ZooKeeper (ズーキーパー) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
ZooKeeper (ズーキーパー) の読み方
日本語表記
ZooKeeper (ズーキーパー)
英語表記
ZooKeeper (ズーキーパー)
ZooKeeper (ズーキーパー) の意味や用語解説
ZooKeeperは、分散システムにおける集中管理された設定情報、命名規則、グループ管理、同期サービスを提供する、高性能な協調サービスだ。Apache Software Foundationによって開発され、オープンソースソフトウェアとして提供されている。 ZooKeeperの主な目的は、複数のサーバが連携して動作する分散環境において、整合性を保ちながら、各サーバが共通の認識を持ち、協調して動作できるようにすることだ。分散システムでは、各サーバが独立して動作するため、設定情報の不整合や、サーバ間の状態のずれなどが起こりやすい。ZooKeeperは、これらの問題を解決し、分散システムの信頼性と可用性を向上させる。 ZooKeeperは、ファイルシステムのような階層構造を持つデータモデルを採用している。この構造は、znode(ズーノード)と呼ばれるノードで構成されており、各znodeにはデータと子znodeを格納できる。znodeは、一時的なものと永続的なものの2種類がある。一時的なznodeは、それを作成したクライアントのセッションが終了すると自動的に削除される。永続的なznodeは、明示的に削除されない限り、ZooKeeperに残り続ける。 ZooKeeperのクライアントは、znodeに対して、データの読み書き、znodeの作成と削除、子znodeの監視などの操作を行うことができる。クライアントは、ZooKeeperサーバに対して接続を確立し、セッションを維持する。セッションがタイムアウトすると、一時的なznodeは削除され、クライアントはZooKeeperとの接続を再確立する必要がある。 ZooKeeperは、複数のサーバで構成されるアンサンブルと呼ばれるクラスタで動作する。アンサンブル内のサーバは、互いにデータを複製し、冗長性を確保している。クライアントは、アンサンブル内の任意のサーバに接続してZooKeeperのサービスを利用できる。アンサンブル内のサーバのうち、1台がリーダーとして選出され、クライアントからの書き込み要求を処理する。リーダー以外のサーバはフォロワーとして動作し、リーダーからデータを複製する。 ZooKeeperは、原子性、一貫性、分離性、耐久性のACID特性を保証する。原子性とは、操作が完全に成功するか、全く実行されないかのどちらかであることを意味する。一貫性とは、すべてのクライアントが同じデータを参照できることを意味する。分離性とは、複数のトランザクションが互いに干渉しないことを意味する。耐久性とは、一度コミットされたデータは永続的に保存されることを意味する。 ZooKeeperは、多くの分散システムで利用されている。例えば、Apache Kafkaは、ZooKeeperを使用して、ブローカーの管理、トピックの設定情報の管理、パーティションのリーダー選出などを行っている。Apache Hadoopは、ZooKeeperを使用して、ネームノードの高可用性構成を実現している。また、Apache Cassandraは、ZooKeeperを使用して、クラスタ構成情報の管理、リーダー選出などを行っている。 ZooKeeperを利用するメリットは、分散システムにおける設定情報の集中管理、動的なグループ管理、リーダー選出などの機能を容易に実現できることだ。また、ZooKeeperは、高い信頼性と可用性を備えており、大規模な分散システムでも安定して動作する。さらに、ZooKeeperは、さまざまなプログラミング言語のクライアントライブラリが提供されており、容易にアプリケーションに組み込むことができる。 ZooKeeperを利用する際の注意点としては、ZooKeeperアンサンブルの構成と管理が必要になること、ZooKeeperのデータモデルの理解が必要になること、ZooKeeperのAPIの習得が必要になることなどが挙げられる。また、ZooKeeperは、比較的小さなデータを扱うことに適しており、大量のデータを格納する用途には適していない。 ZooKeeperは、分散システムを構築する上で非常に強力なツールだ。システムエンジニアを目指す上で、ZooKeeperの基本的な概念と使い方を理解しておくことは非常に重要だ。