【ITニュース解説】Solution for “ChakraProvider's _config error” in React 19 + Chakra UI

2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「Solution for “ChakraProvider's _config error” in React 19 + Chakra UI」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

ReactとChakra UIの組み合わせで発生する_config errorは、バージョン非互換が原因。React 18とChakra UI v2に再インストールし、設定を修正することで解決する。新しいライブラリ導入時は、常に互換性確認が重要だ。

ITニュース解説

WebサイトやWebアプリケーションを開発する際、見た目の美しさや使いやすさは非常に重要だ。これを実現するために、プログラミングの分野では様々なツールやライブラリが利用される。ReactというJavaScriptのライブラリは、効率的にユーザーインターフェース(UI)を構築するための強力なツールの一つだ。また、Chakra UIは、Reactアプリケーションのデザインを簡単かつ一貫性のあるものにするためのUIコンポーネントライブラリとして広く使われている。これらのツールを組み合わせることで、開発者は素早く高品質なアプリケーションを作成できる。

しかし、これらの便利なツールも、その組み合わせ方によっては予期せぬ問題を引き起こすことがある。今回話題となっているのは、Reactの新しいバージョンであるReact 19と、Chakra UIを一緒に使おうとした際に発生する特定のエラーだ。具体的には、Chakra UIのコンポーネント、例えばシンプルなボタンを画面に表示しようとすると、「Uncaught TypeError: Cannot read properties of undefined (reading ‘_config’)」というエラーメッセージが表示され、アプリケーションが正常に動作しなくなるという問題だ。このエラーメッセージは、プログラムが「_config」というプロパティを読み込もうとしたが、そのプロパティが属するオブジェクトが「undefined」、つまり「何も定義されていない状態」であったことを示している。これは、Chakra UIが期待する設定情報や内部的なデータが正しく初期化されていない、あるいは見つからない場合に発生することが多い。

このようなエラーが起きる最も一般的な原因は、「バージョン非互換性」だ。ソフトウェア開発において、様々なライブラリやフレームワークは常に進化し、新しいバージョンがリリースされる。新しいバージョンでは機能が追加されたり、既存のコードが変更されたりするため、特定のライブラリが別のライブラリの特定のバージョンでしか正しく動作しないという状況がしばしば発生する。今回のケースでは、React 19とChakra UIの間の内部的な連携方法に何らかの食い違いが生じ、Chakra UIがReact 19の環境下で自身の設定情報「_config」を正しく取得できなかったことが原因だと考えられる。

この問題を解決するために、いくつかの手順を踏む必要がある。これは単にコードを修正するだけでなく、プロジェクトで利用するライブラリのバージョンを適切に管理することが重要だということを示している。

まず最初に行うべきは、現在プロジェクトにインストールされているReactやChakra UI、そして関連するライブラリ(@emotion/react, @emotion/styled, framer-motionなど)を一度すべて削除することだ。これはnpm uninstallというコマンドを使って実行する。例えば「npm uninstall react react-dom @chakra-ui/react @emotion/react @emotion/styled framer-motion」のように記述し、エンターキーを押すことで、指定されたパッケージがプロジェクトからきれいに取り除かれる。なぜ一度削除するのかというと、古いバージョンが残っていると、新しいバージョンをインストールした際に競合や混乱を引き起こす可能性があるためだ。クリーンな状態からやり直すことで、不必要な問題を避けることができる。

次に、ReactのバージョンをReact 18にダウングレードしてインストールする。React 19ではなくReact 18を選ぶのは、今回のエラーがReact 19との互換性の問題であるため、Chakra UIが安定して動作することが確認されているReact 18を使用するためだ。これは「npm install react@18 react-dom@18」というコマンドで実行する。ここで@18と指定することで、特定のバージョンを明示的にインストールできる。react-domもReact本体と密接に関連しているため、同じバージョンに揃えるのが一般的だ。

React 18がインストールされたら、Chakra UIのバージョン2をインストールする。具体的には「npm install @chakra-ui/react@2 @emotion/react@11 @emotion/styled@11 framer-motion@10」というコマンドを使用する。Chakra UIは、その内部でスタイルを適用するために@emotion/react@emotion/styledといったスタイリングライブラリを利用しており、アニメーションを実現するためにframer-motionといったライブラリにも依存している。これらの関連ライブラリも、Chakra UI v2と互換性のあるバージョン(ここではそれぞれ@11@10など)を合わせてインストールすることが重要だ。これにより、Chakra UIが期待するすべての依存関係が適切なバージョンで揃い、正しく機能する準備が整う。

アプリケーションのメインエントリポイントであるmain.tsxファイルを正しく設定することも不可欠だ。ここでは、Reactアプリケーションを起動するための基本的な設定と、Chakra UIをアプリケーション全体で利用可能にするためのChakraProviderの導入を行う。具体的には、createRoot(document.getElementById('root')!).render(...)というコードを使って、WebページのHTML要素にReactアプリケーションをマウントする。そして、その中に<ChakraProvider>コンポーネントを配置し、アプリケーションのメインコンポーネントである<App />をその子要素として含める。ChakraProviderでアプリケーション全体をラップすることで、Chakra UIのテーマ設定やスタイルがアプリケーション内のすべてのChakra UIコンポーネントに適用されるようになる。また、<StrictMode>は開発中に潜在的な問題を検出するためのReactの機能で、本番環境の動作には影響しないが、開発時の品質向上に役立つ。

最後に、アプリケーションのメインコンポーネントであるApp.tsxファイルでChakra UIのコンポーネントが正しく利用できるかを確認する。例えば、「import { Button } from '@chakra-ui/react'」のようにChakra UIからButtonコンポーネントをインポートし、<Button colorScheme="teal">Button</Button>のようにHTML要素として配置してみる。この時点でエラーが発生せず、指定したスタイルでボタンが画面に表示されれば、これまでの手順が正しく行われ、問題が解決されたことになる。

今回のエラー解決の経験は、システムエンジニアを目指す上で非常に重要な教訓を与えてくれる。それは、「バージョン非互換性」がいかに多くの問題の根源となり得るか、そしてそれを解決するためには、単にエラーメッセージを読んでコードを修正するだけでなく、プロジェクトの依存関係全体を俯瞰し、適切なバージョンの組み合わせを見つけるスキルが求められるということだ。新しいライブラリやフレームワークを導入する際には、常にその公式ドキュメントや互換性チャートを確認し、推奨される環境で利用することが、無用なトラブルを避け、スムーズな開発を進めるための鍵となる。

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