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バックアップ(バックアップ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

バックアップ(バックアップ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

バックアップ (バックアップ)

英語表記

backup (バックアップ)

用語解説

バックアップとは、コンピュータシステムやストレージデバイスに保存されているデータが、何らかの原因で失われたり破損したりした場合に備え、事前にそのデータを複製して別の場所に保存しておく行為を指す。これは、システムエンジニアがデータ保護の観点から最も重要視する作業の一つであり、データの可用性と信頼性を確保するための基盤となる。

データの損失は、ハードウェアの故障、ソフトウェアの不具合、人為的な誤操作、サイバー攻撃、自然災害など、さまざまな要因によって引き起こされる可能性がある。これらの事態が発生した場合、バックアップが存在しなければ、重要な業務データや個人設定、システム設定などが永久に失われる恐れがある。そのため、バックアップは、データの安全性を保障し、万が一の事態が発生した際にシステムを迅速に復旧させることを目的としている。

バックアップにはいくつかの主要な種類があり、それぞれデータの取り扱い方と復元にかかる時間、ストレージの使用効率が異なる。 「フルバックアップ」は、指定されたすべてのデータを毎回完全にコピーする方法である。この方法は、復元時に必要なデータが常に一つのバックアップセットにまとまっているため、復元作業が最も単純であるという利点がある。しかし、バックアップ対象のデータ量が多い場合、完了までに時間がかかり、大量のストレージ容量を消費するという欠点がある。

これに対し、「差分バックアップ」は、初回にフルバックアップを実行した後、それ以降は前回のフルバックアップから変更されたデータのみをバックアップする方法である。差分バックアップは、フルバックアップよりも短時間で完了し、必要なストレージ容量も少なく済む。復元時には、最新のフルバックアップと最新の差分バックアップの二つがあればデータを復元できる。

もう一つの主要な方法として「増分バックアップ」がある。これは、初回にフルバックアップを実行した後、それ以降は前回のあらゆる種類のバックアップ(フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップのいずれか)から変更されたデータのみをバックアップする方法である。増分バックアップは、バックアップに要する時間が最も短く、ストレージ容量の消費も最小限に抑えられる。しかし、復元時には、最新のフルバックアップと、それ以降に取得されたすべての増分バックアップが必要となるため、復元作業が最も複雑になり、復元時間も長くなる傾向がある。

バックアップの対象となるデータも多岐にわたる。一般的なファイルやディレクトリ、データベースシステムが管理するデータ、オペレーティングシステムを含むシステム全体のイメージ(ディスクイメージ)、さらには仮想マシン環境全体のバックアップなどがある。特に、システム全体のイメージバックアップは、OSやアプリケーションの設定も含めて丸ごと復元できるため、大規模な障害からの迅速な復旧に役立つ。データベースのバックアップは、データの整合性を保ちながら特定の時点の状態に復元することが求められるため、特別なツールや手法が用いられることが多い。

バックアップされたデータは、様々なメディアに保存される。一般的なのは、内蔵または外付けのハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)である。これらは高速で手軽に利用できる。企業環境では、ネットワーク経由で複数のサーバからバックアップデータを一元的に管理できるNAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)が利用される。また、大容量データを長期間安価に保存できるメディアとして、LTO(Linear Tape-Open)などの磁気テープも依然として重要な役割を担っている。近年では、インターネットを介して専門のプロバイダが提供する「クラウドストレージ」サービスを利用するケースも増えている。クラウドストレージは、地理的に離れた場所にデータを保管できるため、自然災害などからデータを保護する上で非常に有効である。

バックアップの頻度と保存世代数も重要な検討事項である。どれくらいの頻度でバックアップを取るか、そして過去に遡ってどれくらいの期間のバックアップを保持するかは、ビジネスの要件やデータの重要性によって決定される。この要件は「目標復旧時点」(RPO: Recovery Point Objective)として定義され、データをどれだけ遡って復旧できるかを示す。例えば、RPOが1時間であれば、最大1時間分のデータ損失は許容されることになる。一般的には、データを複数の場所に、複数の種類で、複数の世代にわたって保存する「3-2-1ルール」のような考え方が推奨される。これは、オリジナルデータを含め3つのコピーを作成し、それらを2種類の異なるメディアに保存し、そのうち少なくとも1つをオフサイト(遠隔地)に保管するという考え方である。

バックアップの最終的な目的は、データを「復元」(リストア)することにある。いくら完璧なバックアップ計画を立て、データを安全に保存しても、実際に必要な時に復元できなければ意味がない。そのため、定期的にバックアップからの復元テストを実施し、データが正しく復元できることを確認することが極めて重要である。この復旧に要する時間の目標は「目標復旧時間」(RTO: Recovery Time Objective)と呼ばれ、システムが停止してからどれくらいの時間で正常な状態に戻せるかを示す。

このように、バックアップは単にデータをコピーする行為以上の意味を持つ。システムの可用性を高め、事業継続性を確保するための総合的な戦略の一部であり、データ保護ポリシーの策定、適切なバックアップツールの選定、定期的な運用と検証、そして万が一の障害発生時の復旧手順の確立までを含めた包括的な計画が求められる。システムエンジニアは、これらの要素を理解し、組織のニーズに応じた最適なバックアップ戦略を設計・実装・運用する責任がある。

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