ステートメント (ステートメント) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
ステートメント (ステートメント) の読み方
日本語表記
ステートメント (ステートメント)
英語表記
statement (ステートメント)
ステートメント (ステートメント) の意味や用語解説
ステートメントとは、プログラミング言語やデータベース言語において、コンピュータに対して何らかの処理を実行させるための「命令文」や「文」を指す。プログラムは複数のステートメントが順番に、あるいは特定の条件に基づいて実行されることで動作する。ステートメントはプログラムを構成する最も基本的な要素の一つであり、コンピュータが実行すべき具体的なアクションを記述するために用いられる。 コンピュータプログラムは、変数に値を代入したり、条件によって処理を分岐させたり、特定の処理を繰り返したり、関数を呼び出したりといった、さまざまな操作の組み合わせによって構成されている。これらの個々の操作や、それらをまとめた論理的なひとまとまりがステートメントである。例えば、多くのプログラミング言語では、`x = 10;` のように変数 `x` に `10` という値を代入する命令や、`if (x > 0) { ... }` のように `x` の値が `0` より大きい場合に特定の処理を行う命令などがステートメントに該当する。各プログラミング言語は、それぞれの文法に従ってステートメントを記述するルールを定めているため、プログラマはそのルールに沿ってコードを記述する必要がある。 ステートメントには多様な種類がある。プログラム中で値を保持するための「変数を宣言するステートメント」(例: `int count;`)、変数に特定の値を割り当てる「代入ステートメント」(例: `count = 5;`)、プログラムの実行の流れを制御する「制御フローに関するステートメント」として、条件に応じて処理を分岐させる「条件分岐ステートメント」(例: `if`文、`switch`文)、特定の処理を繰り返し実行する「繰り返しステートメント」(例: `for`文、`while`文)などが挙げられる。また、特定の処理をまとめた「関数を呼び出すステートメント」(例: `print("Hello");`)や、関数からの戻り値を指定する「リターンステートメント」(例: `return result;`)もステートメントの一種である。これらのステートメントが組み合わさることで、複雑な処理を記述し、コンピュータに実行させることが可能となる。 一般的に、プログラミング言語のステートメントは上から下に順次実行されるが、条件分岐ステートメントや繰り返しステートメントを用いることで、実行順序を制御し、プログラムに動的な振る舞いをさせることができる。多くの言語では、一つのステートメントの終わりを示すためにセミコロン(;)などの終端記号が用いられる。コンパイラやインタプリタといったプログラム言語処理系は、これらのステートメントを文法に基づいて解釈し、コンピュータが実行可能な機械語や中間コードに変換することで、実際に処理を実行する。 ステートメントと混同されやすい概念に「式(Expression)」がある。式は評価されると必ず何らかの「値」を生成するのに対し、ステートメントは「処理を実行する」ことが主な目的であり、必ずしも値を返さない。例えば、`10 + 5` は評価すると `15` という値を返すので式である。一方、`x = 10;` は変数 `x` に `10` を代入するという処理を実行する命令であり、これがステートメントである。ただし、言語によっては代入操作が値を返すこともあるため、厳密な区別は言語の仕様による。しかし、基本的な考え方として、式は「値」、ステートメントは「命令」と捉えると理解しやすい。 プログラミング言語の文脈だけでなく、データベースにおいても「ステートメント」という用語が使われる。SQL(Structured Query Language)では、データベースに対してデータの検索、挿入、更新、削除などの操作を指示する命令文をSQLステートメントと呼ぶ。例えば、`SELECT * FROM users;` は `users` テーブルから全てのデータを検索するSQLステートメントであり、`INSERT INTO products (name, price) VALUES ('Book', 1500);` は `products` テーブルに新しいレコードを挿入するSQLステートメントである。データベースにおけるステートメントも、コンピュータシステムに対して特定の処理を実行させるという点で、プログラミング言語のステートメントと共通の概念を持つ。さらに、SQLには「プリペアドステートメント」というものも存在する。これは、データベースに繰り返し実行されるステートメントを事前に準備しておくことで、処理の高速化やSQLインジェクション攻撃への対策といったセキュリティ強化に役立つ技術である。 このように、ステートメントはコンピュータプログラムやデータベース操作において、コンピュータに実行させる具体的な命令や指示を表現する基本的な構成要素であり、システムエンジニアを目指す上でその概念を正確に理解することは非常に重要である。