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IEEE(アイ・トリプル・イー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

IEEE(アイ・トリプル・イー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

アイ・トリプル・イー (アイ・トリプル・イー)

英語表記

IEEE (アイ・トリプル・イー)

用語解説

IEEEは「Institute of Electrical and Electronics Engineers」の略称であり、日本語では米国電気電子学会と訳される。読み方は「アイトリプルイー」が一般的である。この組織は、電気・電子技術分野における世界最大の専門家組織であり、科学者、技術者、学生など、世界中の会員で構成される非営利団体である。IEEEの活動は多岐にわたるが、IT業界、特にシステムエンジニアにとって最も重要なのは、技術標準の策定と標準化活動である。この標準、すなわち規格があるおかげで、異なるメーカーが製造した機器同士でも問題なく接続し、通信することが可能になる。いわば、IT機器が世界中で共通して使えるようにするための「共通のルール」を定めている組織だと理解すると良い。このルールがなければ、特定のメーカーの製品でシステム全体を統一しなければならなくなり、技術選択の自由度が著しく低下し、コストも増大してしまう。IEEEが定める規格は、現代のITインフラを根幹から支える非常に重要な役割を担っているのである。

IEEEが策定する規格は、その識別のために「IEEE」の後に数字を組み合わせた形式で命名される。例えば、「IEEE 802.3」や「IEEE 802.11」といった名称がそれに該当する。この数字はワーキンググループと呼ばれる特定の技術分野を担当する専門家チームを示しており、システムエンジニアが日常的に扱う多くの技術が、このIEEE規格に基づいている。

システムエンジニアにとって最も馴染み深い規格の一つが、LAN(Local Area Network)に関連する「IEEE 802」シリーズである。その中でも「IEEE 802.3」は、有線LANの技術標準である「イーサネット」を定めた規格である。オフィスや家庭でコンピュータをインターネットに有線接続する際に使われるLANケーブルやネットワーク機器は、この規格に準拠している。イーサネットの規格には通信速度に応じて「100BASE-TX(100Mbps)」や「1000BASE-T(1Gbps)」といった様々な種類が存在するが、これらもすべてIEEE 802.3の中で細かく定義されている。ネットワークの設計や構築を行う際、使用する機器がどの規格に対応しているかを確認することは、性能を保証する上で不可欠な作業となる。

同様に重要なのが、無線LANの技術標準である「IEEE 802.11」である。これは一般的に「Wi-Fi」として知られている技術の根幹をなす規格だ。スマートフォンやノートパソコンを無線でネットワークに接続できるのは、この規格のおかげである。IEEE 802.11には、通信速度や使用する周波数帯が異なる複数の規格が存在し、末尾に付けられたアルファベットで区別される。「IEEE 802.11n」や「IEEE 802.11ac」、そして新しい世代の「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」などがその例である。ネットワークの通信が遅いといった問題が発生した際に、接続しているアクセスポイントや端末がどのIEEE 802.11規格に対応しているかを確認することは、トラブルシューティングの基本的な手順となる。

ネットワーク分野では、「IEEE 802.1Q」も重要な規格である。これはVLAN(Virtual LAN)に関するもので、物理的な配線とは独立して、スイッチ内部で論理的にネットワークを分割するための技術を定めている。この技術を用いることで、例えば、社内の部署ごとにネットワークを分離し、セキュリティを向上させたり、通信の効率を高めたりすることが可能になる。ネットワークエンジニアは、このVLANの知識を駆使して、柔軟かつ安全なネットワーク環境を構築する。

IEEEの規格はネットワーク技術だけにとどまらない。ソフトウェア開発の領域においても、その影響は大きい。代表的な例が、コンピュータ内部で小数を表現する方法を定めた「IEEE 754」である。これは浮動小数点数演算標準と呼ばれ、プロセッサやプログラミング言語が異なっていても、同じ計算を行えば同じ結果が得られることを保証する。この規格がなければ、あるコンピュータで正常に動作した金融計算プログラムが、別のコンピュータでは誤差によって異なる結果を生むといった深刻な問題が発生しかねない。

このように、IEEEはハードウェアからソフトウェアに至るまで、ITシステムの様々な階層で基盤となるルールを定めている。システムエンジニアは、システムの設計、機器の選定、ネットワークの構築、そして問題発生時の原因究明といったあらゆる業務において、IEEE規格を意識する必要がある。製品の仕様書に記載されている「IEEE 802.3準拠」や「IEEE 802.11ac対応」といった記述は、その製品が世界標準のルールに従って作られていることを示す品質保証であり、相互接続性を担保する重要な情報なのである。したがって、IEEEとその規格について理解を深めることは、信頼性の高いシステムを構築し、維持管理していく上で必須の知識と言える。

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