【ITニュース解説】Made a Arduino Location Tracker using SIM800L GSM Module and NEO-6M GPS Module
2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Made a Arduino Location Tracker using SIM800L GSM Module and NEO-6M GPS Module」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Arduinoと2つのモジュールで位置情報トラッカーを自作するチュートリアル。GPSモジュールで現在地を特定し、GSMモジュールが携帯電話網経由でその情報を送信する。ハードウェアと通信を組み合わせたIoTの基礎を学べる。
ITニュース解説
安価な電子部品を組み合わせて、自分だけの位置情報追跡装置(ロケーショントラッカー)を自作するプロジェクトが公開された。この装置は、現在地をGPSで特定し、その情報を携帯電話の通信網を利用してSMS(ショートメッセージサービス)で送信するものである。この仕組みを理解することは、ハードウェアとソフトウェアが連携して現実世界の課題を解決する、システム開発の基礎を学ぶ上で非常に有益である。
この位置情報トラッカーの心臓部となるのは、「Arduino」という名称のマイクロコントローラボードだ。マイクロコントローラとは、特定の機能を実現するためにプログラムを書き込んで使用する、小さなコンピューターのことである。Arduinoは、センサーから情報を読み取ったり、モーターを動かしたりといった電子工作を容易にするために開発されたプラットフォームであり、初心者でも扱いやすい。今回のプロジェクトでは、Arduinoが全体の司令塔として、各部品の制御を担っている。
位置情報を特定する役割を担うのが、「NEO-6M GPSモジュール」である。GPSは「Global Positioning System」の略で、地球の周回軌道上にある複数のGPS衛星から発信される電波を利用して、現在地の緯度・経度・高度などを正確に割り出すシステムである。NEO-6Mモジュールは、これらの衛星からの信号を受信するアンテナを備えた受信機であり、計算した位置情報をデータとして出力する。ArduinoはこのGPSモジュールと接続され、プログラムを通じて定期的に位置情報を問い合わせ、取得する。
取得した位置情報を遠隔地にいる人に知らせるためには、通信機能が必要不可欠である。そこで使用されるのが、「SIM800L GSMモジュール」だ。GSMは「Global System for Mobile Communications」の略で、世界中で広く利用されている携帯電話の通信規格の一つである。このモジュールにはスマートフォンと同じようにSIMカードを挿入することができ、これにより携帯電話の基地局と通信することが可能になる。Arduinoは、このGSMモジュールを制御することで、SMSの送信や、機種によっては音声通話、低速なデータ通信を行うことができる。つまり、このモジュールが装置に携帯電話としての機能を与えているのである。
システム全体の動作の流れは次のようになる。まず、装置の電源がオンになると、Arduinoに書き込まれたプログラムが実行を開始する。プログラムは最初に、接続されているGPSモジュールとGSMモジュールの初期設定を行う。次に、GPSモジュールに対して位置情報を要求する。GPSモジュールは衛星からの信号捕捉に成功すると、現在の緯度と経度のデータをArduinoに送信する。Arduinoは受け取ったこのデータを処理し、SMSで送信するためのメッセージを作成する。例えば、Googleマップでその場所を直接開けるようなURL形式に加工することもある。そして最後に、ArduinoはGSMモジュールに対して、指定した電話番号へ作成したメッセージをSMSとして送信するよう命令を下す。この一連の処理が、プログラムによって定期的に繰り返されることで、リアルタイムに近い位置情報の追跡が実現される。
このプロジェクトでは、異なる役割を持つ複数の電子部品(モジュール)が、Arduinoを介して連携している点が重要である。Arduinoと各モジュールは、主にシリアル通信と呼ばれる方式でデータのやり取りを行う。これは、一本の信号線を使ってデータを1ビットずつ順番に送受信する方法で、多くの電子部品間通信で利用される基本的な技術だ。また、GSMモジュールを操作する際には、「ATコマンド」という特定の文字列で構成された命令セットが用いられる。例えば、「AT+CMGS="電話番号"」といったコマンドを送ることでSMSを送信するなど、テキストベースの命令で通信機能を制御する。
このような装置を自作する経験は、システムエンジニアを目指す者にとって多くの学びをもたらす。センサーからデータを取得する技術、取得したデータをプログラムで加工・整形する処理、通信モジュールを制御して外部とデータをやり取りする技術など、IoT(モノのインターネット)デバイス開発に不可欠な要素が凝縮されているからだ。ハードウェアの配線や電源管理といった物理的な側面と、それらを意のままに操るソフトウェア開発の両方を体験することで、システムがどのように成り立っているかを深く理解することができるだろう。