【ITニュース解説】Samsung Galaxy Tab S11 Ultra hands-on: Really thin, redesigned S Pen and... remember Dex?

2025年09月04日に「Engadget」が公開したITニュース「Samsung Galaxy Tab S11 Ultra hands-on: Really thin, redesigned S Pen and... remember Dex?」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

サムスンが新タブレット「Galaxy Tab S11 Ultra」を発表。史上最薄5.1mmの筐体に14.6インチ大画面を搭載し、鉛筆のような形状のSペンが付属。PCのように使えるDexモードやAI機能も強化され、生産性が向上する。(116文字)

ITニュース解説

サムスン電子から、新しいAndroidタブレット「Galaxy Tab S11」シリーズが発表された。このシリーズには、11インチの標準モデルと14.6インチの高性能モデル「Galaxy Tab S11 Ultra」が含まれる。特にUltraモデルは、最新技術を数多く搭載し、単なるコンテンツ消費用の端末に留まらない、生産性向上ツールとしての側面を強く打ち出している。

デバイスの頭脳にあたるプロセッサには、MediaTek社の「Dimensity 9400+」が採用された。これは3nm(ナノメートル)という非常に微細なプロセス技術で製造された半導体チップである。プロセス技術が微細化すると、同じ面積のチップにより多くのトランジスタを搭載でき、性能向上と消費電力の削減を両立させることが可能になる。このチップは、一般的な計算処理を担うCPU、グラフィックスや映像処理を得意とするGPU、そしてAI関連の計算を専門に行うNPUを内蔵している。サムスンによると、前世代のモデルと比較してCPUとGPUの性能が20%、NPUの性能が30%向上した。これにより、アプリケーションの動作が高速になるだけでなく、AIを活用した「Writing Assist」(文章のトーン調整)や「Drawing Assist」(ラフスケッチを完成された絵に変換)といった機能が、よりスムーズに動作する基盤となっている。

ディスプレイには、14.6インチの大型有機EL(AMOLED)パネルが搭載されている。解像度は2,960 x 1,848と非常に高く、鮮やかで深みのある色表現が特徴である。また、リフレッシュレートは最大120Hzに対応している。リフレッシュレートとは1秒間に画面が何回更新されるかを示す数値で、これが高いほどスクロールやアニメーションが滑らかに表示される。開発作業でコードをスクロールする際や、図面を操作する際の視認性が向上する。最大1600nitという高い輝度は、明るい屋外でも画面が見やすいことを意味する。

付属の専用スタイラスペン「S Pen」も改良された。鉛筆のような六角形の形状になり、持ちやすさが向上した。このS Penの特筆すべき点は、EMR(電磁誘導方式)を採用していることである。これは、タブレットの画面側から磁場を発生させ、ペン内部のコイルに電力を供給する技術で、ペン自体にバッテリーを内蔵する必要がない。そのため、充電切れを心配することなく、いつでも手書き入力や描画が可能である。Bluetooth接続によるリモート操作機能は省かれているが、手書きデバイスとしての基本性能に特化した設計と言える。

ソフトウェア面での大きな進化は、サムスンの独自機能「Dexモード」の強化である。Dexモードは、AndroidのUIをWindowsやmacOSのようなデスクトップPCに近いマルチウィンドウ環境に切り替える機能で、タブレットをノートPCのように活用できる。今回、One UI 8という新しいユーザーインターフェースと共に、「Extended Mode」という新機能が追加された。これは、ワイヤレスでPCや他のモニターに画面を拡張し、デュアルモニター環境を構築できる機能である。システム開発においては、一方の画面にコードエディタ、もう一方に実行結果やドキュメントを表示させるといった使い方が可能になり、作業効率の大幅な向上が期待できる。

通信機能は、最新の無線LAN規格であるWi-Fi 7に対応している。Wi-Fi 7は、従来のWi-Fi 6Eに比べて通信速度が向上し、遅延も少なくなっているため、大容量のデータのやり取りや、クラウド上の開発環境へのアクセスがより快適になる。本体は厚さ5.1mm、重さ約692gと、14.6インチという大画面ながら非常に薄く軽量に作られている。さらに、IP68等級の防塵防水性能を備えており、日常的な利用環境での耐久性も確保されている。

一方で、注意点もある。キーボードカバーなどの専用アクセサリを接続するためのpogoピンと呼ばれる物理的な接続端子の位置が、本体背面に変更された。これにより、過去のモデル用に販売されていたキーボードカバーは使用できず、新しいアクセサリを別途購入する必要がある。

Galaxy Tab S11 Ultraは、高性能なプロセッサ、大画面で高品質なディスプレイ、そしてPCライクな作業環境を提供するDexモードといった特徴を兼ね備えている。これは、動画視聴やWeb閲覧といった用途だけでなく、ソフトウェア開発やクリエイティブな作業を行うためのポータブルな生産性デバイスとしての高いポテンシャルを示している。特に、場所を選ばずにマルチモニター環境を構築できる「Extended Mode」は、システムエンジニアを目指すユーザーにとって注目すべき機能だろう。

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