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【ITニュース解説】Bluesky is rolling out age verification in South Dakota and Wyoming

2025年09月11日に「Engadget」が公開したITニュース「Bluesky is rolling out age verification in South Dakota and Wyoming」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Blueskyは米国のサウスダコタ州とワイオミング州で年齢確認を導入する。有害コンテンツ規制の州法に対応するため、DMや成人向けコンテンツ利用に年齢確認が必須だ。Epic Gamesのシステムを使い、未確認の場合、一部機能が制限される。

ITニュース解説

Blueskyは、人気のソーシャルメディアサービスの一つで、最近、米国の一部の州で年齢確認機能の導入を進めている。これは、システムエンジニアを目指す皆さんにとっても、法律とITサービス開発がどのように密接に関わってくるかを理解する上で非常に興味深い事例だ。

この動きの背景には、米国サウスダコタ州とワイオミング州で新たに成立した法律がある。これらの州法は、「有害な」コンテンツを扱うオンラインプラットフォームに対して、ユーザーの年齢確認を義務付けている。つまり、ソーシャルメディアのようなサービスが、未成年者に不適切なコンテンツが届かないようにするための具体的な対策を講じなければならなくなったのだ。Blueskyは、これらの法律を遵守するために、サービスの特定の機能にアクセスする際に年齢確認を求めることになった。具体的には、ユーザーがダイレクトメッセージ(DM)を送受信したり、サイト上の成人向けコンテンツを閲覧したりする際に、年齢確認が必須となる。

Blueskyがこのような年齢確認の取り組みを行うのは、今回が初めてではない。すでにイギリスでは、同国で施行された「オンライン安全法」という法律に基づいて、同様の年齢確認を実施している。つまり、世界中でオンラインサービスの安全性、特に未成年者の保護に対する意識が高まり、それが法制化され、結果としてITサービス提供者が具体的なシステム変更を迫られているという現状がある。

年齢確認の具体的な方法として、BlueskyはEpic Gamesが提供する「Kids Web Services(KWS)」という外部サービスを利用することを選んだ。これは、企業が自前で複雑な年齢確認システムを開発・運用する代わりに、専門の外部ベンダーのサービスを活用するという一般的なアプローチだ。KWSを利用することで、BlueskyはIDスキャンやクレジットカード情報を用いた確認など、複数の年齢確認手段をユーザーに提供できるようになる。システムエンジニアの視点で見ると、これはサードパーティ製のAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を自社サービスに組み込むという、よくある開発パターンに当たる。これにより、開発コストや運用負荷を抑えつつ、必要な機能を迅速に実装できるメリットがある。

ただし、年齢確認をしないとサービスが全く利用できなくなるわけではない。Blueskyの発表によると、年齢確認を行わなかったユーザーでも、サウスダコタ州やワイオミング州でBlueskyのサービス自体は引き続き利用できる。しかし、前述の通り、ダイレクトメッセージ機能や成人向けコンテンツへのアクセスといった特定の機能は制限されることになる。Blueskyは、このアプローチが「現状では適切なバランスを取っている」と考えていると説明しており、これはユーザーの利便性と法規制の遵守、そして企業の運営コストの間で最適な落としどころを探った結果と言えるだろう。

一方で、Blueskyは別の州であるミシシッピ州では異なる対応を取った。ミシシッピ州では、さらに厳しい年齢確認法が導入されており、年齢が確認されていないユーザーはサービス自体をブロックしなければならないという内容だった。Blueskyは、この法律に対応するために、サービス提供を一時的に停止するという選択をしたのだ。この背景には、サービス提供企業として重要な判断基準がある。Blueskyは、ミシシッピ州の法律に対応するために「多大なリソース投資が必要であり、それは言論の自由を制限し、小規模なプラットフォームに不均衡な害を与える」と考えている。つまり、法規制の遵守は重要だが、そのためにかかる開発コストやサービス運営上の哲学(言論の自由の維持など)とのバランスが取れないと判断した場合、サービス提供自体を断念するという決断も必要になることがある。現在、ミシシッピ州の法律については法的な異議申し立てが続いているため、Blueskyは解決するまでサービスを提供しない方針だ。

このニュースは、米国における年齢確認法の制定が加速している現状を示している。これまでに25もの州で、成人向けコンテンツへのアクセスに何らかの年齢確認を義務付ける法律が可決されており、さらに多くの州で同様の法案が審議中だ。Blueskyも、今後さらに多くの国や地域で同様の規制が導入されることを予測している。これは、ソーシャルメディアやその他のオンラインサービスを提供する企業にとって、単一のシステムでグローバルに展開することがますます難しくなることを意味している。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、この事例から学べることは多い。まず、法律や規制がITサービスの設計や開発に直接的な影響を与えることを理解しておく必要がある。新しい法律が施行されれば、既存のシステムに大規模な改修が必要になったり、新たな機能を追加したりしなければならない。次に、外部サービス(KWSのようなもの)の選定と統合のスキルも重要だ。自社で全てを開発するのではなく、最適な外部リソースを活用して効率的にシステムを構築する能力が求められる。また、企業のビジネス判断、特にコスト、ユーザー体験、そして倫理的な側面(言論の自由など)を考慮しながら技術的な解決策を提案する能力も、将来のシステムエンジニアには不可欠となるだろう。最後に、国際的な法規制の動向を常に把握し、将来のシステム拡張やローカライズに対応できる柔軟な設計を心がけることも重要だ。今回の顔スキャン機能に関する訂正のように、技術の利用可能性も地域によって異なる場合があるため、最新の情報を常に確認する習慣も身につけておきたい。

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