【ITニュース解説】(1/4) LLM: How LLMs Became the Bedrock of Modern AI
2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「(1/4) LLM: How LLMs Became the Bedrock of Modern AI」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
大規模言語モデル(LLM)は、言語の基礎を学ぶ「基盤モデル」だ。以前はタスクごとにAIを個別に開発していたが、LLMは一度の学習で言語の深い理解を獲得。少ない追加学習で多様なAIタスク(文章分析や生成)に応用でき、AI開発を劇的に効率化した。
ITニュース解説
ChatGPTの登場以来、生成AIや大規模言語モデル(LLM)が爆発的な注目を集めている。数ヶ月前まで、「生成」や「言語モデル」といった言葉はAI業界の専門用語のように感じられていたが、今では日常の会話の中で耳にすることが珍しくない。さらに驚くべきは、これらの技術が単なる流行語にとどまらず、私たちの日常生活で実際に使われ始めている点だ。例えば、ノートパソコンで画像からテキストを生成するモデルを動かしたり、LLaMAのようなモデルを自分の手元で起動したりすることも、以前は稀なことだったが、今はそうではない。
このLLMへの関心の高まりは、その解説コンテンツの増加にもつながっている。本記事では、数学的な方程式や複雑なコードには深入りせず、LLMが一体何であるかについて、その過去、現在、そして未来を、軽く技術的な説明を交えながら解説する。
LLMを理解する上で、まず「ファウンデーションモデル」という概念を知る必要がある。この言葉は文字通り「基礎」や「基盤」を意味し、ファウンデーションモデルとは「基盤となるモデル」を指す。では、これが具体的に何を意味するのか。それを理解するには、ファウンデーションモデルが存在しなかった時代に何が起こっていたのかを見ると良い。
ファウンデーションモデルが登場する以前、AIシステムを構築するプロセスは非常に手間がかかるものだった。例えば、ある製品レビューが肯定的か否定的かを判定するシステムを作りたい場合を想像してみよう。まず、インターネットから膨大な量のレビューデータを収集する。データが足りなければ、時には人工的にレビューを生成することもある。次に、集めたレビュー一つひとつに「肯定的」または「否定的」といったラベルを手作業で付けていく。この作業はアノテーションやタグ付けと呼ばれ、地道で時間のかかるプロセスだ。その後、ディープラーニングなどの機械学習手法を選び、ラベル付けされたデータを使ってモデルを学習させる。学習させたモデルの性能を評価し、不十分であれば、さらにデータを集めてラベルを付け直したり、ラベルの精度を修正したり、別のアルゴリズムを試したり、モデルのハイパーパラメータを調整したりと、改善を繰り返す。
別の例として、テキストの中から人名や地名を抽出するシステムを構築する場合も、同様のプロセスが必要だった。ただし、今度はレビュー全体を分類するのではなく、テキスト中の特定の単語やフレーズを人名や地名としてハイライトしてラベル付けする。要するに、従来のAI開発では、タスクが一つ変わるたびに、それぞれのタスク専用のデータセットを用意し、それ専用のモデルをゼロから構築し、学習させる必要があったのだ。これは非常に非効率的で、特にアルゴリズムが強力になるほど、より多くのデータが求められるという課題があった。
こうした非効率性に対し、「すべてのタスクは言語を扱っているのだから、何か共通の基盤があるのではないか」というアイデアが生まれた。人間が異なる専門分野を持っていても、同じ言語(例えば英語)を学べばお互いに会話ができるように、AIもまず言語の基本的な知識を一度学習させ、その共通の基盤の上に、タスク固有の知識を追加していく、という考え方だ。このアイデアこそがファウンデーションモデルの核心である。
ファウンデーションモデルの考え方では、タスクごとに全く異なるモデルを別々に開発するのではなく、一つの基盤となるモデルが、文脈に応じてその機能を切り替えるように振る舞う。例えば、自然言語処理(NLP)向けのファウンデーションモデルがあれば、感情分類器を作りたい場合は、その基盤モデルに少量の肯定的・否定的なラベル付けデータを与えて「ファインチューニング」(微調整)するだけで良い。同様に、名前抽出器を作りたい場合も、同じファウンデーションモデルを使い、タグ付けされた文章でファインチューニングするだけで済む。
このアプローチの大きなメリットは、タスクごとに必要なデータ量を大幅に削減できることだ。あるいは、同じ量のデータを使った場合でも、より高い性能を発揮できるようになる。もしどちらのメリットも得られないなら、ファウンデーションモデルを構築する意味はないが、実際に効果が得られる場合、その恩恵は計り知れない。一つの基盤モデルを軽く調整するだけで、多様なタスクを動かせるようになるのだ。そして、今日のNLP分野において、この最も強力なファウンデーションモデルが大規模言語モデル(LLM)である。
つまり、LLMはファウンデーションモデルの一種であり、特に自然言語処理に特化したファウンデーションモデルである。では、具体的に「言語モデル」とは何を指すのか。
NLPにおける言語モデルは、ある特定のテキストが与えられたときに、その次に続く単語を予測するという明確な定義を持つ。例えば、「道沿いの花が美しく咲いた…」という入力があった場合、言語モデルは次に「美しく」という単語が続く可能性が高いと予測し、「殴った」のような不自然な単語が続く可能性は低いと判断する。優れた言語モデルは、膨大な量の実際の文章から学習し、単なる暗記ではなく、データに含まれるパターンを一般化して、最も自然な言葉の続きを選び出す。
言語モデルの主な用途は二つある。一つは、テキスト入力中に次に続く単語を予測し、自動で補完する(オートコンプリート)機能だ。もう一つは、与えられた文章がどれくらい自然であるか、つまりその文章が文法的に正しく、意味的にも妥当であるかという「自然さ」を確率として評価することだ。例えば、「花が美しく咲いた」という文には高い確率を、「花が美しく殴った」という文には低い確率を割り当てる。
次に続く単語を予測するというタスクは、一見すると単純に聞こえるかもしれない。しかし、この能力を適切に発揮するためには、驚くほど深いレベルの言語理解が必要とされる。具体的には、多くの単語を知っている「語彙知識」、正しい文の形を選ぶ「文法知識」、そして直前の文章や全体の文脈を考慮して適切な意味の単語を選ぶ「文脈認識能力」が不可欠となる。もしモデルがこれらの能力をすべて備えているとすれば、それは「言語を理解している」という状態に非常に近いと言える。
そこで、次の論理的なステップは、このモデルをさらに大きくすることだ。なぜなら、機械学習における核心的な信念の一つに、「モデルの規模(スケール)を大きくすればするほど、モデルはより賢くなる」という考え方があるからだ。この考え方に基づき、言語モデルの規模を飛躍的に拡大したものが、現在私たちが知る大規模言語モデル(LLM)へと発展していった。