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DASD(ダスド)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

DASD(ダスド)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ダイレクトアクセス記憶装置 (ダイレクトアクセスストーレッジ)

英語表記

DASD (ダスド)

用語解説

DASD(Direct Access Storage Device)は、主にメインフレームコンピューターシステムで利用される、データに直接アクセス可能な補助記憶装置の総称である。その名の通り、「Direct Access(直接アクセス)」が最大の特徴であり、データの物理的な配置順序に縛られず、任意の場所に迅速にアクセスできる能力を持つ。これは、初期のコンピューターで主流だった磁気テープのようなシーケンシャルアクセス(逐次アクセス)型の記憶装置とは対照的で、特定のデータを探す際に記録媒体の先頭から順に読み進める必要がなく、目的のデータがどこにあるかを特定できれば、すぐにその場所へ移動して読み書きが可能となる。DASDの代表的な存在は磁気ディスク装置であり、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、ユーザーデータ、データベースファイルなど、システム運用に不可欠なあらゆる情報を格納する基盤として、メインフレームの発展において極めて重要な役割を担ってきた。その登場により、高速かつ柔軟なデータ処理が可能となり、現代のコンピューターシステムにおけるストレージ技術の基礎を築いたと言える。

DASDの必要性は、コンピューター技術の黎明期において、より効率的なデータ管理が求められた背景から生まれた。初期のコンピューターは、プログラムやデータをパンチカードや磁気テープに保存していたが、これらの媒体はデータを物理的な順番に記録し、アクセスする際もその順序に従うシーケンシャルアクセスしかできなかった。例えば、磁気テープ上の真ん中にあるデータを取り出すには、テープを先頭から巻き戻し、目的のデータまで早送りしなければならず、時間がかかり、頻繁な更新や検索には不向きだった。このような制約は、特にデータベースのように特定のレコードを頻繁に検索・更新する必要があるアプリケーションにおいては、大きなボトルネックとなっていた。

これに対し、DASDは「直接アクセス」という画期的な機能を提供した。これは、記録媒体上のどの場所にデータが保存されていても、その位置をアドレスとして指定することで、即座にその場所へ読み書きヘッドを移動させ、データにアクセスできる能力を指す。この特性により、データベースシステムは効率的に稼働し、OSは実行中のプログラムやデータを迅速に切り替えることが可能になった。DASDの最も一般的な形態である磁気ディスク装置は、高速回転する円盤状のプラッタに磁性体を塗布し、その表面にデータを磁気的に記録する仕組みを持つ。プラッタ上には同心円状に「トラック」と呼ばれる記録領域が設けられ、さらにそのトラックが小さな「セクタ」に分割される。複数のプラッタが積み重なった装置では、同じ位置にあるトラック群を「シリンダ」と呼び、これがデータの物理的な配置を管理する上で重要な概念となる。読み書きヘッドはアームの先端に取り付けられ、アームが動くことで異なるトラックにアクセスし、プラッタの回転と同期してセクタを読み書きする。

メインフレーム環境では、CPUはDASDに直接アクセスするのではなく、チャネルと呼ばれる専用の入出力プロセッサと、DASDコントローラを介してデータの読み書きを指示する。チャネルはCPUからI/O処理の指示を受け取ると、CPUとは独立してDASDとの間でデータ転送を行い、処理が完了するとCPUに通知する。この仕組みにより、CPUはI/O処理の完了を待つことなく他のタスクを実行でき、システム全体の効率が向上する。

DASDは、その機能性からメインフレームシステムのほぼ全ての構成要素を支える役割を担ってきた。オペレーティングシステムそのものの起動イメージやプログラムファイル、各種ユーティリティ、ユーザーが作成したデータファイル、そして企業の基幹業務を支える巨大なデータベースなど、あらゆるデータがDASD上に格納された。特に仮想記憶(Virtual Memory)の概念を実装する上でもDASDは不可欠だった。仮想記憶は、主記憶(RAM)の容量を超えたプログラムを実行する際に、DASDの一部を補助的な記憶領域として利用し、必要に応じてプログラムやデータを主記憶とDASD間で入れ替える(スワップする)ことで、あたかも主記憶の容量が増えたかのように見せる技術である。これにより、より大規模なプログラムの実行や、多数の同時処理が可能となった。

現代のコンピューターシステムでは、「DASD」という用語は主にメインフレームの世界で用いられる専門用語として残っており、パーソナルコンピューターやオープンシステム環境では、単に「ハードディスクドライブ(HDD)」や「ストレージ」と呼ばれることが一般的である。また、近年ではSSD(Solid State Drive)のような半導体記憶装置が普及し、HDDに代わる高速なストレージとして利用されている。SSDは機械的な駆動部分を持たないため、HDDよりも高速なアクセス速度と高い耐衝撃性を実現しているが、その根本にある「データに直接アクセスする」という概念、およびOSやアプリケーションの永続的なデータを保持するという役割は、DASDの時代から脈々と受け継がれている。DASDは、コンピューターの歴史において、データ管理のあり方を大きく変革し、現代のストレージ技術の基礎を築いた重要な技術資産であると言える。

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