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【ITニュース解説】Snap's AR glasses are getting a better browser and support for Spotlight video

2025年09月15日に「Engadget」が公開したITニュース「Snap's AR glasses are getting a better browser and support for Spotlight video」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

SnapのARグラス「Spectacles」のOSが更新された。Webブラウザが改良され、短編動画のAR視聴や撮影写真のジェスチャー閲覧が可能になり、AR体験が向上。スマホに代わるデバイスを目指し、2026年には一般消費者向けに新型が登場する予定だ。

ITニュース解説

Snap社が開発している拡張現実(AR)グラス「Spectacles」のソフトウェア「Snap OS」に、重要なアップデートが加えられた。このアップデートは、同社がARグラスに掲げる大きな目標、つまり人々がスマートフォン画面を見る時間を減らし、現実世界とデジタル情報を融合した新しい体験を提供することを目指す一歩となる。

拡張現実(AR)とは、私たちが普段見ている現実世界に、デジタルな情報を重ね合わせて表示する技術のことである。例えば、スマートフォンアプリで現実の風景にキャラクターを出現させたり、家具を試し置きしたりするのと同じ原理が、ARグラスではより没入感のある形で実現される。Snap社の「Spectacles」は、このAR技術を搭載したメガネ型のデバイスで、装着することで現実の視界の中にデジタルコンテンツが浮かび上がるような体験ができる。

今回アップデートされた「Snap OS」は、このARグラスを動かすための基本的なソフトウェア、つまりオペレーティングシステム(OS)にあたるものだ。パソコンにおけるWindowsやmacOS、スマートフォンにおけるiOSやAndroidと同じように、ARグラスの全ての機能やアプリケーションを管理し、ユーザーの操作を処理する役割を担っている。このOSが改善されることは、ARグラス全体の性能向上や使いやすさの向上に直結するため、非常に重要な意味を持つ。

今回のアップデートで特に注目されるのは、Webブラウザの大幅な改善である。Webブラウザは、インターネット上のさまざまなウェブサイトを閲覧するためのソフトウェアで、ARグラスにとってもインターネットへの窓口となる重要な機能だ。新しいWebブラウザは、複数のサイトを切り替える操作がよりスムーズになり、表示されるウィンドウのサイズを自由に変更できるようになる。これにより、ユーザーは自分の視界の中でウェブコンテンツをより柔軟に配置し、見やすい形で利用できるようになる。また、処理速度が向上し、電力消費も抑えられたことで、約40分間の連続ビデオ再生が可能になった。これは、現在の「Spectacles」のバッテリー持続時間が約45分であるため、ほぼバッテリーが尽きるまで快適に動画コンテンツを楽しめることを意味し、実用性が大きく向上したと言える。ソフトウェアの最適化によって、ハードウェアの制約であるバッテリー寿命を最大限に活用できるよう改善された好例と言える。

さらに、Snapchatの短尺動画プラットフォームである「Spotlight」をARグラスで閲覧するための専用レンズが追加された。「レンズ」とは、ARグラス上で特定の機能やAR体験を提供するアプリケーションのようなものだ。このSpotlight専用レンズを使うことで、ユーザーはAR空間内で短尺動画コンテンツを閲覧できるようになり、スマートフォンを取り出すことなく、手軽にエンターテイメントを楽しめるようになる。

また、「ギャラリーレンズ」も新機能として加わった。このレンズを使えば、ARグラスに内蔵されたカメラで撮影した写真を手軽にプレビューし、手ぶりによるジェスチャー操作で素早くスクロールして確認できるようになる。ARグラスで現実世界の瞬間を切り取り、その場でAR空間の中で確認できるというのは、スマートフォンのカメラアプリを使うのとはまた違った直感的な体験を提供する。

Snap社はこれまで、このARグラスを一部の開発者向けにのみ提供してきた。高価なサブスクリプション料金を支払う開発者だけがこのデバイスを手に入れ、数百人の開発者がこのプラットフォーム向けに独自のARレンズや体験を創造してきた。これは、新しい技術を世に出す際によく見られる戦略で、まずは開発者に使ってもらい、さまざまなアプリケーションや使い方を模索してもらうことで、プラットフォームとしての魅力を高める狙いがある。これはエコシステムを構築するための重要なステップである。

しかし、これらの開発者によるAR体験は、まだ限られた範囲の人々にしか届いていない。Snap社は2026年に、より小型で軽量、そして高性能になった一般向けの次世代ARグラス「Specs」を販売する予定だ。今回の「Snap OS」のアップデートは、この一般販売に向けて、ARプラットフォームをより便利で魅力的なものにするための準備段階と位置づけられる。一般ユーザーが手にした際に、すぐにでも使える便利な機能や、スムーズな操作体験を提供できるよう、今のうちからソフトウェアの改善を進めているのだ。

詳細なデザインや性能はまだ明らかにされていないが、今回のソフトウェアアップデートが示しているのは、Snap社がAR技術を単なるギミック(見せかけの機能)で終わらせるのではなく、日々の生活に溶け込む実用的なツールとして進化させようとしている強い意志である。人々がスマートフォンから解放され、現実世界とデジタル情報が自然に融合する未来のコンピューティング体験を、ARグラスを通じて実現しようとしているのだ。このような新しいデバイスとOSの開発は、未来の技術がどのように進化していくのかを理解する上で非常に興味深い事例と言える。

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