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void型(ボイドガタ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

void型(ボイドガタ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ボイド型 (ボイドガタ)

英語表記

void (ヴォイド)

用語解説

void型は、プログラミング言語における特殊な型の一つで、「型がない」または「値がない」ことを明示的に示すために用いられる。これは、具体的なデータを格納するための型(整数型、浮動小数点数型、文字型など)とは異なり、データの「存在しない」状態や「あらゆる型」を表現する概念的な型である。システムエンジニアを目指す上で、特にC言語やC++といった言語を扱う際には、void型の役割と使用方法を正確に理解しておくことが不可欠だ。

void型が最も一般的に利用されるのは、関数の戻り値の型としてである。関数が何らかの処理を実行するものの、その処理の結果として呼び出し元に特定の値を返さない場合に、戻り値の型をvoidと宣言する。例えば、画面にメッセージを表示するだけの関数や、ファイルの書き込みを行うだけの関数など、主な目的が副作用(処理の実行そのもの)であり、計算結果やデータといった具体的な戻り値を持たない関数にはvoidが指定される。これにより、関数の利用者や他の開発者は、その関数が値を返さないことを明確に認識し、誤って戻り値を期待したり利用しようとしたりするミスを防ぐことができる。C言語の場合、関数の引数リストにvoidと明示することで、その関数が引数を一切取らないことを示すこともできる。これはfunc()のように引数リストを空にした場合とは異なり、引数を全く受け付けないことをコンパイラに伝える明確な記述方法である。

void型のもう一つの重要な使用例は、ポインタ型と組み合わせて使われるvoid*、いわゆる「汎用ポインタ」である。void*は、特定のデータ型を指し示すのではなく、「あらゆる型のデータを指すことができるポインタ」として機能する。これは、メモリ上の任意のアドレスを指すことができるが、そのアドレスに格納されているデータの型やサイズが不明であることを示す。汎用ポインタは、異なる種類のデータを扱う必要のある場面で非常に便利だ。例えば、C言語のメモリ確保関数であるmalloccallocは、メモリを確保するが、そのメモリがどのような型のデータを格納するために使われるかは呼び出し元に依存するため、戻り値としてvoid*を返す。開発者は、このvoid*を、実際に利用したい型(例:int*struct MyData*)にキャスト(型変換)してから使用する。同様に、汎用的なデータ操作を行うライブラリ関数(例えば、C言語のqsort関数のようなソート関数)は、様々な型の配列をソートできるように、配列の要素へのポインタをvoid*として受け取る場合が多い。

しかし、void*には、その柔軟性ゆえの注意点も存在する。void*は、指し示すデータの型が不明であるため、直接デリファレンス(ポインタが指す先の値にアクセスすること)することはできない。デリファレンスを行うには、必ず適切な型へのキャストが必要となる。例えば、void* ptr;と宣言されたポインタをデリファレンスしようとしても、コンパイラは*ptrが指すデータのサイズや解釈方法を知らないため、エラーとなる。これを防ぐには、例えばint* int_ptr = (int*)ptr;のように、明示的にint*へキャストしてから*int_ptrのようにアクセスする必要がある。このキャストの誤りは、プログラムの実行時エラーや未定義動作の原因となる可能性があるため、void*を使用する際には、指しているデータの実際の型を正確に把握し、適切なキャストを行う責任がプログラマ自身にある。これにより、コンパイラによる型チェックの恩恵が一部失われるため、注意深いプログラミングが求められる。

まとめると、void型は単に「空」を意味するだけでなく、関数の戻り値や引数において「値なし」を明示したり、ポインタにおいて「あらゆる型」を指し示したりすることで、プログラムの柔軟性と安全性を両立させるための重要な役割を担っている。特に、C言語のような低レベルなメモリ操作が可能な言語においては、void型はシステムプログラミングにおいて不可欠な概念であり、その適切な理解と使用は、堅牢で効率的なソフトウェア開発のために極めて重要だと言える。

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