【ITニュース解説】How Async/Await Really Works in C# : A Beginner-Friendly Guide

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「How Async/Await Really Works in C# : A Beginner-Friendly Guide」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

C#のasync/awaitは、時間のかかる処理中にアプリがフリーズするのを防ぐ仕組みだ。asyncを付けたメソッド内でawaitを使うと、処理の完了を待つ間スレッドをブロックせず、他の作業を続けられる。これにより応答性が向上する。

ITニュース解説

C#で記述されたプログラムは、基本的にはコードの上から下へ一行ずつ順番に実行される。この逐次的な実行方式は同期処理と呼ばれる。例えば、データを取得し、それを加工し、結果を表示するという一連の処理がある場合、最初のデータ取得が完了するまで、次のデータ加工の処理は開始されない。この方法は処理の流れが直線的で理解しやすい一方、大きな欠点を抱えている。それは、時間のかかる処理が存在すると、プログラム全体がその処理の完了を待って停止してしまう点だ。もしデータ取得に数秒を要するネットワーク通信が発生した場合、アプリケーションはその間、ユーザーからの入力に応答できなくなり、画面が固まったかのようなフリーズ状態に陥る。これはユーザー体験を著しく損なう原因となる。

この同期処理が持つ問題を解決するために非同期プログラミングという手法が用いられる。非同期プログラミングは、時間のかかる処理をバックグラウンドで実行させ、その完了を待たずにメインの処理フローを続行することを可能にする。これは、重い作業を誰かに依頼しておき、「完了したら報告してください」と伝えた後、自分はすぐに別の作業に取りかかる様子に似ている。この仕組みにより、データベースへのアクセスや外部APIの呼び出し、ファイルへの書き込みといった時間のかかる操作の最中でも、アプリケーションは応答性を維持し、ユーザーの操作を受け付け続けることができる。結果として、アプリケーション全体のパフォーマンスと操作性が大きく向上する。

C#において非同期処理を実現する中心的な概念がTaskオブジェクトである。Taskは、未来のある時点で完了する非同期の操作そのものを表すオブジェクトと考えることができる。具体的には、Task<T>という形式は、将来的にT型の値を結果として返す操作を示し、例えばTask<int>であれば、いずれint型の整数値が得られることを約束する。一方で、型引数を持たないTaskは、特定の結果は返さないものの、ある処理が将来完了することを保証する。非同期のメソッドを呼び出すと、処理の最終結果が直接返されるのではなく、このTaskオブジェクトが即座に返却される。このTaskを介して、処理がまだ実行中なのか、完了したのか、あるいはエラーで失敗したのかといった状態を把握し、完了後に結果を取得することが可能になる。

このTaskを用いた非同期プログラミングを、より直感的かつ簡潔に記述するために導入されたのがasyncawaitという二つのキーワードである。asyncキーワードはメソッドのシグネチャに付与し、そのメソッドが非同期処理を含み、内部でawaitキーワードを使用することを示す目印となる。asyncを付けたからといって、メソッド全体が自動的に別スレッドで実行されるわけではなく、あくまでawaitを有効化するための前提条件と理解するのが正しい。非同期処理の挙動を制御する核心的な役割を担うのがawaitキーワードである。awaitTaskオブジェクトに対して使用され、「このTaskが完了するまで、メソッドの実行をこの場で一時停止する」ことを指示する。ここでの最も重要な点は、awaitがスレッドを占有して停止(ブロック)させるのではないという事実だ。awaitは実行を一時中断すると、スレッドの制御を即座に呼び出し元に返し、スレッドを解放する。これにより、待機時間中にスレッドはUIの更新や他のバックグラウンド処理など、別の作業を自由に実行できる。そして、待機していたTaskが完了すると、中断した処理がawaitの次の行から自動的に再開される。この仕組みのおかげで、開発者は複雑なコールバック処理を記述することなく、まるで同期処理のように上から下へと流れる自然な形で非同期コードを書くことができる。

非同期プログラミングを学ぶ上で多くの初学者が直面する混乱の一つに、async/awaitとスレッドの関係がある。「async/awaitは新しいスレッドを生成するのか」という問いに対する答えは、明確に「直接的には生成しない」である。async/awaitの主目的は、マルチスレッディングではなく、スレッドのブロッキングを回避してリソースを効率的に利用することにある。特に、ファイルアクセスやネットワーク通信といったI/O関連の処理は、その処理時間の大半がデータの到着を待つ待機時間で占められる。このような待機中にスレッドを一つ占有し続けるのは、CPUリソースの無駄遣いとなる。async/awaitを用いた非同期I/O操作は、OSレベルの機能を活用し、待機中はスレッドを完全に解放する。これにより、限られた数のスレッドで非常に多くのI/O処理を並行して捌くことが可能になり、アプリケーション全体のスループットが向上する。もしCPUを集中的に使用する重い計算処理を非同期で行いたい場合は、Task.Run()のように明示的に別スレッドでの実行を指示する必要がある。async/awaitは、主にI/O処理のように待機時間が長い操作において、アプリケーションの応答性を維持するための強力な仕組みなのである。