【ITニュース解説】Javaフレームワーク(Jakarta EE、Springなど)まとめ【2025年8月時点】

2025年09月08日に「Qiita」が公開したITニュース「Javaフレームワーク(Jakarta EE、Springなど)まとめ【2025年8月時点】」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Javaの主要フレームワーク「Jakarta EE」と「Spring」を解説する記事。長年Jakarta EE製品開発に関わった筆者が、両者の特徴や現状を比較しまとめている。Javaでのシステム開発におけるフレームワーク選定の参考になる。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、Javaというプログラミング言語が非常に重要であることは多くの人が知っているだろう。Javaは大規模な業務システムからWebアプリケーション、モバイルアプリケーションまで、幅広い分野で活用されている。しかし、Javaを使ってゼロからすべての機能を作り上げるのは途方もない作業であり、効率的ではない。そこで登場するのが「フレームワーク」だ。フレームワークは、アプリケーション開発に必要な共通の機能や構造をあらかじめ提供してくれる、いわば開発のための土台や骨組みのようなものだ。これを利用することで、開発者は共通部分の実装に時間を取られることなく、アプリケーション独自のビジネスロジックに集中できるため、開発期間の短縮や品質の向上につながる。

Javaの世界には、代表的なフレームワークがいくつか存在する。その中でも特に重要なのが、「Jakarta EE(ジャカルタ イーイー)」と「Spring Framework(スプリング フレームワーク)、特にSpring Boot(スプリング ブート)」だ。

まず、Jakarta EEについて説明する。これはかつてJ2EE(ジェイツーイーイー)という名称で知られていた、エンタープライズシステム開発のための標準規格だ。エンタープライズシステムとは、企業が事業活動を行う上で基幹となる大規模な情報システムを指し、高い信頼性、堅牢性、拡張性が求められる。Jakarta EEは、このような複雑で大規模なシステムをJavaで効率的に開発するための様々な仕様を定義している。例えば、データベースへのアクセス方法、Webページの作成、セキュリティ機能、トランザクション管理といった、多くの企業システムで共通して必要とされる機能の作り方に関するルールやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が標準化されているのだ。これにより、異なるベンダーの製品を組み合わせても互換性が保たれやすく、開発者は特定の製品に縛られずにシステムを構築できるメリットがある。 筆者は2000年頃から、このJakarta EE(当時のJ2EE)に対応した富士通のアプリケーションサーバ製品の開発に長年携わってきたと述べている。アプリケーションサーバとは、Jakarta EEの仕様に基づいて、Webアプリケーションやビジネスロジックを実行するための基盤を提供するソフトウェアであり、多くの企業システムで中心的な役割を担っている。この経験からもわかるように、Jakarta EEは日本の多くの企業システムで長らく採用され、実績を積み重ねてきた歴史を持つ、非常に重要な技術基盤なのだ。

一方、Spring FrameworkとSpring Bootは、Jakarta EEとは異なるアプローチでJava開発を革新してきたフレームワークである。Spring Frameworkは、POJO(Plain Old Java Object)と呼ばれる、特定のフレームワークに依存しないシンプルなJavaオブジェクトを使い、柔軟かつ強力なアプリケーションを開発できることを特徴とする。特に「DI(Dependency Injection:依存性注入)」という考え方を採用し、コンポーネント間の結びつきを疎にすることで、テストしやすく、保守しやすいコードの実現を支援する。 そして、Spring BootはSpring Frameworkをさらに進化させ、より迅速なアプリケーション開発を可能にするために生まれた。Spring Bootの最大の特徴は、「設定より規約」という思想に基づき、開発者が複雑な設定ファイルを作成する手間を大幅に削減してくれる点にある。ほとんどの設定が自動的に行われるため、開発者は数行のコードを書くだけでWebアプリケーションを起動し、すぐにビジネスロジックの実装に取り掛かれる。これは、特に小規模から中規模のアプリケーションや、マイクロサービスアーキテクチャのような、素早い開発サイクルが求められる現代の開発トレンドと非常に相性が良い。

これら二つのフレームワークは、Java開発の異なる側面に対応してきたと言えるだろう。Jakarta EEは、強固な標準と大規模なエンタープライズシステム向けのフル機能を追求してきた。対してSpring Framework、特にSpring Bootは、開発者の生産性を最大化し、より柔軟で迅速なアプリケーション開発を可能にすることを目指してきた。 近年、国内の技術者の間でもSpring Bootに対する関心が高まっていると筆者は指摘している。これは、クラウドネイティブな開発、マイクロサービス化の潮流、そして迅速なプロトタイピングやリリースサイクルが求められるビジネス環境の変化が背景にあると考えられる。Spring Bootは、これらの現代的な開発ニーズにマッチする特徴を多く持っているため、急速に普及が進んでいるのだ。

しかし、どちらか一方が優れているという単純な話ではない。Jakarta EEも進化を続けており、クラウド環境への適応やマイクロサービスへの対応も進められている。どちらのフレームワークを選択するかは、開発するシステムの規模、必要な機能、非機能要件(性能、信頼性、保守性など)、チームのスキルセット、そしてプロジェクトの特性によって慎重に判断する必要がある。 システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらのJavaフレームワークの存在と、それぞれの基本的な特徴、そして現代の開発においてどのような役割を担っているのかを理解することは非常に重要だ。それは、技術トレンドを把握し、自身のキャリアパスを考える上でも、また実際に開発現場でどのような選択肢があるのかを知る上でも、不可欠な知識となるだろう。どちらのフレームワークもJava開発の未来を形作る重要な要素であり続ける。