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【ITニュース解説】Devlog #1: Building a FPS Controller in Unity

2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Devlog #1: Building a FPS Controller in Unity」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ゲーム開発者がUnityでタクティカルFPSゲーム「Operation: Silent Echo」を制作中。人気FPSに触発され、短い体験版で戦術FPSの核心を表現する。プロジェクトは、プレイヤー操作、武器システム、敵AI、レベル設計、最終仕上げの5モジュールに分割。まずは、基本となるプレイヤーコントローラーの構築に注力する。

出典: Devlog #1: Building a FPS Controller in Unity | Dev.to公開日:

ITニュース解説

ある開発者が、ゲーム開発を通じてシステムエンジニアリングの基礎を学ぼうとしている興味深いニュースがある。この開発者はAryanといい、Unityというゲーム開発ツールを使って、タクティカルFPS(ファーストパーソンシューター、つまり一人称視点のシューティングゲーム)「Operation: Silent Echo」という新しいプロジェクトに取り組んでいる。このプロジェクトは、人気の高いFar CryやCall of Dutyといったゲームに触発されたものだ。

しかし、Aryanの目標は、最初から完全なゲームを作り上げることではない。彼が目指しているのは「垂直スライス」と呼ばれる、ごく短い、約5〜10分の体験版のようなものだ。これは、ゲームの核となる要素を凝縮し、その面白さや技術的な実現可能性を評価するための手法である。システム開発の文脈で言えば、これは「MVP(Minimum Viable Product、実用最小限の製品)」の考え方に非常に近い。最初からすべての機能を盛り込むのではなく、最も重要な機能だけを実装したプロトタイプを短期間で作り上げ、それに対するフィードバックを得ることで、今後の開発の方向性を定めていくというアプローチだ。これにより、無駄な開発を避け、効率的にプロジェクトを進めることができる。

Aryanは、このプロジェクトをより管理しやすく、段階的に開発を進められるように、五つの主要な「モジュール」に分割した。システム開発においても、大規模なシステムは一度に全てを開発するのではなく、機能や役割に応じて小さな部品(モジュール)に分割して開発するのが一般的だ。こうすることで、各モジュールの開発を並行して進めたり、問題が発生した際に原因を特定しやすくなったりする。この考え方は、どんなシステム開発プロジェクトにおいても非常に重要だ。

彼のプロジェクトの五つのモジュールは以下の通りだ。

一つ目は「The Agent(エージェント)」。これは、プレイヤーがゲーム内で自分自身として操作するキャラクター、つまり「FPSコントローラー」を構築する部分だ。具体的には、プレイヤーの滑らかな移動、マウス操作によるカメラの視点制御、そしてゲーム内のオブジェクトとのインタラクション(相互作用)といった、基本的な操作感を実装する。システムエンジニアリングの観点から見ると、これは「ユーザーインターフェース(UI)」や「入力処理」を司る部分に相当する。ユーザーがシステムを操作するための最も基本的な仕組みであり、これが使いやすくなければ、どんなに優れた機能があってもユーザーは満足できないだろう。

二つ目は「The Arsenal(アーセナル)」。これは、武器システムを実装するモジュールだ。銃の発射、弾薬の管理、リロードといった、武器に関するあらゆる機能が含まれる。どのような種類の武器があり、それぞれがどのような特性(ダメージ、発射速度、弾数など)を持つのか、そしてそれらがどのように動作するのかを定義し、制御する。これはシステム開発における「ビジネスロジック」や「データ管理」に例えられる。システムの核心的な機能や、それらを動かすためのルール、そして関連するデータを扱う部分だからだ。

三つ目は「The Opposition(オポジション)」。これは、敵のAI(人工知能)を作成するモジュールだ。敵キャラクターがゲーム内でどのように振る舞うかをプログラムで定義する。例えば、特定のルートを巡回する、プレイヤーを発見したら追跡する、そしてプレイヤーと交戦するといった一連の行動パターンを設計する。これはシステム開発における「アルゴリズム設計」や「自動化処理」に相当する。特定の条件に基づいてシステムが自律的に判断し、行動を起こす部分であり、そのロジックをいかに効率的かつ賢く設計するかが重要となる。

四つ目は「The Outpost(アウトポスト)」。これは、ゲームの舞台となる雪に覆われたレベル(ステージ)をデザインし、ミッションの流れを管理する「GameManager(ゲームマネージャー)」を構築するモジュールだ。レベルデザインは、プレイヤーがどのようにゲームを進めるか、どこに障害物や敵を配置するかといった、ゲームの世界全体の構造を設計する作業だ。GameManagerは、ゲーム全体の進行を管理する司令塔のようなプログラムで、ゲームの状態(ゲーム中、一時停止、ゲームオーバーなど)の切り替え、スコアの管理、イベントのトリガー発動などを統括する。これはシステム開発における「全体制御モジュール」や「状態管理システム」に例えられる。システムの各コンポーネントがどのように連携し、どのような順番で処理が進むかを管理する非常に重要な役割を担う。

五つ目は「The Polish(ポリッシュ)」。これは、最終的な仕上げを行うモジュールだ。キャラクターのアニメーションを滑らかにしたり、VFX(視覚効果、例えば爆発や炎の表現)を追加したり、効果音やBGMといったサウンドを実装したり、ポストプロセス(画面全体の色彩や明るさを調整して雰囲気を出す処理)を適用したりする。これらはすべて、ゲームの見た目や手触りをプロフェッショナルなものにし、プレイヤーの没入感を高めるための要素だ。システム開発においては、「UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)デザインの洗練」や「パフォーマンスチューニング」、そして「品質保証」といった工程に相当する。ユーザーがシステムをより快適に、魅力的に感じられるようにするための最終調整であり、製品の品質を決定づける重要な作業である。

Aryanは、次の開発アップデートでは、最初のモジュールである「The Agent」に集中する予定だという。これは賢明な判断だ。なぜなら、プレイヤーの基本的な移動や視点操作といった「触り心地」が悪いと、どんなに素晴らしい武器や敵が登場しても、ゲーム全体の楽しさが損なわれてしまうからだ。システム開発においても、ユーザーが直接触れる部分の基盤をしっかりと作り込み、安定させることは何よりも重要である。土台がしっかりしていれば、その上にどんなに複雑な機能やデザインを積み重ねても、全体として安定したシステムを構築できる。

このように、ゲーム開発という一見すると異なる分野のプロジェクトでも、システム開発におけるモジュール分割、段階的な開発、ユーザー体験の重視といった基本的な考え方が共通していることがわかる。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、ゲーム開発の事例は、複雑な問題を分解し、計画的に解決していくための貴重な学びの機会となるだろう。

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