデータが不可欠だ。特に、システムの動作や振る舞いを示すマシンデータは、AIにとって非常に重要な学習材料となる。例えば、システムが正常に動作している状態と異常な状態のデータをAIに学習させることで、AIはリアルタイムで異常を検知したり、将来発生しうる問題を予測したりできるようになる。Splunkが提供するマシンデータの収集・分析能力は、まさにこのAIの学習と推論を支える「基盤」となる。Splunkが収集・整理した高品質なマシンデータがなければ、AIは効率的に学習できず、その能力を十分に発揮できない。つまり、SplunkはAIが賢くなるための「栄養」を安定して供給する重要な役割を担っていると言える。

さらに、Ciscoとの統合加速についても触れておきたい。SplunkはCisco Systemsの傘下に入ったことで、その連携がより一層強固になっている。Ciscoはネットワーク機器やセキュリティソリューションの分野で世界的なリーダーであり、その製品群は世界の多くの企業のITインフラの根幹を支えている。Ciscoが生成する膨大なネットワークデータと、Splunkが扱うサーバーやアプリケーションなど広範なマシンデータが統合されることで、企業はIT環境全体をエンドツーエンドで可視化し、より深い洞察を得ることが可能になる。例えば、ネットワークの異常とアプリケーションのパフォーマンス低下が同時に発生した場合、両方のデータをSplunk上で統合的に分析することで、問題の根本原因をより迅速かつ正確に特定できるようになる。これにより、システム運用、セキュリティ監視、そしてビジネス全体の意思決定が格段に向上することが期待される。

そして、今回のイベントで発表された新たなコンセプト「Cisco Data Fabric」について解説する。Data Fabricとは、企業内に散らばる多種多様なデータを、あたかも一つの場所にあるかのように統合的に管理し、必要な時に必要な形式で、必要なアプリケーションやユーザーに提供する「データ連携の仕組み」を指す。現代の企業は、オンプレミスのデータセンターだけでなく、複数のクラウドサービス、さらには工場や店舗などのエッジデバイスにもデータが分散している。Cisco Data Fabricは、このような分散したデータを一元的に把握し、データの収集、変換、保存、セキュリティ確保、そして活用までを一貫して行うための仮想的な基盤を提供する。

具体的には、Cisco Data Fabricはデータソースの場所や形式を意識することなく、データを効率的に統合・管理する。これにより、データのサイロ化(データがそれぞれのシステム内で孤立し、連携が難しい状態)を防ぎ、企業全体のデータ活用を促進する。Splunkは、このCisco Data Fabricの中で、特に膨大なマシンデータのリアルタイムな収集、インデックス化、検索、そして分析において中心的な役割を果たすことになる。Splunkの強みである多様なデータフォーマットへの対応と高速なデータ処理能力が、Cisco Data Fabric全体の効果を最大化する鍵となる。企業はCisco Data Fabricを通じて、データの信頼性、セキュリティ、ガバナンスを確保しながら、AIや分析ツールによる高度なデータ活用を容易に実現できるようになるのだ。

結論として、SplunkはCiscoとの統合を加速させ、AI時代における企業のデータ活用、特にマシンデータの活用を強力に推進していく姿勢を明確に示した。Splunkのマシンデータ分析能力とCiscoの広範なネットワーク・セキュリティ技術が融合し、さらに「Cisco Data Fabric」という新たなコンセプトを通じて、企業はシステム全体の可視化、運用効率化、セキュリティ強化、そしてAIを活用したデータドリブンな意思決定をこれまで以上に強力に推進できるようになる。これは、これからのITシステムを支えるシステムエンジニアにとって、データの重要性と、それをいかに効率的に活用していくかという視点がますます重要になることを示唆している。

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