【ITニュース解説】Sleuths and Sweets - irisCTF
2025年09月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「Sleuths and Sweets - irisCTF」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
CTF問題で、「人通りの多い場所」「特徴的な値札、クレープの包み紙」といった複数のヒントから、渋谷の特定のクレープ店(マリオンクレープ神南店)の住所を特定する過程を解説。この住所がフラグとなった。
ITニュース解説
ニュース記事「Sleuths and Sweets - irisCTF」は、情報技術の競技であるCTF(Capture The Flag)における問題解決プロセスを具体的に示している。これは、与えられた手がかりから「Flag」と呼ばれる特定の答えを見つけ出すという内容で、システムエンジニアを目指す初心者にとって、情報収集、論理的思考、ツールの活用といった重要なスキルがどのように実際の課題解決に結びつくかを理解する良い事例となる。
まず、この問題は「多くの人通りがある場所」という漠然とした手がかりから始まる。システム開発における要件定義でも、最初は抽象的な情報からスタートすることが多い。ここでは、「日本で最も人通りの多い場所」を特定するために、インターネット検索のような情報収集ツールが活用されたと推測できる。現代において、特定の場所に関する統計データや一般的な知識は、Google検索をはじめとする検索エンジンを使えば容易に手に入る。このプロセスを通じて、日本を代表する人通りの多い場所として「渋谷スクランブル交差点」が有力な候補として絞り込まれた。これは、与えられた手がかりに基づいて仮説を立て、それを検証する最初のステップと言える。
次に登場する手がかりは、写真に写る「価格タグ」である。この価格タグが独特なデザインをしていることに注目し、これを情報源として利用するアプローチが取られた。ここで活躍したのは「Google レンズ」のような画像認識技術だ。Google レンズは、画像に含まれるオブジェクトや文字を解析し、それに関連する情報や類似の画像をインターネット上から検索する機能を持つ。これは、画像データから特徴量を抽出し、それを基にデータベースを検索するという、ITの分野で広く使われる考え方の一例である。この技術を用いることで、類似の価格タグを持つデザート店、特にクレープを扱う店が有力な候補として浮上した。
さらに、クレープの「コーンホルダーやラッピング」に書かれた文字が、次の決定的な手がかりとなった。写真の右側のクレープの包み紙には、「Marion Crepes」という具体的な店名が読み取れる。このように、断片的な情報から固有名詞や具体的なキーワードを引き出すことは、問題解決において非常に重要だ。例えば、システムのエラーログから特定のエラーコードや関数名を見つけ出すことと似ている。この店名を手がかりに、「Google マップ」のような地理情報システム(GIS)を利用して店舗を検索するステップに進む。GISは、地図データと店舗情報や交通情報などを統合し、視覚的に分かりやすく表示できるため、位置情報を含むシステム開発や分析において不可欠なツールである。
Google マップで「Marion Crepes 渋谷」と検索した結果、渋谷には2つの店舗が存在することが判明した。複数の選択肢の中から正解を絞り込む必要が生じたわけだが、これはシステムが検索結果として複数の候補を提示した場合に、さらなる条件に基づいて最適なものを選ぶ状況と共通する。ここで次の手がかり、「渋谷駅ハチ公口のすぐ外」という情報が重要な役割を果たす。この追加情報を既存の地図情報と照らし合わせ、どちらの店舗がハチ公口に近いかを比較検討した。結果として、渋谷の「神南(Jinnan)」にある店舗が、ハチ公口に最も近いという結論に至った。これは、複数のデータや条件を統合し、論理的に最も妥当な答えを導き出す、いわゆるデータ統合と意思決定のプロセスである。
最終的に特定された店舗の住所は「1 Chome-21-3 Jinnan, Shibuya, Tokyo 150-0041, Japan」である。CTFでは、このように発見した情報を、指定された特定の形式「Flag」として提出することが求められる。この事例で要求されたFlagの形式は「irisctf{1_Chome_21_3_Jinnan_Shibuya}」だった。元の住所情報から、不要な部分(郵便番号や国名)を除外し、スペースをアンダースコア(_)に置換するという作業は、システム開発におけるデータの整形やフォーマット変換の作業そのものである。例えば、API連携で異なるシステム間でデータをやり取りする際には、相手側のシステムが要求する厳密なデータフォーマットに合わせて、データを加工する作業が常に必要となる。
このように、この一連の問題解決プロセスは、単なるクイズの解答ではなく、システムエンジニアが日々の業務で直面する課題解決のミニチュア版と言える。曖昧な情報から出発し、適切な情報収集ツール(インターネット検索、Google レンズ、Google マップ)を使いこなし、収集した断片的な情報を分析し、論理的に思考して結論を導き出す。そして、最終的な結果を指定されたフォーマットに正確に整形するという、一連の作業すべてが、ソフトウェア開発、システム設計、運用、トラブルシューティングなど、IT分野のあらゆる場面で求められる中核的なスキルなのである。初心者にとっては、これらの抽象的なスキルが具体的な行動としてどのように表現され、目標達成に寄与するのかを理解する上で、非常に価値のある学びとなるだろう。