XSCF (エクスクセフ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
XSCF (エクスクセフ) の読み方
日本語表記
エクサスケーラブル・シンメトリック・マルチプロセッシング・ファブリック (エクサスケーラブル・シンメトリック・マルチプロセッシング・ファブリック)
英語表記
eXtended System Control Facility (エクステンデッドシステムコントロールファシリティ)
XSCF (エクスクセフ) の意味や用語解説
XSCF(eXtended System Control Facility)とは、主に富士通のSPARC EnterpriseサーバやM10/M12といった大規模サーバシステムに搭載されている、システム全体を監視・制御するための専用管理機構のことである。サーバの可用性向上と運用管理の効率化を目的として設計されている。 XSCFの主な役割は、サーバのハードウェアやOSの状態をリアルタイムで監視し、異常が発生した場合に自動的に対応することである。具体的には、CPU、メモリ、ディスク、ネットワークインタフェースなどのハードウェアコンポーネントの状態を監視し、温度、電圧、ファン速度などのパラメータをチェックする。OSの状態監視では、CPU使用率、メモリ使用量、プロセス数などを監視し、異常な状態を検出する。 XSCFは、これらの監視結果に基づいて、必要に応じて自動的に対応を行う。例えば、CPUの温度が異常に上昇した場合、ファンの回転数を上げて冷却を強化したり、サーバを安全にシャットダウンしたりすることができる。また、OSがハングアップした場合、OSを再起動したり、コアダンプを取得したりすることができる。これらの自動対応機能により、システム管理者の介入なしに、システム障害からの早期復旧が可能になる。 XSCFは、専用のハードウェアとソフトウェアで構成されており、サーバ本体のOSとは独立して動作する。これにより、サーバ本体のOSがダウンした場合でも、XSCFは正常に動作し続けることができる。XSCFへのアクセスは、専用の管理コンソールやネットワークを通じて行うことができる。管理コンソールからは、サーバの状態監視、設定変更、障害対応などの操作を行うことができる。ネットワークを通じてアクセスする場合は、SSHやWebブラウザなどの標準的なプロトコルを使用する。 XSCFは、システムの可用性向上に大きく貢献する機能を提供する。例えば、ホットスワップ機能を使用することで、システムを停止することなく、故障したハードウェアコンポーネントを交換することができる。また、リダンダント構成のハードウェアを使用することで、ハードウェア障害が発生した場合でも、システムを継続して稼働させることができる。XSCFは、これらのリダンダント構成を監視し、障害発生時に自動的に切り替えを行う。 XSCFは、運用管理の効率化にも貢献する。システム管理者は、XSCFを通じて、サーバの状態を一元的に監視することができる。また、XSCFの自動対応機能により、システム障害発生時の対応作業を大幅に削減することができる。さらに、XSCFは、サーバのログ情報を収集し、分析するための機能を提供する。システム管理者は、これらのログ情報を分析することで、システム障害の原因を特定したり、システム全体のパフォーマンスを改善したりすることができる。 XSCFは、セキュアな運用環境を提供するために、様々なセキュリティ機能を提供している。例えば、アクセス制御機能を使用することで、XSCFへのアクセスを特定のユーザやグループに制限することができる。また、監査ログ機能を使用することで、XSCFに対するすべての操作を記録し、監査することができる。さらに、暗号化通信機能を使用することで、XSCFと管理コンソール間の通信を暗号化し、盗聴や改ざんを防止することができる。 XSCFの設定は、通常、サーバの初期設定時に行う。設定項目としては、ネットワーク設定、ユーザアカウント設定、監視設定、自動対応設定などがある。これらの設定は、管理コンソールやネットワークを通じて行うことができる。設定変更を行う際には、慎重に操作を行い、誤った設定を行わないように注意する必要がある。誤った設定を行うと、システムの可用性やセキュリティに影響を与える可能性がある。 XSCFは、大規模サーバシステムにおいて、システムの可用性向上と運用管理の効率化に不可欠な機能である。システムエンジニアは、XSCFの機能を理解し、適切に設定・運用することで、システムの安定稼働に貢献することができる。