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【ITニュース解説】Fartscroll-Lid: An app that plays fart sounds when opening or closing a MacBook

2025年09月12日に「Hacker News」が公開したITニュース「Fartscroll-Lid: An app that plays fart sounds when opening or closing a MacBook」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

「Fartscroll-Lid」は、MacBookの蓋を開け閉めする際にオナラの音を再生するアプリだ。Macの開閉イベントに反応して動作するシンプルなプログラムとしてGitHubで公開されている。

ITニュース解説

「Fartscroll-Lid」は、MacBookの蓋を開けたり閉じたりするたびにおならの音を再生するという、非常にユニークな機能を持つアプリである。一見すると単なる冗談のようなアプリに思えるかもしれないが、システムエンジニアを目指す初心者にとって、このアプリの仕組みや開発背景は、ソフトウェア開発の基本的な考え方や技術の利用方法を理解する上で多くの示唆を与えてくれる。

まず、このアプリがどのように動作するのかを具体的に見ていこう。Fartscroll-Lidは、MacBook本体に内蔵されているセンサーが蓋の開閉を検知した際に、その情報をオペレーティングシステムであるmacOSが受け取るという仕組みを利用している。アプリは、このmacOSが発する「蓋が開いた」「蓋が閉じた」といった特定の「イベント」を常に監視しているのだ。そして、これらのイベントが発生したことを検知すると、あらかじめアプリ内に用意されているおならの音のファイルを読み込み、MacBookのスピーカーから再生するという「アクション」を実行する。

この一連の動作には、ソフトウェア開発におけるいくつかの重要な概念が隠されている。一つ目は「イベントドリブンプログラミング」という考え方だ。これは、特定の「イベント」(例:マウスのクリック、キーボードの入力、センサーの反応など)が発生したときに、それに対応する処理を実行するというプログラミングのスタイルを指す。Fartscroll-Lidの場合、MacBookの蓋の開閉という物理的なイベントがトリガーとなって、サウンド再生という処理が実行される。このイベントドリブンプログラミングは、現代のほとんどのアプリケーション開発において基本的な考え方となっている。

二つ目は「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の利用である。開発者は、MacBookの蓋の開閉を直接ハードウェアのレベルで制御したり、センサーの信号を読み取ったりする必要はない。macOSが提供するAPIを利用することで、「蓋が開いた」「蓋が閉じた」といったOSレベルのイベント情報に簡単にアクセスできる。APIは、オペレーティングシステムや他のソフトウェアが提供する機能を、開発者が自分のプログラムから簡単かつ安全に利用できるようにするための「窓口」や「規約」のようなものだ。これにより、開発者は複雑な低レベルの処理を意識することなく、自分のアプリケーションのコア機能開発に集中できる。Fartscroll-Lidも、サウンドの再生においてmacOSの音声再生APIを利用していると考えられ、プログラミングにおいてAPIがいかに重要であるかを示している。

三つ目は「ファイルの読み込みと再生」の仕組みだ。アプリは、おならの音のデータが保存されているファイル(通常はMP3やWAVのような音声ファイル形式)を、コンピュータのストレージからメモリに読み込む。そして、そのデータをAPIを通じて音声出力デバイス(スピーカー)に送り、音として再生する。このプロセスも、ファイルシステムへのアクセスやメディア再生といったOSの基本的な機能を利用している。

Fartscroll-Lidは、単なるユーモラスなアプリに見えるかもしれないが、システムエンジニアの仕事の根本にある考え方を凝縮している。システムエンジニアは、ユーザーの「こうしたい」「こうあるべきだ」という要望や要件を、コンピュータ上で実現可能な具体的な機能へと変換し、それを設計し、コードとして実装する。このアプリの場合、「MacBookの蓋を開閉したら面白い音を鳴らしたい」というシンプルなアイデアを、イベント検知、API利用、サウンド再生という一連の技術要素を組み合わせて実現している。

また、このアプリがGitHubで公開されているという点も重要だ。GitHubは、ソフトウェアのソースコードを管理し、共有するためのプラットフォームであり、多くの「オープンソース」プロジェクトがそこで開発されている。オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードが一般に公開されており、誰でも自由にそのコードを閲覧、利用、改変、再配布できるという開発モデルを指す。Fartscroll-Lidのようなオープンソースプロジェクトは、システムエンジニアを目指す初心者にとって、実際のコードがどのように書かれているのかを学び、既存のプロジェクトに貢献したり、自分なりの改善を加えたりする絶好の学習機会となる。他人の書いたコードを読むことで、プログラミングの様々なパターンやベストプラクティスを学ぶことができる。

このように、Fartscroll-Lidは、その機能の面白さだけでなく、ソフトウェアがどのように動作し、どのように開発されるのかという技術的な側面、そしてオープンソースという開発文化の一端を学ぶ上で、非常に興味深い教材となる。システムエンジニアの仕事は、必ずしも大規模で複雑なシステムばかりを扱うわけではない。時には、このような遊び心のあるアイデアを形にすることも、技術の楽しさや創造性を実感する良い機会となるのだ。プログラミングの奥深さと可能性は、どんな小さなアイデアからでも広がっていくことを、このアプリは教えてくれる。

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