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RAW(ロウ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

RAW(ロウ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ロー (ロー)

英語表記

RAW (ロウ)

用語解説

「RAW」という言葉は、IT分野において「生の」「加工されていない」「未処理の」といった意味合いで用いられる。これは、データが特定の形式に変換されたり、何らかの処理が施されたりする前の、オリジナルの状態、つまり最も低レベルで情報が失われていない状態を指すことが多い。デジタルデータが生成される源流に近いところに存在する情報であり、その性質上、最大の情報量と柔軟性を持つ一方で、そのままでは扱いづらいという側面も持つ。

「RAW」が指す具体的な内容は、利用される文脈によって多岐にわたる。

まず、デジタルカメラの文脈で「RAWファイル」という言葉を耳にすることが多い。これは、デジタルカメラのイメージセンサーが受け取った光の情報が、画像処理エンジンによる圧縮や色調整、シャープネス付与といった加工をほとんど経ずに、そのまま記録されたファイル形式である。一般的なJPEGファイルは、カメラ内で画像として完成された状態に加工・圧縮されて保存されるのに対し、RAWファイルは「デジタルネガ」とも呼ばれ、写真の現像作業をPC上で行うことを前提としている。RAWファイルの利点は、色深度が深く、より多くの色の情報を持っているため、撮影後に露出、ホワイトバランス、コントラスト、彩度といった項目を大幅に調整しても画質劣化が少ない点にある。これにより、撮影時のわずかなミスや、表現したいイメージに合わせて柔軟に画像を仕上げることが可能になる。しかし、RAWファイルは未加工であるため、ファイルサイズがJPEGに比べて非常に大きく、また、専用の現像ソフトウェアがなければ、写真として適切に表示したり編集したりすることができないという欠点も存在する。

次に、ストレージやファイルシステムの文脈では、「RAWパーティション」や「RAWディスク」という表現が使われることがある。これは、ハードディスクやSSDといった記憶媒体上において、ファイルシステム(FAT、NTFS、ext4など)がまだ構築されていない、あるいは破損して認識できなくなった領域を指す。通常、オペレーティングシステムはファイルシステムを通じてファイルを認識し、管理するが、RAW状態の領域はOSがファイルとして直接アクセスできない。この状態は、新しいディスクをフォーマットする前や、データ復旧作業においてファイルシステムを介さずに物理的なデータを直接読み取る必要がある場合に見られる。また、特殊な用途のために独自のファイルシステムを構築する際にも、一度RAW状態から開始することがある。

データベースの分野においても、「RAWデータ」という言葉が使われる。これは、データベースに格納される前の生の入力値や、特定の集計・加工が行われる前の基礎データを指す。例えば、ウェブサイトのアクセスログであれば、アクセス時間、IPアドレス、リーター、ユーザーエージェントといった情報がそのまま記録された未加工の状態をRAWデータと呼ぶ。これを集計して「今日の訪問者数」や「特定のページのアクセス傾向」といった形に加工すると、それはもはやRAWデータではなくなる。RAWデータは、加工前のすべての情報を含んでいるため、後から多様な角度で分析したり、異なる集計方法を適用したりする際の出発点として非常に重要となる。データの完全性が保持されているため、将来的な要件変更にも柔軟に対応できる利点がある。

ネットワークの領域では、「RAWソケット」や「RAWパケット」といった用語が存在する。一般的なネットワークアプリケーションは、TCP/IPなどのプロトコルスタックを通じてデータを送受信するが、RAWソケットを使用すると、OSのプロトコルスタックによる上位層のヘッダ処理が施される前の、より物理層に近いネットワークパケットを直接送受信できるようになる。これにより、特定のプロトコルに縛られず、ネットワークインターフェースから直接データを読み書きすることが可能になる。これは、ネットワーク監視ツール、パケットキャプチャソフトウェア、ファイアウォールなどのセキュリティツールが、ネットワーク上のトラフィックを詳細に分析したり、カスタムプロトコルを開発したりする際に利用されることが多い。

プログラミングの文脈では、「RAWバイト」や「RAWバイナリ」として言及されることがある。これは、特定のデータ型やオブジェクトに変換される前の、生のバイト列やバイナリデータを指す。例えば、ファイルから読み込んだデータをそのままのバイト配列として扱う場合や、シリアルポートを通じて送受信されるデータを、アプリケーションが定義するデータ構造に解釈する前の状態などがこれにあたる。異なるシステム間でデータを交換する際に、それぞれのシステムでのデータの解釈の違いによる問題を避けるため、共通のRAWバイナリ形式でデータをやり取りすることがある。

これらの多様な文脈において「RAW」という言葉が共通して持つ意義は、情報が最も失われていない状態、最大限の情報を保持している状態であるという点にある。この特性は、後処理の自由度を最大化し、詳細な分析やトラブルシューティングを可能にし、さらには予期せぬ問題が発生した際のフォレンジック分析にも不可欠な情報源となる。しかし、RAWデータはその情報量の多さからファイルサイズが大きくなりがちであり、そのままでは利用しにくい、特定のツールや専門知識が必要になる、といったトレードオフも常に考慮する必要がある。システム設計や運用において、RAWデータをどのように扱うかは、データの価値と効率性、コストのバランスを考慮した重要な判断となる。

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