情報技術 (ジョウホウギジュツ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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情報技術 (ジョウホウギジュツ) の読み方

日本語表記

情報技術 (ジョウホウギジュツ)

英語表記

Information Technology (インフォメーションテクノロジー)

情報技術 (ジョウホウギジュツ) の意味や用語解説

情報技術とは、Information Technologyの日本語訳であり、一般的にITという略称で広く知られている。これは、コンピュータと通信技術を基盤として、様々な情報を効率的に収集、加工、保存、伝達、そして活用するための一連の技術や手法の総称である。現代社会において、情報技術は企業の経済活動から個人の日常生活に至るまで、あらゆる側面に深く浸透しており、社会を支える重要なインフラストラクチャーとしての役割を担っている。システムエンジニアは、この情報技術を駆使して、社会や組織が抱える課題を解決するシステムを構築する専門職である。 情報技術は、いくつかの主要な技術要素によって構成されている。まず、物理的な基盤となるのがハードウェアである。これには、演算処理を行うCPUや情報を一時的に記憶するメモリを搭載したコンピュータ本体、大規模なデータ処理を担うサーバー、情報を永続的に保存するストレージ装置、そしてコンピュータ同士を接続するためのルーターやスイッチといったネットワーク機器などが含まれる。スマートフォンやタブレット端末も、高性能なコンピュータを内蔵したハードウェアの一種である。これらの物理的な機器が、情報処理や通信の土台となる。 次に、ハードウェアを意図した通りに動作させるための命令群であるソフトウェアが存在する。ソフトウェアは大きく二つに分類される。一つはオペレーティングシステム(OS)であり、Windows、macOS、Linuxなどが代表的である。OSは、ハードウェアの基本的な管理や制御を行い、アプリケーションソフトウェアが動作するための共通の基盤を提供する。もう一つは、特定の目的を達成するために作られたアプリケーションソフトウェアである。例えば、文書作成ソフト、表計算ソフト、Webブラウザ、あるいは企業で使われる会計システムや在庫管理システムなどがこれにあたる。システムエンジニアが開発するシステムの多くは、このアプリケーションソフトウェアに分類される。 ハードウェアとソフトウェアが個別に存在するだけでは、情報の共有や連携は実現できない。そこで重要になるのが、それらを相互に接続し、データをやり取りするためのネットワーク技術である。世界中のコンピュータを繋ぐインターネットがその最大の例であり、企業や家庭内で利用されるLAN(Local Area Network)もネットワークの一種である。ネットワーク上での円滑な通信は、TCP/IPに代表されるプロトコルと呼ばれる通信上の規約や手順に従って行われる。これにより、異なるメーカーの機器同士でも問題なく情報を交換することが可能となる。 現代のITシステムが扱う情報は膨大な量に上るため、それらを効率的かつ安全に管理するためのデータベース技術も不可欠な要素である。データベースは、構造化されたデータの集合体であり、大量の情報を整理して保存し、必要な時に高速で検索、更新、削除することを可能にする。このデータベースを管理・操作するためのソフトウェアをデータベース管理システム(DBMS)と呼び、システムはDBMSを介してデータの読み書きを行う。 これらの技術要素を組み合わせることで、一つのシステムが構築される。例えば、私たちが普段利用するECサイトは、ユーザーが操作するスマートフォンやPC(ハードウェア)、その上で動くWebブラウザ(アプリケーションソフトウェア)、インターネット(ネットワーク)を通じて、ECサイトのプログラムが動作するWebサーバーやアプリケーションサーバー(ハードウェアとソフトウェア)に接続する。サーバーは、商品情報や顧客情報が格納されたデータベースと連携して必要な情報を取得し、その結果を再びネットワーク経由でユーザーの画面に表示する。このように、複数の技術要素が協調して動作することで、便利なサービスが提供される。 さらに、情報の価値が高まるにつれて、その情報を保護するための情報セキュリティ技術の重要性も増している。情報セキュリティは、情報の機密性、完全性、可用性を維持することを目的とし、不正アクセス、データの改ざん、情報漏洩、サービス停止などを防ぐための技術や対策を指す。具体的には、利用者本人であることを確認する認証技術、通信内容を第三者に読み取られないようにする暗号化技術、外部からの不正な侵入を防ぐファイアウォールなど、多岐にわたる技術が存在する。 情報技術の分野は絶えず進化しており、近年ではクラウドコンピューティング、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータといった新しい技術が次々と登場し、社会に大きな変革をもたらしている。システムエンジニアを目指す者は、まずここで述べたハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベースといった基礎的な構成要素を体系的に理解し、それらがどのように連携してシステムを成り立たせているかを把握することが重要である。その上で、常に新しい技術動向を追い続け、知識を更新していく姿勢が求められる。

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