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【ITニュース解説】Measuring Platform Engineering with MONK metrics

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「Measuring Platform Engineering with MONK metrics」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

社内開発者プラットフォームの価値を測る指標「MONKメトリクス」が提唱された。これはプラットフォームの利用率(M)、新規開発者の導入時間(O)、推奨度(N)、開発チームの重要指標(K)の4点で評価し、改善に繋げる手法である。

ITニュース解説

近年、多くの企業でソフトウェア開発の効率化を目指す「プラットフォームエンジニアリング」という取り組みが注目されている。これは、開発者がアプリケーション開発という本来の業務に集中できるよう、開発に必要なツールやインフラ、各種手続きなどをまとめた「社内開発者プラットフォーム」を構築・提供する考え方だ。このプラットフォームは、一度作って終わりではなく、社内の開発者という「顧客」に使ってもらうための「製品」として捉え、その価値や成果を継続的に測定し、改善していくことが極めて重要となる。そのための具体的な評価指標として「MONKメトリクス」が提唱されている。MONKメトリクスは、プラットフォームが組織にどれだけ貢献しているかを客観的に示し、今後の改善方針を決める上で強力な指針となる。

MONKメトリクスの最初の指標は「M」、すなわちマーケットシェアである。これは、社内にいる開発者のうち、どれだけの割合がこのプラットフォームを自発的に利用しているかを示す数値だ。重要なのは「自発的に」という点である。プラットフォームの利用を強制するのではなく、開発者にはそれを使わないという選択肢も与えられるべきだ。その上で、プラットフォームが本当に便利で開発者の負担を軽減するものであれば、自然と利用者は増えていく。もし利用率が低いのであれば、それはプラットフォームが開発者のニーズに応えられていないというサインだ。この指標を追跡することで、プラットフォームチームは「なぜ使ってもらえないのか」という根本的な問いに向き合い、開発者へのヒアリングを通じて改善点を探ることができる。

二つ目の指標は「O」、オンボーディング時間だ。これは、新しい開発者がプロジェクトに参加してから、初めて自身のコードを本番環境にリリースするまでにかかる時間を指す。従来の開発現場では、新しいメンバーは開発環境の構築や複雑な社内ルールの学習に多くの時間を費やさなければならなかった。優れた社内開発者プラットフォームは、こうした煩雑な準備作業を自動化・簡略化することで、オンボーディング時間を劇的に短縮する。新人はプラットフォームが提供する標準化された手順に従うだけで、すぐに開発作業に取り掛かれるようになる。また、この指標は個人のオンボーディングだけでなく、チーム全体が新たにプラットフォームを導入する際のスムーズさも評価の対象となる。

三つ目の指標は「N」、ネット・プロモーター・スコア(NPS)である。これは顧客満足度を測るための指標で、プラットフォームエンジニアリングでは開発者を「顧客」と見なして実施する。「この社内開発者プラットフォームを、同僚に勧めたいと思いますか?」という質問に対し、0から10の11段階で評価してもらう。9〜10点を付けた「推薦者」の割合から、0〜6点を付けた「批判者」の割合を引いた数値がNPSとなる。このスコアがプラスであれば開発者がプラットフォームに満足している証拠であり、マイナスであれば改善が必要であることを示唆する。スコアの推移を定期的に観測することで、開発者の満足度の変化を捉えることができる。なぜそのスコアを付けたのかを追加で聞くことで、具体的な改善のヒントを得られる。

最後の指標は「K」、主要顧客メトリクスである。これは、プラットフォームの「顧客」である開発者チーム自身が、自分たちの成功を測るために重視している指標を指す。例えば、開発チームは「ソフトウェアの変更をどれだけ迅速かつ安定的にリリースできるか」や「開発者の幸福度や生産性」といった指標を追跡しているかもしれない。プラットフォームの真の価値は、こうした開発者チームの目標達成をどれだけ支援できているかによって測られる。プラットフォームチームは、開発者チームと対話し、彼らが何を重要視しているのかを理解する必要がある。そして、彼らの目標達成を助けるような機能をプラットフォームに追加していくことで、プラットフォームは単なるツールから、ビジネスの成功に貢献する戦略的パートナーへと進化できる。

MONKメトリクスは、社内開発者プラットフォームの成功を多角的に測定するための強力なフレームワークだ。しかし、これらの指標は単に数字を収集することが目的ではない。最も重要なのは、これらの指標をきっかけとして、プラットフォームの利用者である開発者と継続的に対話することだ。マーケットシェアやNPSの数値の裏にある「なぜ」を探求し、開発者が抱える本当の課題を理解することが不可欠である。MONKメトリクスを活用することで、プラットフォームチームはデータに基づいた改善計画を立て、その価値を組織全体に明確に示すことができるようになる。これにより、組織全体の開発効率が向上し、最終的にはビジネスの競争力強化に繋がるだろう。

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