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D2Tバックアップ(ディーツーティーバックアップ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

D2Tバックアップ(ディーツーティーバックアップ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

データ・トゥ・テープ・バックアップ (データ・トゥ・テープ・バックアップ)

英語表記

D2T backup (ディーツーティーバックアップ)

用語解説

D2Tバックアップとは、主にビジネスにおけるデータ保護戦略として用いられる手法の一つだ。これは「Disk-to-Tape」(ディスクからテープ)の略であり、データを直接テープにバックアップするのではなく、一度ディスクストレージにバックアップした後、そのディスク上のデータをさらにテープストレージにコピーするという二段階のプロセスを経て行われるバックアップ方式を指す。この方式が考案された背景には、従来のディスク直接バックアップ(D2D)や、直接テープに書き込むD2T(ここでは「テープ直接バックアップ」と呼ぶ)のそれぞれの利点と課題を補完し合う目的がある。D2Dは高速なバックアップとリストアを実現するが、長期保存やオフサイト保管のコスト効率に課題があった。一方、テープは長期保存や大容量データの保管においてコスト効率が非常に高いが、バックアップやリストアの速度はディスクに劣る。D2Tバックアップは、これら両者の利点を組み合わせることで、高速なデータ保護とコスト効率の高い長期保存を両立させることを目指している。

D2Tバックアップの具体的な動作フローは以下のようになる。まず、保護対象となる本番環境のデータは、一次バックアップとして高速なディスクストレージに書き込まれる。この段階では、D2Dバックアップと同様に、ディスクの高速な書き込み性能を活かして、短時間でバックアップが完了する。これにより、バックアップウィンドウと呼ばれる、本番環境への影響を最小限に抑えるための時間枠を大幅に短縮できる。ディスクにバックアップされたデータは、必要に応じて整合性チェックが行われ、いつでも迅速なリストアが可能となる状態に保たれる。その後、二次バックアップとして、ディスク上に保存されたデータは、定められたスケジュールやポリシーに従って、テープライブラリなどのテープストレージへとコピーされる。このテープへのコピープロセスは、通常、本番環境のピーク時を避けて行われ、比較的時間をかけても問題ない状況で実行されることが多い。テープへのコピーが完了したデータは、長期保存用のメディアとして、オフサイト保管や遠隔地への輸送に利用される。

このD2Tバックアップ方式がもたらすメリットは多岐にわたる。最も顕著なのは、高速なバックアップとリストアの実現だ。一次バックアップをディスクに行うことで、非常に短い時間でデータのコピーが完了し、RPO(目標復旧時点)の達成が容易になる。また、万が一システム障害が発生した場合でも、ディスクから直接データをリストアできるため、RTO(目標復旧時間)を大幅に短縮できる。ディスク上に一次バックアップが存在するため、テープへの書き込みに失敗した場合でも、ディスクから再試行が可能であり、バックアップの信頼性が向上する点も重要だ。さらに、ディスク上のデータを基盤とすることで、テープへの書き込み前にデータの整合性チェックやウイルススキャンを行うといった、より高度なデータ検証プロセスを組み込むことも可能になる。運用面では、ディスク上のデータを複数のテープにコピーしたり、異なる世代管理を行ったりすることが容易になり、柔軟なバックアップポリシーを適用できる。テープはオフサイト保管に適しており、災害対策や法令順守のための長期保存要件を満たす上で非常に有効である。

一方で、D2Tバックアップにはいくつかのデメリットも存在する。まず、コスト面だ。ディスクストレージとテープストレージの両方が必要となるため、D2D単体やテープ直接バックアップ単体に比べて、初期投資や運用コストが高くなる傾向がある。特に、ディスク上には一定期間、バックアップデータを保持するための追加のストレージ容量が必要となる。また、ディスクとテープという2つの異なるストレージ層の管理が必要となるため、運用がやや複雑になる可能性がある。バックアップソフトウェアの設定や、データ移行のスケジュール管理、テープメディアのローテーションやオフサイト保管の管理など、D2Dやテープ直接バックアップ単体よりも考慮すべき項目が増える。

D2Tバックアップは、特にRPOやRTOが非常に厳しいシステム、大容量データを扱うシステム、あるいは長期保存やオフサイト保管、災害対策が必須とされるシステムに広く適用される。金融機関や医療機関など、データの可用性と堅牢性が極めて重要視される業界では、この方式が標準的なバックアップ戦略として採用されていることが多い。バックアップウィンドウを最大限に短縮しつつ、コスト効率よく大量のデータを長期にわたって確実に保存したいという要件を持つ企業にとって、D2Tバックアップは非常に有効なソリューションと言える。現代の複雑なIT環境において、データの価値が高まるにつれて、このような多層的なデータ保護戦略の重要性は一層増している。

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