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【PHP8.x】PHP_ZTS定数の使い方

PHP_ZTS定数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 更新日:

基本的な使い方

PHP_ZTS定数は、PHPがZend Thread Safety (ZTS) モードでコンパイルされているかどうかを示す定数です。Zend Thread Safetyとは、複数の処理が同時に実行される「マルチスレッド」環境において、PHPが安定して動作するための機能です。PHPの内部で共有されるデータ構造が、同時に複数のスレッドからアクセスされた際に、予期せぬデータの変更や破損が発生しないように保護する役割を担っています。

この定数の値は、PHPがZTSサポートを有効にしてビルドされている場合は1(またはtrue)、無効にしてビルドされている場合は0(またはfalse)となります。例えば、Apache HTTP Serverの「worker」や「event」といったマルチスレッド対応のMPM(Multi-Processing Module)でPHPをモジュールとして動作させる場合や、IISなどのマルチスレッド環境でPHPを利用する場合には、PHPをZTSモードでコンパイルする必要があります。これにより、PHPアプリケーションが複数のリクエストを同時に処理する際にも、データの整合性が保たれ、安定した動作が期待できます。

一方で、PHP-FPMやCLI(コマンドラインインターフェース)、あるいはApacheの「prefork」MPMのように、PHPがプロセスベースで動作する環境では、通常ZTSは不要です。これらの環境では、PHPを非ZTSモードでコンパイルする方が、わずかながらパフォーマンス上のメリットがある場合もあります。システムエンジニアとしてPHPアプリケーションを運用する際には、PHPが動作するサーバー環境と、そのPHPがZTSモードでコンパイルされているか否かをこの定数で確認し、適切な構成を選択することが重要です。

構文(syntax)

1<?php
2var_dump(PHP_ZTS);
3?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

bool

PHP_ZTS は、PHPがスレッドセーフモードでビルドされているかどうかを示すブール値定数です。true の場合はスレッドセーフモードであり、false の場合はそうではありません。

サンプルコード

PHP_ZTS定数でZTS状態を確認する

1<?php
2
3/**
4 * PHPのZend Thread Safety (ZTS) の状態を確認し、表示します。
5 * PHP_ZTS定数は、PHPがZTSモードでコンパイルされているかどうかを示すブール値です。
6 * ZTSモードは、主にPHPをマルチスレッド環境で利用する際にスレッドセーフネスを保証するために使用されます。
7 *
8 * @return void
9 */
10function displayPhpThreadSafetyStatus(): void
11{
12    echo "現在のPHPバージョン: " . PHP_VERSION . "\n";
13    echo "Zend Thread Safety (ZTS) の状態:\n";
14
15    // PHP_ZTS定数は、PHPがZTSモードでコンパイルされている場合にtrue、
16    // そうでない場合にfalseを返します。
17    if (PHP_ZTS) {
18        echo "  - 有効: PHPはZTSモードでコンパイルされています。\n";
19        echo "    (これは、PHPがスレッドセーフな環境向けに設定されていることを意味します。)\n";
20    } else {
21        echo "  - 無効: PHPはZTSモードでコンパイルされていません。\n";
22        echo "    (これは一般的なPHP設定であり、多くのウェブサーバー環境で利用されます。)\n";
23    }
24}
25
26// 関数を実行して結果を表示
27displayPhpThreadSafetyStatus();

このPHPコードは、現在のPHP環境がZend Thread Safety (ZTS) モードでコンパイルされているかを確認し、その状態を表示します。

PHP_ZTSは、PHPの内部で定義されているブール型の定数です。この定数には引数がなく、PHPがZTSモードでビルドされている場合にtrueを返し、そうでない場合はfalseを返します。 ZTSモードは、主にPHPをApacheなどのウェブサーバーでマルチスレッド環境(例えば、同じプロセス内で複数のリクエストを同時に処理するような場合)で利用する際に、スレッド間のデータの競合やメモリ破損を防ぎ、安定した動作を保証するための機能です。多くのウェブサーバー環境では、PHPはシングルプロセスモデルで動作するため、ZTSは無効になっていることが一般的です。

サンプルコード内のdisplayPhpThreadSafetyStatus関数は、まず現在のPHPバージョンを出力します。その後、PHP_ZTS定数の値を評価し、その結果に応じて「Zend Thread Safety (ZTS) が有効」または「無効」である旨を表示します。有効な場合はPHPがスレッドセーフな環境向けに設定されていることを示し、無効な場合は一般的なPHP設定であることを説明しています。この定数の戻り値はbool型であり、if文で直接真偽を判定して利用します。

PHP_ZTS定数は、PHPがZend Thread Safety(ZTS)モードでコンパイルされているかを示すブール値です。初心者が注意すべき点は、多くのウェブサーバー環境ではfalseであることが一般的であり、これが推奨される設定である場合も多いため、trueだからといって必ずしもより良い環境と判断しないことです。この定数は、主にPHPの内部的な動作環境を把握するための情報であり、通常のウェブアプリケーション開発において、アプリケーションロジックをこの値で直接分岐させることは稀です。ご自身のPHP環境がスレッドセーフ対応かを確認する際の情報として活用できますが、その意味合いを正しく理解して利用してください。

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