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【ITニュース解説】Why You Need Multiple Stories, Not Just Multiple Stocks

2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why You Need Multiple Stories, Not Just Multiple Stocks」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

真の分散投資は、単に多くの銘柄を持つことではなく、成長、価値、収入、インフレ/デフレなど異なる経済的な「ストーリー」を持つ資産を組み合わせることだ。これにより、市場変動に強く安定した資産形成を目指せる。

ITニュース解説

投資において、多くの人が株をたくさん持っていれば分散投資だと考えがちである。しかし、このニュース記事は、単に銘柄数を増やすだけでは真の分散投資にはならないと警鐘を鳴らしている。記事の筆者もかつて多くのハイテク企業の株を保有し、ITバブル崩壊時にその全てが同じように大きな損失を出した経験から、この重要な教訓を得たという。真の分散投資とは、数多くの「もの」を持つことではなく、種類が異なる「もの」を持つこと、つまり異なる経済的「ストーリー」に基づいてポートフォリオを構築することだと記事は説明する。

記事が言う「ストーリー」とは、表面的な情報や市場の流行ではない。それは、企業の利益を根本的に生み出す経済的な原動力、つまりそのビジネスを支える経済的な物語を意味する。例えるなら、新聞にスポーツ欄、ビジネス欄、文化欄など様々なセクションがあるように、企業の収益源も多岐にわたる。もし全てのセクションが同じ情報ばかり書いていたら、その新聞は役に立たない。多くの投資家は、テクノロジー株、別のテクノロジー株、テクノロジー関連の消費財株など、一見異なる企業に見えても、結局は同じ「ストーリー」に依存した投資をしていることが多いと記事は指摘する。真の「ストーリー」とは、ある企業が利益を上げる一方で、別の企業がそうでない理由となる、明確な経済的推進要因のことである。それは商品価格、金利、消費者の購買意欲、技術革新など、企業の収益を左右する様々な要因だ。

多くの銘柄を持っているから安心だと考えるのは、分散化の錯覚だと記事は説明する。例えば、マイクロチップを作る会社と、そのチップ上で動くソフトウェアを作る会社の株を両方持っていたとする。これらは異なる会社だが、両者ともに「テクノロジーハードウェア市場の健全性」という同じ経済的なストーリーに大きく依存している。もし企業がIT投資を抑制すれば、両社ともに大きな影響を受けるだろう。これは、一つの物語に集中して投資をしているにもかかわらず、安全だと思い込んでいる状態である。これは、特定の状況にしか対応できない準備をしているのと同じで、様々な経済状況に対応できるよう、異なる種類の資産を持つことが真の多様性だ。

記事では、ポートフォリオの強固な基盤となるいくつかの主要なストーリーを提案している。まず、成長ストーリーは、急速に拡大し、新しい市場を開拓したり、既存の産業を革新したりする企業の投資を指す。その価値は将来の可能性にあり、革新的なテクノロジー企業やバイオテクノロジー企業がこれに該当する。しかし、成長が鈍化すればその価値も失われやすいリスクがある。次に、バリューストーリーは、市場で本来の価値よりも安く評価されている企業の投資を指す。市場がその企業の価値を見誤っており、将来的にその価値が正しく評価されることで利益を得ることを期待する。地味に思えるかもしれないが、多くの成功した投資家が重要視するアプローチである。また、インカムストーリーは、安定したキャッシュフローを生み出し、配当として株主に還元する企業の投資を指す。電力会社や生活必需品を扱う企業などがこれにあたる。爆発的な成長は見込めないが、安定した収入源となり、市場が不安定な時期にはポートフォリオの支えとなる。最後に、インフレ/デフレストーリーは、通貨の価値変動に強い実物資産への投資を指す。金、特定のコモディティ(商品)、不動産投資信託(REIT)などがこれに該当する。これらは市場全体の動きとは異なる動きをすることがあり、インフレやデフレから資産を守る役割を果たす。

自分の投資がどのような「ストーリー」に偏っているかを理解することが重要だ。手持ちの投資について、単純に「なぜこの株価が上がるのか?」と考えるのではなく、「なぜこの会社は利益を生み出すのか?」という問いを立てるべきだと記事は促す。例えば、世界経済の好況で消費が伸びるからなのか、あるいは景気変動に左右されにくいサブスクリプションモデルだからなのか、金利低下で有利になるからなのかなど、企業の利益源を深く掘り下げる。この分析によって、自分のポートフォリオが特定の物語に過度に依存していることに気づくかもしれない。目的は全てを売却することではなく、ポートフォリオに欠けている「ストーリー」を見つけ出すことだ。

上場投資信託(ETF)や投資信託は、多数の企業に分散投資できるため、一見すると多様なストーリーを持っているように見える。しかし、S&P 500などの広範な市場指数に連動するETFでも、その多くは大規模なアメリカ企業の健全性という一つのストーリーに強く依存している場合がある。また、特定のテーマに特化したETF(例えばロボティクスETF)は、多くの企業を組み込んでいても、そのテーマ自体が一つのストーリーであるため、そのストーリーに問題が生じれば、組み込まれた全ての企業が影響を受ける可能性があると記事は指摘する。ETFやファンドは便利なツールだが、それ自体が魔法の分散化手段ではないことを理解する必要がある。

複数の異なるストーリーを持つポートフォリオを構築する上で、最も難しいのは「退屈さ」を受け入れることだと記事は述べる。例えば、成長株が大きく上昇している時に、バリュー株やインカム株が低調だと、「なぜこんなものを持っているんだ」と感じてしまうかもしれない。しかし、全てのストーリーが同時に好調である必要はない。むしろ、それぞれのストーリーが異なる動きをすることが、真の分散投資の目的であり特徴である。成長株が金利上昇で打撃を受けている時に、バリュー株やインカム株が安定性を提供することで、ポートフォリオ全体が大きな損失を避けられる。長期的な成功は、好況時にどれだけ大きく稼ぐかだけでなく、不況時にどれだけ損失を抑えるかによって決まる。

ポートフォリオをすぐに全て見直す必要はない。これは長期的な取り組みである。まずは自分のポートフォリオの「ストーリー」を監査し、欠けている部分を特定する。例えば、国際市場への露出が全くないことに気づいたら、新しい投資資金の一部を広範な国際ETFに振り分けることから始めてみる。次に、実物資産への投資が不足していると感じたら、不動産投資信託(REIT)やコモディティファンドを少量加える。このように、ゆっくりと着実に、互いに独立した複数の物語に基づくポートフォリオを構築していくことで、市場の変動にも強く、安心して眠れるような資産形成が可能になる。それが何十年にもわたって着実に富を築き、最終的に最も重要なストーリーとなるだろう。

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