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【ITニュース解説】C言語向けライブラリ「cJSON」に脆弱性 - 重要度「クリティカル」

2025年09月08日に「セキュリティNEXT」が公開したITニュース「C言語向けライブラリ「cJSON」に脆弱性 - 重要度「クリティカル」」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

C言語でJSONデータを扱うライブラリ「cJSON」に、最も危険度が高い「クリティカル」と評価される脆弱性が発見された。開発元は既に修正パッチを公開しており、次期バージョンで解消される見込み。利用者は速やかな対応が必要だ。(118文字)

ITニュース解説

C言語で開発されたプログラムにおいて、広く利用されている「cJSON」というライブラリに、セキュリティ上の重大な問題、すなわち脆弱性が発見された。この脆弱性の深刻度は、最も高いレベルである「クリティカル」と評価されており、迅速な対応が求められている。このニュースを理解するために、まずは関連する技術要素から順を追って解説する。

プログラミング言語の一つであるC言語は、コンピュータのハードウェアに近いレベルでの操作が可能で、処理速度が速いという特徴を持つ。そのため、オペレーティングシステム(OS)や、家電製品などに組み込まれるソフトウェア(組み込みシステム)など、高いパフォーマンスが要求される分野で長年にわたり使用されてきた。システム開発を行う際、開発者はすべての機能をゼロから作るわけではない。多くの場面で「ライブラリ」と呼ばれる、よく使われる機能をまとめたプログラムの部品集を利用する。ライブラリを使うことで、複雑な処理を自分で実装する必要がなくなり、開発の効率を大幅に向上させることができる。

今回のニュースで話題となっている「cJSON」も、そうしたライブラリの一つだ。cJSONは、C言語で「JSON」というデータ形式を扱うために作られている。JSON(JavaScript Object Notation)は、現代のWebサービスやアプリケーションにおいて、サーバーとクライアント間でデータをやり取りする際に標準的に用いられるテキストベースのデータフォーマットである。例えば、スマートフォンのアプリがサーバーから天気予報の情報を取得する際、そのデータはJSON形式で送られてくることが多い。JSONは人間にとっても読み書きがしやすく、プログラムでも扱いやすいという利点がある。プログラムがこのJSON形式のテキストデータを読み込み、内部で利用できるデータ構造に変換する処理を「解析(パース)」と呼ぶ。cJSONライブラリは、このJSONデータの解析や生成といった面倒な処理を、C言語で簡単に行えるようにする機能を提供している。

ここで本題の「脆弱性」について説明する。脆弱性とは、ソフトウェアの設計上の不備やプログラムのバグに起因する、セキュリティ上の弱点のことである。攻撃者はこの弱点を悪用して、プログラムを異常終了させたり、意図しない動作をさせたり、さらにはシステムを乗っ取って内部の情報を盗み出したりする。今回のcJSONの脆弱性は、その深刻度を示す指標で最も高い「クリティカル」と評価された。これは、この脆弱性が比較的容易に悪用可能であり、かつ悪用された場合の影響が、システムの完全な制御を奪われる、機密情報が漏洩するなど、極めて甚大であることを意味する。具体的には、cJSONが不正な形式で作られたJSONデータを解析しようとした際に問題が発生し、メモリの不正な領域を書き換えるなどの危険な状態に陥る可能性がある。これにより、攻撃者が用意した悪意のあるコードが実行されてしまう事態も想定される。

cJSONは多くのソフトウェアや組み込み機器で利用されているため、この脆弱性の影響範囲は広いと考えられる。もし、あなたが開発しているシステムでcJSONを利用している場合、ただちに確認と対策が必要となる。幸いなことに、この脆弱性はすでに開発者コミュニティによって認識されており、対策が進められている。具体的には、問題点を修正するための「修正パッチ」が公開されている。パッチとは、ソフトウェアの一部分だけを更新して、バグや脆弱性を修正するためのデータのことだ。開発者は、cJSONのソースコードが管理されているリポジトリ(保管場所)からこのパッチを入手し、自身のプロジェクトに適用することで、脆弱性の問題を解消できる。また、この修正はcJSONの次期バージョンにも正式に取り込まれる予定であるため、新しいバージョンがリリースされた際には、速やかにアップデートすることが推奨される。

この一連の出来事は、システムエンジニアを目指す上で重要な教訓を含んでいる。ライブラリは開発を加速させる強力なツールだが、それは同時に、他者が作成したコードに依存することも意味する。利用しているライブラリに脆弱性が発見された場合、それは自身が開発するシステムの脆弱性にも直結する。したがって、システム開発者は、自分がどのようなライブラリを利用しているかを正確に把握し、それらのライブラリに関するセキュリティ情報を日頃から収集し続ける必要がある。そして、脆弱性が報告された際には、その内容と深刻度を理解し、迅速かつ適切に対応する能力が求められる。安全なシステムを構築し、維持していくためには、プログラミング技術だけでなく、こうしたセキュリティに対する意識と知識が不可欠なのである。

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