【ITニュース解説】[PR]NTTデータグループ、未知の事態でも柔軟に対応できるハイパースケールFWを構築
2026年09月15日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「[PR]NTTデータグループ、未知の事態でも柔軟に対応できるハイパースケールFWを構築」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
NTTデータグループは、コロナ禍でのリモートワーク急増によりネットワークセキュリティ基盤の性能が限界に直面した。将来の未知の事態にも柔軟に対応するため、同社はチェック・ポイントの高性能な「Maestro Hyperscale Firewall」を選定し、セキュリティ基盤を強化した。
ITニュース解説
NTTデータグループが、予測困難な未来に対応できる新しいネットワークセキュリティの仕組みを導入したというニュースは、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、今日のIT環境の大きな課題とその解決策を知る良い機会となる。このニュースは、企業が直面するセキュリティとパフォーマンスの課題、そしてそれを乗り越えるための最新技術について示唆に富んでいる。
まず、なぜNTTデータグループのような大企業が、既存のセキュリティ基盤の見直しを迫られたのかを理解する必要がある。きっかけは、世界的に広がった新型コロナウイルス感染症だ。これにより、多くの企業が一斉にリモートワークへと移行した。リモートワークでは、社員が会社の外からインターネット経由で社内システムにアクセスする。従来の働き方では、ほとんどの社員が社内ネットワークに接続していたため、セキュリティ対策も社内ネットワークの入り口に集中していた。しかし、リモートワークが普及すると、社員一人ひとりが自宅などから会社のネットワークに接続するため、会社へのアクセス経路が爆発的に増加した。
この急激な変化は、既存のネットワークセキュリティ基盤に大きな負荷をかけた。会社のネットワークと外部インターネットの境界に設置されている「ファイアウォール」というセキュリティ装置は、許可された通信だけを通し、不正な通信をブロックする役割を果たす。リモートワークによって、このファイアウォールを通過するデータ量や同時に接続するユーザー数が一気に増大したため、従来のファイアウォールでは処理しきれなくなり、「性能限界」に達してしまったのだ。これは、一度に多くの通信が集中することで、処理能力が追いつかず、通信速度の低下やシステム停止のリスクにつながる状況である。これにより、社員の通信が遅くなったり、最悪の場合、セキュリティが十分に機能しなくなるリスクも生じた。
NTTデータグループは、このような経験から、単に現在の課題を解決するだけでなく、将来にわたって予測不能な事態、つまり「未知の事態」が起こっても柔軟に対応できるネットワークセキュリティ基盤が必要だと考えた。今後の社会では、働き方やビジネスのやり方がさらに変化する可能性があり、それに伴いネットワークの利用状況やセキュリティの脅威も刻々と変わっていくことが予想される。そのため、導入したシステムがすぐに古くなったり、変化に対応できなくなったりするようでは困る。長期的な視点での投資が必要とされたのだ。
そこで同社が選定したのが、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの「Maestro Hyperscale Firewall」だ。この名前にある「ハイパースケール」という言葉が非常に重要である。ハイパースケールとは、非常に高い処理能力と、必要に応じて規模を柔軟に拡大・縮小できる「拡張性」を兼ね備えていることを意味する。
従来のファイアウォールは、通常、一台の物理的な装置として機能していた。性能が足りなくなると、より高性能な別の装置に交換するか、複数台の装置を並べて負荷を分散させるなどの方法がとられていた。しかし、Maestro Hyperscale Firewallはアプローチが異なる。これは、複数の独立したファイアウォール装置を仮想的に一つの大きなファイアウォールとして動作させる仕組みを持っている。これは、一台の高性能な装置ではなく、複数の独立した装置を連携させることで、全体として非常に高い処理能力と拡張性を持つシステムを構築する技術である。
Maestroのシステムでは、「セキュリティゲートウェイ」と呼ばれる個々のファイアウォール装置を、必要に応じて追加したり削除したりできる。これにより、もし通信量が増えたり、より高度なセキュリティ処理が必要になったりしても、新たなセキュリティゲートウェイを接続するだけで、システム全体の処理能力を飛躍的に向上させることができるのだ。これは「スケールアウト」と呼ばれる考え方で、一台の性能を上げる(スケールアップ)よりも、複数の装置を連携させる方が、より柔軟かつ効率的に性能を向上させやすいというメリットがある。
また、Maestroは、たとえ一部のセキュリティゲートウェイが故障したとしても、残りのゲートウェイが処理を引き継ぎ、システム全体が停止することなくサービスを継続できる「高い可用性」も持ち合わせている。これは、企業にとって事業継続性を確保する上で非常に重要な要素だ。
NTTデータグループがMaestroを選んだ理由は、まさにこの「高いスケーラビリティ」と「未知の事態への柔軟な対応能力」にある。リモートワークの急増という予期せぬ事態で性能限界に直面した経験から、彼らは将来、どのような状況になっても、ビジネスのスピードを落とさずに、かつセキュリティを強固に保ち続けることができる基盤を求めていた。Maestroは、その要件を満たし、必要な時に必要なだけリソースを増やすことができるため、無駄な投資を抑えつつ、常に最適なセキュリティ環境を維持できる。
この取り組みは、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、単に技術的な知識だけでなく、ビジネスの変化にどう対応していくかという視点の重要性を示している。システムの設計や運用において、現在の課題解決だけでなく、将来起こりうる変化や予測不能な事態をいかに見越して柔軟な仕組みを構築できるかが、非常に大きな価値を持つことを教えてくれるニュースだ。これからも、IT技術は進化し続け、それに伴い企業が直面する課題も変化していく。そうした中で、今回のNTTデータグループの事例は、変化に対応できるシステムをいかに構築するかという、システムエンジニアに求められる本質的なスキルを示していると言える。