【ITニュース解説】OSD600: My journey in Open Source
2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「OSD600: My journey in Open Source」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
筆者はオープンソース活動を通じ、LLVMなどコンパイラ開発でC++コードの改善やプラットフォーム特化のコード生成に貢献し、スキルを磨いた。世界中の開発者への貢献に喜びを感じ、今後はMojoなどの新しい言語やMLコンパイラへの貢献を目指す。
ITニュース解説
コンピューターサイエンスを学ぶ学生が、自身のオープンソース活動とプログラミングへの深い情熱について語っている。彼はCPAプログラムの5学期に在籍しており、これまでの2学期間はKinaxis社でコアアルゴリズム開発者として、C++言語とサプライチェーン最適化に取り組んできた。特にコンパイラという分野に強い関心があり、現代のソフトウェアにおいて最も美しく重要な仕事の一つだと考えている。
オープンソースは彼にとって個人的にも職業的にも大きな影響を与えてきたという。過去8ヶ月間、彼は世界のコンパイラツールチェーンの中でも特に影響力の大きいLLVMプロジェクトに積極的に貢献してきた。LLVMとは、プログラムのソースコードをコンピューターが実行できる形に変換するソフトウェア、つまりコンパイラを作るための基盤となる技術群である。彼が主に携わったのは、C++コードを現代的な書き方に修正する「Clang-Tidy」というツールの機能開発と、ARM、X86、PTXといった異なるコンピューターの設計(アーキテクチャ)向けに、特定のコードを生成する「ClangIR」という部分の構築であった。これまでに30以上の変更提案(プルリクエスト)を出し、それぞれの貢献を通してオープンソースコミュニティから学び、開発者として成長する機会を得ている。
彼がオープンソースに惹かれた最初のきっかけは、世界トップレベルのコードベースから学ぶことができるだけでなく、そこに自分自身も貢献できるという考えであった。自分の書いたコードが世界中の開発者の役に立つかもしれないと考えると、非常にわくわくすると感じている。今学期は、クラスメートと協力しながら、特にコンパイラや開発者ツールに関連する新しいプロジェクトに挑戦し、さらなる貢献を目指したいと考えている。
彼が今学期に達成したいことの一つは、様々なオープンソースコミュニティについての知識を深めることである。その目標の一つとして、主要な機械学習(ML)コンパイラの一つであるIREEプロジェクトへの貢献を挙げている。IREEは、機械学習モデルをGPU、CPU、TPUといった異なるハードウェアアーキテクチャに合わせて、非常に効率的に実行するための仕組みを提供する。特にGPUのような並列処理に特化したアクセラレータでは、コードの実行方法が大きく異なるため、これは非常に挑戦的な課題となるだろうと彼は認識している。
彼が選択したオープンソースプロジェクトは「Mojo」である。Mojoは、ハードウェアの性能を最大限に引き出しながらも、プログラミング言語としての書きやすさ(エルゴノミクス)を損なわない新しいプログラミング言語だという。エルゴノミクスとは、ここではPython言語のシンプルさに強く影響を受けた、理解しやすく記述しやすい文法を指している。
Mojoは単なる汎用プログラミング言語にとどまらない。なんと、GPUプログラミングを標準でサポートしている点が非常に画期的だと彼は考えている。これはコンピューティングの未来を担う技術であると彼は信じている。簡単に説明すると、カーネルとはGPUなどのデバイス上で実行される小さな関数のことである。Mojoを使えば、現在NVIDIAとAMDの両方のGPUハードウェアで実行できるカーネルを記述することができ、書かれたコードはこれらのGPU間で移植性がある点が非常にユニークだという。これはなぜユニークかというと、従来NVIDIA製GPUでコードを実行するにはCUDA、AMD製GPUで実行するにはRocM(HIP)といった、それぞれ異なるC++の派生言語に依存する必要があったからである。Mojoはそうしたベンダー固有の制約を超えて、高い移植性を提供する。
彼は、オープンソース全般に対する自身の知識を深め、関心のあるより多くのプロジェクトで引き続き影響を与えていきたいという強い願いを持っている。