【ITニュース解説】Rust vs. Your Next JavaScript Framework: Which Should You Learn?
2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「Rust vs. Your Next JavaScript Framework: Which Should You Learn?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Rustは、速度・安全性・並行性に優れたシステムプログラミング言語だ。C++のように低レベル制御ができ、メモリ安全性が高い特徴を持つ。OSや高性能バックエンド開発に活用され、マイクロソフトやGoogleも採用している。学習難易度は高いが、将来性と需要があり、高い信頼性を求める開発者に向く。迅速な開発には不向きだ。
ITニュース解説
Rustというプログラミング言語が、近年開発者の間で大きな注目を集めている。この言語は、過去9年間にわたり開発者アンケートで「最も愛されるプログラミング言語」に選ばれ続けている実績を持つ。これは単なる流行ではなく、Microsoft、Google、AWSといった大手企業が実際のプロジェクトでRustを採用していることからも、その重要性がうかがえる。特に、従来のC++で発生しやすかったメモリ関連のバグによる深夜の緊急対応といった問題を避けるために、Rustが選ばれている事例が増えている。
では、Rustとは具体的にどのような言語なのか。Rustはシステムプログラミング言語に分類され、主に速度、安全性、そして並行処理のしやすさという三つの要素を最優先に設計されている。これは、C++が抱えていた信頼性の問題を解決するために、厳格な「所有権」と「借用」というルールを導入した言語だと考えると理解しやすい。これらのルールは、プログラムが実行される前に、よくあるバグやクラッシュの原因となる問題をコンパイル時に未然に防ぐことを目的としている。
Rustは多岐にわたる種類のプロジェクトで活用できる。例えば、コンピュータの基本的な動作を司るオペレーティングシステムの開発、ウェブブラウザで高速に動作するWebAssembly(Wasm)アプリケーション、大量のデータを効率的に処理する高性能なバックエンドAPI、暗号通貨などで用いられるブロックチェーン技術、そして日常的な作業を自動化するためのコマンドラインツールの作成など、その用途は幅広い。
次に、なぜRustを学ぶべきなのか、その利点について詳しく説明する。まず、最も顕著な利点の一つは「驚異的なパフォーマンス」である。Rustで書かれたプログラムは、CやC++といった低レベル言語とほぼ同等の速度で動作する。これは、Pythonのようなスクリプト言語と比較すると圧倒的な高速性であり、非常に効率的なアプリケーションを構築できることを意味する。
二つ目の利点は「ガベージコレクタなしでのメモリ安全性」だ。多くのプログラミング言語では、使用しなくなったメモリを自動的に解放するガベージコレクタという仕組みがあるが、これがプログラムの実行を一時停止させ、性能低下の原因となることがある。Rustは、ガベージコレクタを使用せずに、独自の所有権システムによってメモリの安全性を保証する。これにより、メモリの不正な操作によるバグ(例えば、既に解放されたメモリ領域にアクセスしようとする「ダングリングポインタ」の問題)を回避しつつ、ガベージコレクタによる性能劣化も発生しない。
三つ目は「恐れることのない並行性」である。複数の処理を同時に実行するマルチスレッドプログラミングは、しばしば複雑でバグを発生させやすい。しかしRustの所有権ルールは、このような並行処理における多くの一般的なバグをコンパイル時に検出して解消するため、開発者は安心して並行コードを書くことができる。
そして四つ目の利点は「優れたエコシステムとツール」だ。Rustには「Cargo」という非常に強力で使いやすいパッケージマネージャ兼ビルドツールがある。これは、プロジェクトの作成、依存関係の管理、ビルド、テストなどを一元的に行える。また、「rustc」というコンパイラや、「Clippy」というコード品質向上ツールも非常に優れており、単にエラーを指摘するだけでなく、具体的な修正案や役立つアドバイスを提示してくれるため、学習プロセスや開発効率を大いに助ける。
もちろん、Rustにはいくつかの課題も存在する。最大の課題は「学習曲線が非常に急である」ことだ。所有権、借用、ライフタイムといったRust独自の概念は、他のプログラミング言語の経験がある開発者にとっても新鮮で、習得には時間と忍耐が必要となる。コンパイラは非常に厳格であり、コードが少しでもルールに違反していると容赦なくエラーを出すため、最初は戸惑うかもしれない。
二つ目の課題は「コンパイル時間が長い」ことだ。Rustのコンパイラはコードの安全性を徹底的に検査するため、プログラムの規模によってはビルドに時間がかかる場合がある。開発者はこの待ち時間に慣れるか、別の作業をするなど工夫が必要になるかもしれない。
三つ目の課題は「エコシステムが成長中である」ことだ。Rustのライブラリ(クレートと呼ばれる)の数は急速に増えているが、PythonやJavaScriptのように、あらゆる問題に対する既製のライブラリが豊富に揃っているわけではない。まだ開発されていない、あるいは成熟度が低いライブラリを探す必要がある場面も出てくる可能性がある。
それでは、具体的にどのような人がRustを学ぶべきなのだろうか。まず、「コードの低レベルな動作を詳細に制御したい」と考える人にはRustが最適だ。システムの深い部分で何が起きているかを理解し、それを自分の手でコントロールすることに魅力を感じるならば、Rustは非常にやりがいのある言語となる。次に、「安全性と信頼性を最優先する」人にも向いている。もし、過去にメモリリークやその他の実行時エラーでシステムのダウンタイムを経験したことがあるなら、Rustが提供する堅牢な安全性は大きな安心感をもたらすだろう。最後に、「将来性のある、需要の高いスキルを身につけたい」と考える人にもRustは推奨される。トップレベルのテクノロジー企業は現在Rust開発者を積極的に採用しており、この需要は今後さらに高まることが予想される。
一方で、今はRustの学習を控えるべき人もいる。例えば、「短期間でMVP(Minimum Viable Product、最小実行可能製品)を迅速に構築したい」という場合は、PythonやJavaScriptなど、開発速度を重視した言語を選ぶ方が賢明だ。Rustは正確さと堅牢性を重視するため、開発の初期段階では時間がかかる傾向がある。また、「厳格なルールが苦手な人」も今は避けるべきかもしれない。Rustはルールブックのような言語であり、そのルールを破ればコンパイラからの厳しい指摘を受けることになる。これは、ある意味で学習を促す機能でもあるが、人によってはストレスに感じる可能性もある。
結論として、Rustは一時的な流行ではなく、現代のソフトウェアインフラの重要な一部になりつつあることは確かだ。Linuxカーネルへの採用、MicrosoftがWindowsの一部をRustで書き換えている事実、さらにはJavaScriptの新しい実行環境であるDenoやBunがRustで構築されていることからも、その影響力の大きさがわかる。
もし、あなたがプログラミングの新たな挑戦を求めているのであれば、高性能なソフトウェア開発に興味があり、自身の開発スキルを大幅に向上させたいと考えているのであれば、Rustを学ぶことは非常に価値のある選択となるだろう。しかし、今すぐに何かを動かす必要がある場合は、別の言語から始める方が現実的かもしれない。Rustの学習に踏み切った際には、厳格なコンパイラは、あなたのコードをより良くするための、建設的なフィードバックを提供する存在だと捉え、根気強く向き合うことが成功への鍵となるだろう。