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【ITニュース解説】Async/Await in C#

2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「Async/Await in C#」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

C#の`async`/`await`は、時間がかかる処理をバックグラウンドで実行し、プログラム全体が固まるのを防ぐ「非同期処理」を実現する機能。これにより、アプリケーションは常に応答性を保ち、スムーズな操作を提供する。開発者が効率的な非同期コードを簡潔に記述できる。

出典: Async/Await in C# | Dev.to公開日:

ITニュース解説

システムを開発する上で、プログラムがユーザーの操作に対して常にスムーズに応答することは非常に重要だ。例えば、ウェブサイトでボタンをクリックした後に画面が固まってしまい、何も操作できなくなるような経験は誰にでもあるだろう。このような状況は、プログラムが時間のかかる処理を実行している最中に発生する。このようなプログラムの実行方法を「同期処理」と呼ぶ。同期処理では、ある一つの処理が完了するまで、次の処理に進むことができないため、特にユーザーインターフェース(UI)を持つアプリケーションでは、UIが応答しなくなり、ユーザー体験を損ねてしまう原因となる。

このような問題を解決するために登場するのが「非同期処理」だ。非同期処理とは、時間のかかる操作を実行する際に、その操作の完了を待つ間に、他の処理を並行して実行できるようにするプログラミング手法を指す。これにより、例えばデータダウンロード中にUIを操作できる状態に保ったり、サーバーアプリケーションであれば同時に多くのユーザーからのリクエストを処理できるようになる。これは、アプリケーションの応答性を向上させ、リソースをより効率的に利用するために不可欠な技術だ。

C#では、この非同期処理を実現するための強力な機能として、Task クラスと、それをより簡単に扱うための async および await キーワードが提供されている。Task クラスは、未来のある時点で結果が利用可能になるかもしれない操作、つまり非同期操作を表すオブジェクトだ。ある処理を Task として実行することで、その処理がバックグラウンドで進む間、メインのプログラムは別のことを実行できるようになる。Task<TResult> は、結果の型 TResult を持つ非同期操作を表し、操作が完了したときに特定の型の結果を返すことができる。

しかし、Task を直接扱うだけでは、非同期処理のコードは複雑になりがちだった。そこでC# 5.0で導入されたのが asyncawait だ。これらは「構文糖衣(Syntactic Sugar)」とも呼ばれ、非同期処理をあたかも同期処理のように、上から下へと読みやすい形で記述できるようにするための特別なキーワードである。これにより、開発者は非同期処理の複雑な側面を意識することなく、簡潔なコードで応答性の高いアプリケーションを構築できるようになった。

まず、async キーワードは、あるメソッドが非同期処理を含んでいる可能性があり、その内部で await キーワードを使用できることをコンパイラに伝える役割を持つ。async を付与されたメソッドは、慣習的にメソッド名の末尾に「Async」というサフィックスを付けて、非同期メソッドであることを明示することが推奨されている。この async メソッドは、通常 Task または Task<TResult>(処理結果を返す場合)を戻り値として持つ。Task を返せば処理の完了を待つことができ、Task<TResult> を返せば処理の完了と同時にその結果も受け取ることができるため、呼び出し元が非同期処理の状況を正確に把握しやすくなる。

次に await キーワードだが、これが非同期処理の核心部分を担う。await は、Task オブジェクトの前に記述され、その Task が表す非同期処理の完了を「一時的に中断して待つ」という指示を出す。重要なのは、この「待つ」という行為が、プログラム全体やUIを「ブロックしない」という点だ。

具体的に何が起こるかというと、await が実行されると、現在のメソッドの実行はいったん中断され、制御がそのメソッドを呼び出した元の場所に戻る。これにより、メインスレッド(特にUIスレッド)はブロックされることなく、他のユーザー操作の処理や、描画処理など、別のタスクを実行できるようになる。そして、await していた非同期処理(Task)が完了すると、システムは中断していた場所から現在のメソッドの実行を再開する。この際、中断した時点の「実行コンテキスト」と呼ばれる状態(どのスレッドで実行されていたか、UIスレッドだったかなど)を覚えておき、そのコンテキストに復帰して残りの処理を実行するため、UI要素の安全な更新などが可能になる。

このような仕組みのおかげで、開発者は複雑なスレッド管理やコールバックの連鎖に陥ることなく、非同期処理を直線的で分かりやすいコードで記述できるようになった。UIアプリケーションであれば、データ取得のような時間のかかる処理を実行している間も、ユーザーはスクロールしたり、他のボタンをクリックしたりできるようになるため、アプリケーションの応答性が劇的に向上する。また、サーバーアプリケーションにおいては、単一のスレッドが多数の非同期I/O操作(例:データベースアクセス、ネットワーク通信)を効率的に処理できるようになり、より多くの同時リクエストを捌けるようになるため、システムの全体的なスケーラビリティが向上する。

非同期処理におけるエラーハンドリングも、同期処理とほとんど変わらない方法で行える。await している Task の内部で例外が発生した場合、その例外は await を記述した箇所で捕捉されるため、try-catch ブロックを適切に配置することで、通常の例外処理と同じようにエラーを処理できる。これは、非同期コードの信頼性を高める上で非常に重要な点だ。

ただし、async void と記述された非同期メソッドは使用を避けるべきだ。async void メソッドは、その完了を呼び出し元が待つことができないため、例外が発生した場合に処理が難しくなったり、意図しないタイミングでプログラムが終了したりするリスクがある。基本的には、async メソッドは Task または Task<TResult> を返すように設計することが、より堅牢で管理しやすい非同期コードを書くための原則となる。

C#の asyncawait は、非同期プログラミングの概念を開発者にとってより身近で扱いやすいものに変革した。これにより、応答性の高いユーザーエクスペリエンスを提供したり、効率的なサーバーアプリケーションを構築したりすることが、以前にも増して容易になった。これらのキーワードを理解し活用することは、現代のシステム開発において不可欠なスキルだと言えるだろう。

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