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【ITニュース解説】Unsupervised Learning: Clustering

2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「Unsupervised Learning: Clustering」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

「教師なし学習」は、ラベルがないデータから自律的にパターンを見つけるAI技術だ。その一種である「クラスタリング」は、類似するデータを自動でグループ分けする。K-Meansなどの手法があり、顧客分析や商品分類などに活用される。隠れた洞察の発見や意思決定を支援する、強力なデータ分析手法だ。

出典: Unsupervised Learning: Clustering | Dev.to公開日:

ITニュース解説

AIや機械学習の分野には、コンピューターがデータから学習し、様々な問題を解決する技術が存在する。その学習方法の一つに「教師なし学習」がある。これは、人間が事前に正解やラベル(分類名など)を与えなくても、コンピューターが自律的にデータの中に隠されたパターンや構造を見つけ出す手法である。例えば、音楽ストリーミングサービスがユーザーの好みを把握し、まだ聴いたことのない音楽を推薦したり、オンラインショッピングサイトが似た特徴を持つ商品を自動的にグループ分けしたりする背景には、このような教師なし学習が活用されている場合が多い。

教師なし学習と対比されるのは「教師あり学習」である。教師あり学習では、例えば「これはリンゴ」「これはバナナ」といった正解が付けられたデータ(ラベル付きデータ)を使ってコンピューターを訓練する。これにより、新しいデータが与えられたときに、それがリンゴなのかバナナなのかを予測できるようになる。一方、教師なし学習では、正解のラベルがない、つまり何が何であるかを事前に教えていない状態の大量のデータから、コンピューターが自らの分析で共通点や関連性を見つけ出し、それに基づいてデータを分類したり、構造を発見したりする。

この教師なし学習の代表的な手法の一つが「クラスタリング」である。クラスタリングは、大量のデータの中から「互いに似ているデータ点」を自動的にグループ化する技術である。これは、私たちが日頃、形や色、用途などで物を分類する行為に似ている。クラスタリングアルゴリズムは、各データ点間の類似度を数値的に評価し、類似度が高いデータ点を同じ「クラスター」(グループ)にまとめることで、データ全体の中にどのような種類のグループが存在するのか、あるいはどのような特徴を持つグループがあるのかを明らかにする。

クラスタリングにはいくつかの異なる手法が存在する。代表的なものとして以下のモデルが挙げられる。

第一に「K-Means」がある。K-Meansは、クラスタリング手法の中でも最も広く使われ、理解しやすいアルゴリズムの一つである。これは、事前にデータをいくつのグループ(K個のクラスター)に分けるかを指定し、その数だけ中心点(セントロイド)を仮定する。各データ点は最も近い中心点を持つクラスターに割り当てられ、その後、各クラスターに属するデータ点の平均値が新たな中心点として計算される。このプロセスを繰り返すことで、中心点が安定し、各データ点が最適なクラスターに所属するように収束する。K-Meansは計算が高速で大規模なデータにも適用しやすいという利点がある一方で、クラスターの形状が球状であると仮定するため、複雑な形状のクラスターを検出するのは苦手な場合がある。

第二に「DBSCAN(Density-based spatial clustering of applications with noise)」がある。DBSCANは、データの「密度」に基づいてクラスターを形成する手法である。密にデータ点が存在する領域を一つのクラスターとみなし、周囲のデータ点がまばらな孤立したデータ点を「外れ値」(ノイズ)として識別できる特徴を持つ。これにより、K-Meansのような球状のクラスターだけでなく、様々な形状のクラスターを検出することが可能になる。また、事前にクラスターの数を指定する必要がない点も利点である。その反面、データの密度が一定でない場合や、密度の定義を適切に設定するのが難しい場合には、性能が低下することがある。

第三に「階層的クラスタリング」がある。これは、データを階層的な構造、つまりツリー状の構造でグループ化する手法である。大きく分けて二つのアプローチがある。一つは、すべてのデータ点をそれぞれ独立したクラスターとして始め、最も近い二つのクラスターを順次統合していく「凝集型(Agglomerative)」である。もう一つは、すべてのデータ点を一つの大きなクラスターとして始め、それを最も異なる部分で順次分割していく「分割型(Divisive)」である。階層的クラスタリングの利点は、データ点間の関係性をツリー構造(デンドログラム)として視覚的に表現できるため、データの詳細な関係性や異なる粒度でのクラスター構造を理解しやすい点である。

実際にクラスタリングを適用する際には、適切な手法の選択だけでなく、その手法が持つパラメータ(K-MeansにおけるKの値、DBSCANにおける密度のしきい値など)を調整することが極めて重要になる。これらのパラメータ設定は、クラスタリングの結果に大きな影響を与え、データの特性や目的に合わせて慎重に調整する必要がある。多くの場合、複数の設定を試したり、クラスタリング結果をグラフや図で可視化したりすることで、初めてデータの中に隠された意味のあるパターンや洞察を発見できる。筆者の経験でも、学生の学習データに対してクラスタリングを適用した際、初期のパラメータ設定では意味不明なグループ分けになったものの、試行錯誤と可視化を通じて、学生の学習行動の傾向(例えば、積極的に質問するグループとほとんどシステムを利用しないグループなど)といった、一見すると分かりにくいパターンを発見できたという事例がある。

クラスタリングが提供するこのような洞察は、ビジネスや研究の様々な領域で強力な価値を持つ。顧客を購買行動に基づいてグループ分けすることで、個々のグループに合わせたパーソナライズされたマーケティング戦略を立案できる。製品レビューから共通の不満点や要望を抽出し、製品改善の方向性を特定することも可能である。医療分野では、患者の症状や検査結果から疾患のサブタイプを分類し、より効果的な治療法の開発に役立てられることもある。このように、正解のラベルが付いていない大量のデータから、コンピューターが自律的に有用な構造や洞察を引き出すクラスタリングの能力は、データに基づいた意思決定を促進し、新たな価値を創造するための重要な基盤となっている。

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