キーロガー (キーロガー) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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キーロガー (キーロガー) の読み方

日本語表記

キーロガー (キーロガー)

英語表記

keylogger (キーロガー)

キーロガー (キーロガー) の意味や用語解説

キーロガー キーロガーとは、コンピュータのキーボード操作を記録するソフトウェアまたはハードウェアのことである。別名としてキーロギングツールやキーストロークロガーとも呼ばれる。ユーザーがキーボードから入力した内容を密かに記録し、攻撃者に送信することで、ID、パスワード、クレジットカード情報などの個人情報が盗まれる危険性がある。システムエンジニアを目指す上で、キーロガーの仕組みや対策を理解しておくことは、セキュリティ対策において非常に重要となる。 キーロガーは、ソフトウェア型とハードウェア型に大きく分類できる。ソフトウェア型キーロガーは、マルウェアの一種としてユーザーに気づかれずにコンピュータにインストールされることが多い。侵入経路としては、電子メールに添付された不正なファイルを開いたり、セキュリティの脆弱性を悪用したWebサイトにアクセスしたりするケースが挙げられる。インストールされると、バックグラウンドで動作し、キーボードから入力されたすべての内容を記録する。記録されたデータは、暗号化されて攻撃者のサーバーに送信されたり、ローカルファイルに保存されたりする。攻撃者は、これらのデータを解析することで、ユーザーの認証情報や機密情報を入手する。 一方、ハードウェア型キーロガーは、キーボードとコンピュータ本体の間に物理的に接続される小型のデバイスである。USB接続やPS/2接続など、さまざまな種類が存在する。ソフトウェア型と異なり、コンピュータにソフトウェアをインストールする必要がないため、OSの種類やセキュリティ対策の影響を受けにくいという特徴がある。ハードウェア型キーロガーは、企業内の従業員による不正行為の監視や、ペアレンタルコントロールなどの目的で使用されることもある。しかし、悪意のある第三者がハードウェア型キーロガーを設置した場合、ユーザーは容易に気づくことができず、情報漏洩のリスクが高まる。 キーロガーによる被害を防ぐためには、いくつかの対策が考えられる。まず、セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことが重要である。セキュリティソフトは、キーロガーを含むマルウェアの検出と駆除を行うことができる。また、OSやアプリケーションのセキュリティアップデートを適用することで、脆弱性を修正し、キーロガーの侵入を防ぐことができる。不審な電子メールやWebサイトには注意し、安易に添付ファイルを開いたり、リンクをクリックしたりしないように心がけることも重要である。 さらに、二段階認証を導入することで、万が一、IDとパスワードが盗まれた場合でも、不正アクセスを防ぐことができる。二段階認証は、パスワードに加えて、スマートフォンに送信される認証コードや生体認証などの追加の認証要素を要求する。これにより、攻撃者がパスワードを入手しても、認証を突破することが困難になる。 キーロガー対策としては、専門的なツールも存在する。キーロガー対策ソフトは、キーロガーの動作を検知し、ブロックすることができる。また、仮想キーボードを使用することで、キーボードからの直接入力を避け、キーロガーによる記録を回避することができる。仮想キーボードは、画面上に表示されたキーをマウスなどでクリックして文字を入力するため、キーロガーがキー入力を記録することができない。 システムエンジニアは、キーロガーのリスクを理解し、適切なセキュリティ対策を講じることで、システム全体の安全性を高める必要がある。具体的には、システムの設計段階からセキュリティを考慮し、脆弱性を排除する。また、定期的なセキュリティ監査を実施し、潜在的なリスクを洗い出す。さらに、従業員に対するセキュリティ教育を徹底し、キーロガーを含むマルウェアに対する意識を高めることが重要である。 キーロガーは、高度な技術を必要とせずに比較的容易に利用できるため、サイバー攻撃の手段として広く用いられている。システムエンジニアは、キーロガーの脅威を常に意識し、最新のセキュリティ情報に基づいて、適切な対策を講じる必要がある。キーロガー対策は、システム全体のセキュリティを向上させる上で不可欠な要素であり、システムエンジニアの重要な責務の一つである。

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