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【ITニュース解説】Delphi 13 Florence Released

2025年09月11日に「Hacker News」が公開したITニュース「Delphi 13 Florence Released」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

「Delphi 13 Florence」の提供が始まった。これは、WindowsやMac、スマホ向けアプリを効率的に開発できるプログラミングツール「RAD Studio」の最新バージョンである。

出典: Delphi 13 Florence Released | Hacker News公開日:

ITニュース解説

Embarcadero社が、アプリケーション開発環境の最新版「RAD Studio 13 Florence」をリリースした。このリリースには、Delphi 13とC++Builder 13が含まれており、特にシステムエンジニアを目指す初心者にとって、現代のソフトウェア開発のトレンドと、それに対応するツールの進化を理解する上で非常に重要な情報である。

RAD Studioは、Windows、macOS、iOS、Android、Linuxといった様々なOSで動作するアプリケーションを効率的に開発するための統合開発環境(IDE)である。Delphiは、その中で使われるプログラミング言語の一つであり、特にビジュアルプログラミングに強く、画面のデザインとコードの記述を同時に進めやすい特徴を持つ。これにより、初心者でも直感的にアプリケーション開発に取り組める点が魅力だ。今回のFlorenceリリースは、開発体験の向上と、作成されるアプリケーションの性能・見た目の進化に重点が置かれている。

まず、開発環境自体の使いやすさ、つまりIDEの品質と安定性が大きく向上した点が挙げられる。システムエンジニアにとって、日々の開発作業を効率的に進める上で、安定していてスムーズに動作するIDEは不可欠である。今回のリリースでは、開発者が遭遇する可能性のある様々な問題が修正され、より快適な開発環境が提供されるようになった。特に、コード補完やエラーチェックといった、開発者のコーディングを支援する「Code Insight」機能が改善されたことは大きい。これは、LSP(Language Server Protocol)という仕組みの進化によるもので、コードを書く際に適切な候補を素早く提示したり、記述ミスをリアルタイムで指摘したりする能力が向上した。これにより、初心者はもちろんのこと、熟練の開発者もコードをより迅速かつ正確に記述できるようになり、開発時間の短縮とバグの削減に貢献する。

次に、アプリケーションの見た目や動作を司るUIフレームワークの進化が注目される。RAD Studioは、大きく分けて二つのUIフレームワークを提供する。一つはWindowsアプリケーション専用の「VCL(Visual Component Library)」、もう一つはWindowsだけでなくmacOS、iOS、Android、Linuxといった複数のプラットフォームに対応する「FireMonkey(FMX)」である。

FireMonkeyフレームワークは、今回のリリースで「Skia」という高性能なグラフィックライブラリとの統合が強化された。Skiaは、Google ChromeやAndroidなどの主要なソフトウェアでも使われている描画エンジンであり、これを取り込むことで、FireMonkeyで作成されたアプリケーションの描画性能が大幅に向上する。具体的には、より滑らかで美しいアニメーションや、複雑なグラフィック表現が実現可能になる。これは、特にスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで魅力的なユーザーインターフェースを持つアプリケーションを開発する上で非常に重要である。また、様々な画面解像度に対応するための「高DPI対応」も強化され、Retinaディスプレイのような高精細なモニターでもアプリケーションが美しく表示されるようになった。これにより、開発者はデバイスの種類を気にすることなく、一貫した高品質なユーザーエクスペリエンスを提供できる。

Windowsアプリケーション専用のVCLフレームワークも、最新のWindows環境への対応が強化された。Windows 11の登場により、アプリケーションの見た目や動作には、新しいOSのガイドラインに沿うことが求められる。Delphi 13では、Windows 11の視覚スタイルに合わせたコンポーネントの改善や、Per-Monitor V2と呼ばれる高DPI対応の仕組みが強化された。これにより、複数のモニターを接続した環境で、それぞれのモニターの解像度に合わせてアプリケーションの表示が自動的に最適化されるようになる。また、最新のWebコンテンツを表示するための「WebView2」コンポーネントも改善され、モダンなWeb技術を活用した機能を持つWindowsアプリケーションを開発しやすくなった。これは、アプリケーション内でWebブラウザの機能を使いたい場合に、より高い互換性とセキュリティを提供する。

さらに、アプリケーションがデータベースと連携する際に使われる「FireDAC」というデータアクセスライブラリも改良された。FireDACは、様々な種類のデータベース(SQL Server、Oracle、MySQLなど)に接続し、データの読み書きを行うための重要なコンポーネント群である。今回の改善により、パフォーマンスが向上し、より多くのデータベースシステムとの互換性が強化された。システムエンジニアにとって、データを扱う能力は非常に重要であり、FireDACの強化は、より堅牢で高速なデータ駆動型アプリケーションを開発するための基盤を提供する。

その他の改善点として、リモートデスクトップ環境(RDP)でのIDEの利用体験の向上が挙げられる。近年、リモートワークが普及する中で、開発者が物理的に離れた場所にある開発用PCにRDPで接続して作業するケースが増えている。今回のリリースでは、RDP経由でのIDEの動作がよりスムーズになり、リモート環境でも快適に開発作業を進められるようになった。

Embarcaderoは、開発者コミュニティからのフィードバックを積極的に取り入れ、今回のRAD Studio 13 Florenceリリースを実現した。これは、ソフトウェア開発ツールが常に進化し、ユーザーのニーズに応え続ける必要があることを示している。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このような最新の開発環境を学ぶことは、将来のキャリアにおいて大きな強みとなるだろう。Delphiは、その学習のしやすさと、Windowsからモバイル、Webまで幅広いプラットフォームに対応できる柔軟性により、現代の多様なアプリケーション開発において強力な選択肢となる。今回のリリースは、Delphiを使うことで、より高性能で、より使いやすく、より見た目の良いアプリケーションを効率的に開発できることを改めて示している。この進化は、開発者の生産性を高め、最終的にはより高品質なソフトウェアが社会に提供されることに繋がる。

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