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【ITニュース解説】コンテナに関する技術体系を役割分担してみた。

2025年09月11日に「Qiita」が公開したITニュース「コンテナに関する技術体系を役割分担してみた。」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

コンテナ技術の担当範囲を巡り、インフラエンジニアとアプリケーションエンジニア間で認識のずれがある。アプリエンジニアはコンテナをインフラ基盤の持ち物だと捉える。この課題を背景に、コンテナに関する技術体系とその役割分担について解説する。

ITニュース解説

コンテナ技術は、アプリケーション開発の世界に大きな変革をもたらしている。この技術は、アプリケーションとその動作に必要なすべての要素(コード、ランタイム、システムツール、ライブラリなど)を一つの軽量な「箱」(コンテナ)にまとめ、分離して実行する仕組みを提供する。従来の仮想マシンと比べて、コンテナはOSのカーネルをホストOSと共有するため、起動が高速で、リソース消費も少ないという特徴がある。これにより、開発環境、テスト環境、本番環境など、どのような環境でも同じようにアプリケーションが動作することを保証し、開発者は「自分の環境では動いたのに」といった問題を減らせる。

しかし、このコンテナ技術の導入が進む中で、開発を担うアプリケーションエンジニアと、システム基盤を構築・運用するインフラエンジニアとの間で、コンテナに対する認識や責任範囲にずれが生じることがある。アプリケーションエンジニアは、アプリケーションの機能開発に注力し、コンテナをアプリケーションを実行するための環境と捉えがちである。一方、インフラエンジニアは、多数のコンテナを安定して効率的に動かすための基盤そのものに責任を持つため、コンテナを「基盤の持ち物」と考える傾向がある。このような認識のギャップは、プロジェクトの進行を妨げたり、問題発生時の責任の所在を不明確にしたりする原因となる。

そこで重要になるのが、コンテナに関する技術体系と役割分担を明確にすることだ。コンテナ技術は、その性質上、アプリケーションとインフラの両方にまたがるため、それぞれの専門家が協力し、責任範囲を明確にすることが成功の鍵となる。

まず、アプリケーションエンジニアの主な役割は、アプリケーション自体の開発と、それをコンテナ化するための設計にある。具体的には、プログラミング言語でアプリケーションのソースコードを書き、そのアプリケーションをコンテナイメージとして作成するための「Dockerfile」を記述する。Dockerfileには、どのOSイメージをベースにするか、必要なライブラリやミドルウェアをどうインストールするか、そしてアプリケーションをどのように起動するかといった、コンテナの構成情報が詳細に記される。このDockerfileに基づいてコンテナイメージをビルドし、自身の開発環境でアプリケーションがコンテナとして問題なく動作するかを確認する。

次に、インフラエンジニアの主な役割は、コンテナ化されたアプリケーションを本番環境で安定して動かすための「コンテナ基盤」の構築と運用だ。これには、大量のコンテナを効率的に管理・実行するための「コンテナオーケストレーションツール」であるKubernetes(クバネティス)などの導入と運用が含まれる。インフラエンジニアは、コンテナ同士や外部サービスとの通信を可能にするためのネットワークの設計と管理、コンテナがデータを永続的に保存するためのストレージ(永続ボリュームなど)の管理も行う。さらに、システム全体の健全性を保つための監視システムの構築、アプリケーションや基盤からのログを収集・分析する仕組みの整備、そして基盤全体のセキュリティ対策も重要な責任範囲となる。

しかし、コンテナ技術にはアプリケーションエンジニアとインフラエンジニアが協力して取り組むべき領域も存在する。その一つが「コンテナイメージの管理」だ。アプリケーションエンジニアが作成したコンテナイメージは、通常、「コンテナレジストリ」(Docker HubやAmazon ECRなど)と呼ばれる共有のリポジトリに登録される。この際、イメージにセキュリティ上の脆弱性がないかをスキャンしたり、適切なバージョン管理を行ったりするプロセスは、両者が協力して設計・運用する必要がある。

もう一つ重要なのが「CI/CDパイプライン」の構築と運用だ。CI/CDとは、継続的インテグレーション(Continuous Integration)と継続的デリバリー(Continuous Delivery)の略で、コードの変更が自動的にコンテナイメージのビルド、テスト、そして本番環境へのデプロイへと繋がる一連の自動化されたプロセスを指す。このパイプラインを構築することで、開発者は迅速かつ頻繁に新しい機能や修正をリリースでき、運用の手間も削減される。このCI/CDパイプラインは、アプリケーションのコード変更をトリガーとするため、アプリケーションエンジニアの知識が必要であり、そのデプロイ先はインフラ基盤であるため、インフラエンジニアの知識も不可欠となる。つまり、両者が密接に連携し、それぞれの専門知識を持ち寄ることで、初めて効率的で信頼性の高いパイプラインが実現できるのだ。

このような役割分担を明確にすることは、いくつかの大きなメリットをもたらす。一つは、それぞれのエンジニアが自身の専門領域に集中し、より高品質な成果物を生み出せること。もう一つは、問題が発生した際に、どの部分に原因があり、誰が責任を持って対処すべきかが明確になるため、迅速な問題解決に繋がることだ。これは、開発(Dev)と運用(Ops)が協力してシステムを改善していく「DevOps」という考え方にも通じる。

コンテナ技術は、現代のソフトウェア開発と運用において避けて通れない重要な技術となっている。システムエンジニアを目指す初心者にとって、コンテナとは何かを理解するだけでなく、その技術を支える開発者と運用者のそれぞれの役割と、両者の効果的な連携の重要性を学ぶことは、将来のキャリアにおいて非常に価値のある知識となるだろう。

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